水素はエネルギーとして利用する際に、温室効果ガスである二酸化炭素(CO2)を排出しない、クリーンなエネルギーです。
二酸化炭素の抑制は異常気象の原因ともいわれる地球温暖化の抑制につながるため、世界規模で水素を活かす研究やまちづくりが進んでいます。
水素は化石燃料などのほか、水と電気を使ってつくることもできます。
そのため、水素をつくるために国内の太陽光や風力などの再生可能エネルギーを利用する取組みが進めば、現在輸入に頼っている国内のエネルギー自給率も高まると期待されています。
太陽光や風力といった再生可能エネルギーは季節や時間帯によって使いきれない場合があります。
しかし、それらのエネルギーを水素に変換して貯めておけば、いつでも安定して利用することができます。
水素の自然発火温度は非常に高く、空気中の温度が527度にならないと自然発火しません。
(ガソリンよりも自然発火温度が高い!)
また、水素は空気に4~75%混ざった状態で燃える可能性のある気体になりますが、水素は軽く、拡散スピードが非常に速い気体のため、万が一空気中に漏れてもすぐに薄まって発火しなくなります。
水素の燃焼は、水素が酸素と化合して水を生成する際の反応です。
不完全燃焼という状態がなく、また燃焼により有害物質が出るなどの心配はありません。
水素自体は人体に無害です。
燃焼の際に出るのは毒性がないガスで、中毒の危険もありません。
FCモビリティは「水素を漏らさない」、「水素漏れを検知した場合は止める」、「万が一、漏れた水素は溜めない」といった安全対策が施されています。
詳しくは、トヨタ自動車のホームページをご参照ください。
福岡市は、市民生活で日々排出される生活排水(下水)から水素を製造し、FCV(燃料電池自動車)などに供給する「世界初」の水素ステーションを、民間事業者とともに運営しています。
福岡市は、水素の需要創出に向け、トヨタ自動車とともに、社会インフラを担う車両の水素化に取り組んでいます。
現在、移動式発電・給電システム「Moving e」や給食配送車、ごみ収集車を導入しているほか、救急車の実証を行っています。
水素で走り、発電もできる燃料電池バス「Moving e」
FC給食配送車
FCごみ収集車
FC救急車
市民や事業者の皆さんがFCVを購入する際に、1台あたり60万円を補助しています。
補助金の申込方法など詳しくは、環境局のホームページをご参照ください。
トヨタ自動車 CROWN FCEV
トヨタ自動車 MIRAI
本田技研工業 CR-V e:FCEV
下水は日々安定的に集まるため、下水由来の水素も安定供給が可能です。
都市部の下水処理場で製造した水素が、自動車や電気など市民生活に使われるため、エネルギーの「地産地消」を実現することができます。
福岡市は、水素の地産地消のモデルケースとなるよう、チャレンジを続けています。