福岡移住者のその後が気になる! FCC同窓会で聞いた、移住後のリアル

福岡市が実施している、IT・デジタル業界のクリエイティブ人材の福岡移住と就職をサポートする「福岡クリエイティブキャンプ(以下、FCC)」。今年で活動開始から4年目を迎え、本事業を利用してこれまでに移住された方の数は、60名以上にものぼります。

awabar入口

10月6日、FCCを利用して移住された方を対象に、移住の“その後”を共有する場としてプチ同窓会が開催されました。会場は、福岡市の旧大名小学校跡地に開設された官民共働型スタートアップ支援施設『FUKUOKA Growth Next』内にあるスタンディングバー「awabar(アワバー)」。

この日は14名が参加し、同時期に移住した方との久しぶりの再会を喜ぶ姿や、初対面でもお互いの移住ストーリーを持ち寄り、話に花が咲く姿が見られました。

移住移住というけれど、「移住後の生活って実際どうなの?」「実は後悔してたりしない?」ーープチ同窓会に参加して、“その後”について移住者のリアルな声を聞いてきました。

お話を伺ったひとり目の方は、以前#FUKUOKAのインタビューにもご登場いただいた、有限会社アイメージのCGデザイナー・河原正明(ごうばら・まさあき)さんです。

有限会社アイメージ・河原正明さん

ーーまずは、河原さんが移住しようと思ったきっかけから教えていただけますか。

河原 以前は東京で働いていたんですが、僕の地元が島根で妻の実家が宮崎なので、結婚後互いの実家に帰省しやすいように、いつか西日本に住みたいと思っていました。福岡を選んだのは、学生時代を過ごした住み心地のいい場所で、土地勘もあり安心できるから。実は妻と出会ったのも福岡なんです。もちろん、友人を通してFCCの存在をタイミングよく知れたことも大きいですね。そんな経緯で、平成27(2015)年の12月に、福岡に移住してきました。

ーー福岡は奥様と出会った思い出の地でもあるんですね。移住から半年のタイミングでインタビューさせていただいた際は、生活にとても満足しているとのことでしたが、その後ご自身の中で何か変化はありましたか?

河原 移住して1年10ヶ月が経ちましたが、今でもとても満足していますね。もともと住み慣れた土地で、移住前から生活が想像できていたので、その通りになったという感覚です。電化製品ならあそこ、公園に行きたければあそこというように、どこに行けば何が手に入るのかがよくわかっているので、安心できるんです。休日には芝生のある大きい公園に行き、テントを立てて子どもとアイスを食べる。佐賀の有明海まで行って、ムツゴロウを見て、帰り際に野菜の直売所で新鮮な野菜が100円ぐらいで買える。車があれば九州のあちこちに気軽に足を伸ばせますからね。普通の生活が普通に送れる幸せを日々感じています。

ーー仕事面での変化はありましたか?

河原 前は40人くらいCGデザイナーのいる会社で、派遣社員として働いていましたが、いまは少人数なので個性を発揮しやすく、撮影現場への参加や監督と直接やり取りができるので、やりがいを感じています。

ーーそれでプライベートも充実しているとなれば、「ワーク・ライフ・バランス」のお手本のような生活ですね!

河原 そうですね(笑)。僕は趣味がない、といいますか映像制作やPCを触るのが好きなので、仕事が趣味のようなものなんです。プライベートでは子どもと一緒に遊ぶことが一番と感じていて、子どもと過ごす時間をしっかり確保できるだけでなく、気軽に自然に触れさせることができる現在の環境にとても満足しています。

続いてお話を伺ったのは、株式会社しくみデザインにてインタラクティブコンテンツの制作や企画を担当されている横山隆明さん。河原さんとは打って変わって、福岡には縁もゆかりもなく知り合いゼロの状態で東京から移住してきたIターン組。一体どのように知り合いを増やしていったのでしょうか。

