「再開発」とは、一度つくられた街や建築物を再び新しい時代に合った利用形態につくり直したり、改修・保存することです。主な整備手法としては、以下のものがあります。
市街地再開発事業は、低層の木造建築物が密集し、生活環境の悪化した平面的な市街地において、細分化された宅地の統合、不燃化された共同建築物の建築及び公園、緑地、広場、街路等の公共施設の整備と有効なオープンスペースの確保を一体的・総合的に行い、安全で快適な都市環境を創造しようとするもので、都市再開発法に基づき行われる事業です。
都市再開発法では、次の者が施行者とされています。
施行区域内の宅地の所有者又は借地権者が、5人以上共同して一定の条件を満たした場合に組合設立し、施行者になることができます。また、地区内の地主、借地人はたとえ事業に反対であっても全員が組合員となります。
施行区域内の宅地の所有者又は借地権者、または、これらの同意を得た者は、一人又は数人で共同して施行者となることができます。なお、個人施行においては、必ずしも施行区域内の権利者全員が施行者になる必要はなく(5人以下でも可)、また、事業の都市計画決定がなくても施行可能です。
平成14年の法改正により創設されたもので、市街地再開事業を主たる目的とする株式会社です。なお、議決権の過半を有する所有者又は借地権者及びこれらの株式会社が、施行区域内の宅地と借地について3分の2以上を保有することが必要です。
※平成19年度より共同施設整備費の一部は、原則包括精算により算定します。
市街地再開発事業では、権利変換という方法で権利を置き換えるときに、財産の移動がなかったものとみなされ、所得税・法人税や不動産取得税はかかりません。これらの税の他、固定資産税や事業所税、登録免許税において各種優遇措置が講じられています。
一定以上の要件を満たす事業に対しては、補助金の他に政府系金融機関などから、貸付期間、利率が有利な安定した資金の融資を受けることができます。
福岡市内においてこれまで実施されている市街地再開発事業は以下のとおりです。
既成市街地での細分化された敷地の共同化や、土地の高度利用を図り公開空地を確保するなど、良好な市街地形成や優良の住宅の供給を促進するために一定の条件を満たす民間等の任意の再開発事業に対して、国と地方公共団体が支援する制度です。
事業の特徴として以下のものが挙げられます。
法定再開発 | 優建 | |
---|---|---|
地権者の同意 | 3分の2以上(組合)、全員(個人) | 全員同意 |
都市計画の有無 | 原則有 | 無 |
期間 | 長 | 短 |
補助 | 大 | 小 |
税法上の優遇措置 | 大 | 小 |
まとめ | 時間はかかるが、 補助内容・税法上の優遇措置が充実 |
即効性は高いが、 補助内容・税法上の優遇措置が少ない |
2人以上の地権者が敷地を
共同化して建築物等を整備します
建築協定、地区計画等に基づき
建築物等を整備します
老朽化マンションの建替を行います(火災で建物が機能低下している場合も含む)
※マンション建替えの円滑化等に関する法律に基づき許可を受けて実施されるマンション建替事業のうち、平成19年度までに着手されるものは要件が緩和されます。
「中心市街地の活性化に関する法律」に基づき、中心市街地における優良な共同住宅の供給を行います
既存オフィスビル等を活用して住宅を整備します
優良建築物等整備事業を行うには、次の基礎要件をすべて満たしていることが条件となります。
概ね1000平方メートル以上(2号地区は500平方メートル)
6メートル以上の道路に4メートル以上接すること
一定規模以上の空地を確保すること
地上3階以上にすること
耐火建築物又は準耐火建築物にすること
基礎要件のほかに、タイプ別によって次の条件が必要となります。
2人以上の地権者が複数の敷地に共同ビルを建設する事業(ただし、地権者が2人以上の場合は200平方メートル未満の狭小敷地又は不整形の土地を含むこと)
次のいずれかに該当するもの
次のすべてに該当するもの
区分 | 項目 |
---|---|
調査設計計画 | 事業計画作成費、地盤調査費、建築設計費 |
土地整備 | 建築物除去等費、補償費等 |
共同施設整備 | 空地等整備費、供給処理施設整備費 |
その他の施設整備費 | |
附帯事務 | 附帯事務費 |
福岡市内においてこれまで実施されている優良建築物等整備事業は以下のとおりです。
租税特別措置法等の一部が改正され、認定再開発事業のための土地等の譲渡に係る課税の特例は廃止されました。(施行日:令和5年4月1日)
福岡市内においてこれまで実施されている認定再開発事業は以下のとおりです。
特定民間再開発事業制度とは、民間が行う任意の再開発事業のために土地、建物を譲渡した個人が、当該事業による建築物等を取得し、当該個人の居住の用に供する場合、または当該建築物を取得できない特別な事情があるために当該事業の施行地区外で一定の土地、建物を取得した場合に税制上の特例が適用されます。事業的なニュアンスがありますが、税法の一種であり、税制特例により任意の再開発事業を誘導しようとする制度です。
「特定民間再開発事業の認定要件」は租税特別措置法施行令第25条の4第2項に規定されています。
その概要については以下のとおりです。
(大都市等の特例により、福岡市内については県知事ではなく市長の認定となります。)
認定を受けた事業(特定民間再開発事業)には税制の特例措置があります。(詳細については、税務署に問い合わせ下さい。)
当該事業による建築物を取得することを困難とする「特別な事情が認められると、 長期譲渡所得の課税の特例(※)が適用されます。
(※)所有期間が5年を超える土地や建物を売ったときの税額
租税特別措置法等の一部が改正され、特定の民間再開発事業のための土地等の譲渡に係る課税の特例は廃止されました。(施行日:令和5年4月1日)