冷たいスープ、カウンター席のイスを再利用した座敷用イス
ローコスト&負担少なめ、アイデア一つでできるユニバーサルデザイン
福岡市および近郊で18店舗を展開するうどんチェーン店。「食べても食べてもなくならない魔法のうどん」と称される独自製法の麺は、毎日店舗内で製造しています。店舗は主に車のアクセスがいい大通り沿いにあり、ファミリーを中心に幅広い世代が訪れています。
お子様連れのファミリーや、ご高齢の方が食事をする様子から、より食べやすい環境を整えるアイデアを創業者が立案しました。
牧のうどんで実施されているユニバーサルデザインの多くは、創業者のアイデアで生まれ、世の中が「ユニバーサルデザイン」を意識するようになる前から行ってきました。
【お子様用の冷たいスープ】
熱々のうどんを、お子様のために別の器で冷ませてから食べさせるお客様の様子を見て、「すぐに食べられて、手間要らずの方法」を創業者が思案し、お子様連れのお客様には、子ども用のスプーンとフォークに加え、別の器に入れた冷たいスープを出すようにしました。熱いうどんをママやパパが「ふ~ふ~」と冷まさなくても、冷たいスープに入れればすぐに食べることができます。
スープは常に冷蔵庫に入れてあるので、スタッフにとっても負担はありません。
うどんを短く切るためのハサミも用意しています。
また、乳幼児をお連れのご家族には、食事中に寝かせておくこともできるように、タオルを貸出しする配慮も行っています。
かわいい子ども用のイスは、お子様自ら取りに行けるよう、わかりやすい場所に置いています。
また、トイレにはおむつ替えができる設備の設置、妊婦の方が座りやすい掘りごたつ席を「まごころ優先席」として用意、ミルク用のお湯のサービスなど、各店舗で独自の取組みを行っています。
【足の負担を軽くする座敷用イス】
ご高齢の方や、ケガをされている方などにとって、座敷席は膝や腰に負担がかかります。そこでスタッフが店舗内でご使用されているイスの足を短くして、膝や腰に負担がかからない高さに調整し、座敷用イスとしてリメイクしています。カウンター席のイスを再利用しているので、費用の負担はありません。
【段差が低い座敷】
配膳するスタッフが楽に昇降できるように、座敷席の段差は低めに設計しています。小さなお子様が自分で靴を履く時にもちょうどいい高さになっています。
【入口は吊り下げタイプの引戸】
店舗の入口は、吊り下げタイプの引戸で下にレールがありません。そのため車椅子やベビーカーご利用の方、杖をお使いの方もスムーズに出入り可能となっています。
「お客様に気持ちよく過ごしていただくために」と、当たり前のように行っているサービスではありますが、これらにより子育て世代からご高齢の方まで幅広い客層の来店につながっていることを実感しています。また、冷たいスープは冷蔵庫で冷やしておく、座敷用イスはカウンター席のイスを再利用するなど、あまりコストをかけずに実施できる点も店舗経営において大きなメリットだといえます。あると便利なものを「用意」して、あとはお客様の好みや自主性にお任せするスタイルは、従業員の負担も少なく実施でき、お客様に対するサービス向上にも寄与しています。
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