株式会社しくみデザイン・横山隆明さん

ーー横山さんの移住のきっかけはなんだったのでしょうか。

横山 僕は宮城で生まれ育ち、その後東京を経て福岡へと移住してきたのですが、将来的に仙台に戻る時に、地方都市での働き方を別の場所で経験しておきたいな、と考えていたんです。東京にいる頃から、いろんな企業が福岡に支社を出していたり、福岡市長がクリエイティブな分野にとても理解のある方ということもあり、数ある地方都市の中でも福岡が気になっていました。そんな時、「Web Designing」という雑誌でFCCについて知り、話だけでも聞いてみようと説明会に参加しました。そこで「しくみデザイン」のことを知り、いま自分の仕事において足りないと思っている部分が、福岡に行けば得られそうだなと。

ーー仕事において足りない部分とは?

横山 東京では企業相手にB to Bのアプリをつくる会社でデザイン全般を担当していたんです。アプリをつくって納品したらおしまい、という環境だったので、実際にユーザーが使っているところを見て、サービスを改善して…というサイクルが無かったんですね。いまの会社では、ユーザーが直接体験できるコンテンツを主につくっているので、つくったコンテンツのその先、子どもたちが夢中で動き回って楽しそうに遊ぶ様子を見ることができてすごく充実しています。

ーー実際に使ってくれている様子を見ると、仕事のモチベーションも上がりそうですね。福岡に移住して、ご自身の中で何か変化はありましたか?

横山 コミュニケーション力がつきました(笑)!実は、仕事のことしか考えずに移住してきたのですが、よくよく考えたら休日に会える人がひとりもいないことに気づいて…それはちょっとまずいなと(笑)。それまでは自分から知り合いをつくるタイプではなく、知り合い以外とは話さないような感じだったので、福岡に来て、人とのコミュニケーションという点においてだいぶ成長しましたね。

ーー実際にどのように知り合いを増やしていったのでしょうか。何かコツがあれば教えてください。

横山 いま移住して3年目ですが、1年目はとにかくいろいろなイベントや集まりに顔を出すようにしてました。体を動かすのが好きなので、スポーツのサークルを調べて参加したりもして。卓球、バレー、バスケ、フリスビーなど、いろいろなサークルに参加しています。福岡にはコミュニティやサークルがたくさんあって、横のつながりも強いので、いくつものコミュニティに属している人も多く、知り合った人がまた違うコミュニティに誘ってくれることも多くありました。福岡の人は人柄的にも間口が広いというか、外からの人もウェルカムな空気があるので、それも相まって自然と知り合いや友人が増えていきましたね。横のつながりが強い分、下手なことはできないですけどね(笑)

ーー福岡への移住を迷っている方へ、アドバイスをお願いします。

横山 うどんが好きなら福岡へ(笑)! もともと僕はうどんが好きだったので、福岡について調べた時に、うどん発祥の地だとか独特のうどんがあるという点にもすごく惹かれたんです。ちなみに、博多駅南にある「葉隠うどん」が一番のお気に入りです。あとは、移住するなら勢いも大事! 僕も半ば勢いでしたが、せっかくいろいろ調べたり、説明会に参加したりと行動を起こしたんだから行ってみようと。行けばなんとかなるよと言いたいですね。

FCC同窓会の様子

移住のきっかけや仕事について、オススメのランチの情報交換まで、あちこちで話が弾んでいた同窓会。福岡に来たことでプライベートも仕事も充実し、一度福岡の生活を経験してしまうと、東京には戻れないという声もあったほど。任せてもらえる仕事の範囲が広いのでスキルアップができる、コンパクトシティゆえに朝の通勤ラッシュから解放され心にゆとりを持てる、何を食べても美味しい…など理由はさまざまですが、皆それぞれに福岡の生活を満喫されていました。

FCCでは、移住についての個別相談会「移住コンシェルジュ@東京」を毎月開催しています。福岡への移住が気になってきた方は、次回の移住コンシェルジュにぜひ参加してみてください。最新の開催情報は、下記のリンクよりどうぞ。
 

 

[関連リンク]
福岡クリエイティブキャンプ
http://fcc.city.fukuoka.lg.jp

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