バイオ燃料導入の実証実験について
博多港におけるバイオ燃料の普及を促進し、船舶や車両から排出されるCO2の削減を図るため、バイオ燃料導入の実証実験を進めております。
バイオ燃料とは… バイオマス(生物資源)を原料とする燃料のことで、化石燃料を代替するカーボンニュートラルな燃料として利用拡大が期待されています。
バイオ燃料活用実証事業 <令和6年度>
博多港のカーボンニュートラルポート形成に向けた取組みの一環として、車両から排出されるCO2の削減を図るため、環境局と港湾空港局が連携し、バイオ燃料を活用した実証事業を行います。
実証事業の概要
- (1)実証車両 : 貨物車 6台
内、1台はコンテナターミナル内のトレーラーヘッド(博多港ふ頭株式会社 所有)
トレーラヘッドとは…コンテナ船からクレーンによっておろされたコンテナを、保管場所まで運んだり、反対に保管場所から船に積み込むために運んだりするため、コンテナターミナル内のみを走行する車両のことです。
- (2)実証期間 : 令和6年7月12日 から 令和6年12月頃 まで (供給するバイオ燃料がなくなり次第終了)
- (3)使用するバイオ燃料 : HVO(水素化処理油)、20%混合
- (4)実証内容
・バイオ燃料を既存燃料である軽油と混合し、試験走行を実施
・バイオ燃料の使用によるエンジンへの影響の有無等を調査
- (5)現場見学会(令和6年7月12日開催)
実証事業を開始するにあたり、報道関係者向けに現場見学会を開催しました。
見学会の様子
▲実証事業に使用するトレーラーヘッド
(全長:16.3m(荷台連結時)、幅:2.5m、高さ:2.9m)
▲バイオ燃料の給油状況
▲トレーラーヘッドの作業状況
市営渡船における実証実験 <令和6年度>
博多港のカーボンニュートラルポート形成に向けた取組みの一環として、船舶から排出されるCO2の削減を図るため、市営渡船においてバイオ燃料導入の実証実験を行います。
実証実験の概要
- (1)実証実験に使用する船舶
「きんいん」(博多ふ頭~西戸崎・志賀島を航行する市営渡船)
・総トン数:19トン
・全長:約20m
・旅客定員:85名

▲「きんいん」
- (2)実証実験の内容
・既存燃料(軽油)にバイオ燃料を約25%混合した燃料を使用して試験航行を実施
・バイオ燃料の使用によるエンジンへの影響の有無等を調査
- (3)試験航行の期間
令和6年8月13日~令和6年10月頃まで
- (4)使用するバイオ燃料
廃食油から製造されたバイオディーゼル燃料
- (5)実証実験の委託事業者
豊田通商株式会社(名古屋市)
市有船舶(清掃船)における実証実験 <令和5年度>
実証実験の概要
- (1)対象船舶 : 福岡市所有 清掃船「第2かもめ」 (総トン数:19トン)
清掃船とは…水域の環境保全や船舶の安全航行を確保するため、海上に浮遊する木の枝やゴミ等を専用の回収装置を用いて収集する船舶のことです。
- (2)履行期間 : 令和5年9月14日 から 令和6年3月15日 まで
- (3)受注者 : 豊田通商株式会社
- (4)実証実験内容
・バイオ燃料を既存燃料である軽油と混合し、試験航行を実施
・バイオ燃料の使用による船舶への影響の有無等を調査
(5)使用したバイオ燃料、混合割合
脂肪酸メチルエステル(FAME) 、 約25%混合
実証実験の結果
- 既存燃料(軽油)による運航と比較し、出力や操作性、燃料消費量に差異は認められず、既存の設備のままバイオ燃料の使用が可能であることが確認できました。
- 試験航行後にエンジンを分解し、内部の部品等を調査した結果、汚損具合や機関内部への堆積物等についても、既存燃料使用時と比較し、差異は認められませんでした。
実証実験の様子
▲バイオ燃料給油状況:左側の青い船が清掃船、右側の緑の船が燃料補給船
▲実証実験で使用したバイオ燃料:受注者がグループ企業等から回収した廃食油を原料に精製したもの。
(左が回収段階の廃食油(植物油)、右が精製したバイオ燃料)