福岡クリエイティブキャンプで移住した人の本音インタビュー 【第1弾】 CGデザイナー河原正明さん

福岡市では、IT・デジタル業界のクリエイティブ人材の福岡移住と就職をサポートする「福岡クリテイティブキャンプ(以下、FCC)」を実施しています。平成27(2015)年度は、FCCを通じて31名が首都圏を中心とした日本各地から福岡市へ移住してきました。

平成27(2015)年12月に家族3人で東京から福岡市に移住し、有限会社アイメージで働く河原正明(ごうばら・まさあき)さんもそのひとり。今回は、そんな河原さんに移住前や移住後の仕事、生活の変化などについてお聞きしました。

――まずは河原さんの職歴と、移住のきっかけを教えてください。

河原 はい。出身は島根県で、進学で初めて福岡に来ました。大学時代を福岡で過ごす中で「福岡はいい街だな」と思っていたのですが、平成23(2011)年に東京の会社に就職し、化粧品関係のルート営業を担当しました、その後すぐに大阪に転勤。どうしてもパッケージデザインなどのクリエイティブな仕事に就きたいという思いを諦めきれず、働きながらCGの勉強を開始しました。その会社で3年間働き、ちょうど第一子が誕生した頃、東京の別の会社にCGデザイナーとして採用されました。初めは最低でも3年は働こうと思っていたのですが、半年ぐらいたった頃東京での生活に違和感を覚えるようになって…。

――違和感、ですか。具体的にはどんなことでしょう?

河原 仕事だけでなく、家族との時間も大切にするトータルなライフプランを考えた時に、東京での生活は都会過ぎて自分たちには合わなかった、ということですね。たとえば、自宅から職場まで通勤には片道1時間以上かかり、休日に出掛けるにも混んだ電車に乗らないといけない。私が島根、妻が宮崎と、どちらも田舎出身だったこともあり、私たちにとって東京は想像以上に緑が少なく感じられました。新しい業界に入ったばかりで仕事も慣れていないし、毎日の帰宅も遅い、さらに子供とろくに一緒にいられない期間が続いて、次第に「こんな生活を続けていていいのかな」と思うようになったんです。同時に、双方の親が西日本にいることもあり、私が大学時代に過ごした福岡に移り住むのもアリかな、と考え始めました。

――そんな時にFCCの存在を知ったわけですね?

河原 ええ。同じ業界の友人からFCCの話を聞きました。2人目の子供が生まれたこともあり、これはおちおちしてられないぞと思い、すぐに申し込みましたね。その後、FCCを通じて市内企業2社と面接。どちらも直接お話しさせていただき、最終的にいまの会社で働くことになりました。平成27年12月に面接、その数週間後の同年末には家族で福岡に引っ越してきました。

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――実際にこちらに移住してきて、どんな感想をお持ちですか?

河原 生活環境がとてもよくなりました。東京にいた頃は通勤時間が電車で1時間強でしたが、いまは自転車で20分。それだけでも毎日の負担が全然違います。家族といられる時間も格段に増えて、休日は家族と車で山や海にも出掛けられるようになりました。こっちはご飯もおいしいですしね。思い描いていた通りの環境が手に入ってとても満足しています。

――仕事のやりがいという点では、東京と比較して何か変わりましたか?

河原 セミナーや勉強会の多さなど、新しい情報に触れやすいという点では、たしかに東京に分があるかもしれません。でも、仕事のレベルとして、福岡が劣っているとは感じませんね。現在担当している3DのCGアニメーション分野だったら、東京というよりもむしろ北米や欧州の最先端のシーンが参考になります。そもそもモチベーションを高く持っていれば、どこにいても学ぶことはできますし、福岡で働いた方が実戦で任せられる裁量が大きいので、スキルアップもその分早くできるのではないでしょうか。

――FCCのサポート体制についても、ひとことお願いします。

河原 40万円の応援金が受け取れる制度には助けられました。移住のハードルのひとつとして、長距離の引越しによる金銭的な負担は大きいと思います。応援金を受け取るまでも迅速に対応いただきましたし、応援金のおかげで、引越し後も支障なく普段の生活を続けられたので大変助かりました。

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――では最後に、今後の目標について教えてください。

河原 1月頭から今の会社に勤務して、3ヶ月でようやく仕事のペースを掴み始めました。これからは、映像以外の分野など、自分の興味があるものや強みを生かせる分野も積極的に会社に提案できたらいいなと思います。また、福岡には映像やCG、アニメーションの世界で、日本でもトップレベルの企業がたくさんありますから、動向をチェックし勉強させてもらいながら、自分のスキルアップを図っていきたいと思っています。

 

【採用担当者からひとこと】
有限会社アイメージ 土井秀文(どい・ひでふみ)代表
当社が求めていた人材は、若すぎず、ある程度の経験があって、別の会社や業界の空気を知っている方。それに、単身者より家族がいる方が覚悟を持って仕事に望んでもらえます。河原さんは、技術が高かっただけでなく、とても意欲的でしたね。初めは電話かSkypeで面接する予定だったのですが、「会っていただけるなら行きます!」とすぐ福岡まで飛んで来ていただきました。人柄も直接会えばわかります。当社は新卒採用が多く、よくも悪くも「うちしか知らない」スタッフが多い中で、他の企業文化を経験している河原さんは貴重な存在です。独自の色を出し、社内に新しい風を吹き込んでもらうことを期待しています。

 

【関連リンク】
福岡クリエイティブキャンプ2015
http://fcc.city.fukuoka.lg.jp/

ぼくらの福岡クリエイティブキャンプfacebook
https://www.facebook.com/fukuokacreativecamp

有限会社アイメージ
http://www.i-mg.jp/

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