ライター・タカヤナギの「福岡ガチ検証生活」

【福岡プチ移住ブログ Day18】ベタナマ、ナマタマ!謎の暗号を受信するラーメン秘密基地、元祖長浜屋

福岡に来てからたくさんのとんこつラーメンを食べました。印象に残っているのは、濃厚なこってりスープの八ちゃんラーメンや昼も夜も大行列のShin-Shin(シンシン)などでしょうか。

でも、先日、仕事で知り合った方から、絶対に行くべき博多とんこつラーメン店があると聞かされました。なんでも、注文方法に「ベタナマ」や「ナマタマ」といった独自のルールがある、「ガンナガ」の愛称で地元っ子から親しまれる老舗なんだそうです。

東京でも食券を購入する前に麺のサイズを「小」か「大」かコールし、「野菜マシマシ」といった一見の客にはわからないルールを敷く「ラーメン二郎」という人気店がありますが、どうやら話を聞くと、同じ匂いを感じました。

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B級グルメ好きの僕としては、行かないわけにはいかない! ということで、今回はその元祖長浜屋(通称:ガンナガ)さんに行ってみることにしました。

元祖長浜屋さんは、福岡のラーメンの聖地とでも言うべき長浜地区にあります。最寄り駅は、地下鉄空港線の赤坂駅。長浜鮮魚市場の目の前にあり、歩くと10分ほどで到着しました。ちなみに、長浜ラーメンは、市場関係者がセリの合間に素早く食べられるように、すぐに茹でることができる極細麺を採用したそうです。好例のマメ知識です、はい。

創業は昭和27年と、実に60年以上の歴史があります。営業時間は24時間営業のときもあったようですが、お店の公式ホームページで確認すると、現在は朝の6時から夕方の4時までとなっていました。やはり、市場の前という立地から朝早い市場関係者をターゲットとしているのでしょう。

メニュー見ると、ラーメンと替え玉、その他、替え肉やアルコール類しか販売されていません。

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食券機のボタンも8つしかなく、いたってシンプルなメニュー構成。ラーメンは一杯500円、替え玉は100円です。ちなみに、とんこつラーメンでポピュラーな替え玉のシステムをはじめて導入したのが元祖長浜屋さんとのことです。

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店内に入ると、即座にラーメンの好みを聞かれます。もちろん、僕はおすすめされた「ベタナマ」を注文しました。これは「脂の量」と「麺の硬さ」を表していて、ベタとは脂多め、ナマとは超硬麺のことです。たとえば、「ナシカタ」と頼んだお客さんは、脂なしの硬麺を注文したことになります。麺の固さは「ナマ」「カタ」「フツウ」「ヤワ」の4種類、脂の好みは「ベタ」「フツウ」「ナシ」の3種類、その他、ネギの量を「ネギオオメ」「ネギモリ」と選ぶことができます。メニューはラーメン1種類しかないですが、そのバリエーションはかなりの数になります。

はじめて訪れた僕にとって、その光景はまるで別世界。お客さんの秘密の暗号を店員さんが受信するという神秘的ワンシーンに震えるばかりです。このやり取りを見るだけでも、行く価値があります。

厨房は、すごくシンプル。

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所狭しとラーメンの器が並べられ、すぐにラーメンを提供できる体制が整えられています。プロ魂ですね。

テーブルにはセルフでお茶が飲めるように、湯呑みが置かれています。

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独特の機能美を感じさせる並べられ方をしていました。

5分ほどでラーメンが運ばれてきました! 紅生姜を添えて、ゴマをかけてみました。う〜ん、イイ匂い!

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見た目は、ご覧の通り、まったく飾り気がありません。具材は細かく切られたチャーシューと大きめのネギのみ。「元祖」を名乗る故の自信の表れでしょうか。

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脂は、ベタを頼んだだけあり、圧倒的です! 胃の調子がよくないときには、悪魔のように感じてしまうことでしょう(笑)。

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それでは、いただいてみましょう!

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麺はナマを注文しただけあり、しっかりとした食感を楽しめます。東京では、ハリガネ〜粉落としと呼ばれるくらいの硬さです。これは好みにもよると思いますが、僕は美味しくいただけました!

スープは、意外とあっさりしていて、非常に薄味です。それがチャーシューの塩気と相まって、じわじわと旨味が口の中に広がっていきます。豚骨のダシも濃すぎることも、薄すぎることなく、ちょうどイイ塩梅。ペロッと一杯食べきってしまいました。

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というわけで、替え玉です。注文したのは「ナマタマ」。もうおわかりだと思いますが、これは超硬麺(ナマ)の替え玉(タマ)の意味です。僕は、他のお客さんが「ナマタマ」を連呼しているので、メニューにない生卵でもあるのかと勘違いしてしまいました(笑)。

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若干薄くなったスープを補うために、ラーメンのタレを追加しました。

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肉好きの人には、小皿に盛られた替え肉(100円)もおすすめです。けっこう注文されているお客さんも多かったですよ。

いや〜、インパクトはとんでもなく一級品ですね。

正直、ラーメンが美味いか不味いかを超えた(もちろん、美味しいですよ)、カリスマのオーラをビンビンに受信したというのが一番のところです。

東京でもラーメン二郎のようなガラパゴスに進化したラーメン屋さんが好きな方にはぜひおすすめしたい次第。

それでは明日もお楽しみに〜