観光客も居住者も外国人が増えてる? 「グローバル都市・福岡」をデータで検証してみた

「福岡の食は神」
「できるだけ早く福岡に行くように」

自身のブログでこのような“福岡愛”を綴っているのは、アメリカの小説家、ジュノ・ディアズさん。『オスカー・ワオの短く凄まじい人生』などの作品で知られ、ピューリッツアー賞も受賞しているディアズさんは平成26(2014)年に念願叶って初の福岡滞在を体験。以来、福岡グルメの魅力にやられてしまい、冒頭の言葉を漏らしたといいます。

近年、ニューヨークやロンドンなど海外の大都市で、福岡生まれの豚骨ラーメン店が大人気となったことで、福岡は“食の都”として、世界的にも名が知れ渡りつつあります。昨年春にはアメリカ・ユナイテッド航空の機内誌が福岡を「次の偉大なる食の聖地」(The Next Great Foodie Pilgrimage)と紹介(https://www.city.fukuoka.lg.jp/hash/news/archives/56)。今後も“おいしい福岡”を求めて、世界中からお客さんがやってくることが予想されています。

実際、福岡を訪れる外国人は増加しており、福岡空港および博多港からの入国者は、平成27(2015)年には、初めて200万人を突破(http://facts.city.fukuoka.lg.jp/data/foreign-visitors/)。なお平成23(2011)年に福岡空港・博多港から入国した外国人の数は“わずか”59万人……つまり4年で約3.5倍も増加していることになります(同期間の東京が約2倍増であることを考えると、東京以上の伸び率を実現しています)。(資料:法務省出入国管理統計)

福岡のグローバル化は観光客数増加だけにとどまらず、福岡市内に住む外国人数にも見て取れます。次の各都市の外国籍人口の伸び率ランキングをご覧ください。

1位 福岡市 149.9%
2位 東京23区  126.6%
3位 名古屋市 112.0%
4位 大阪市 97.8%
(資料:法務省在留外国人統計、福岡市住民基本台帳、平成17(2005)年~平成27(2015)年の外国籍人口の伸び率(10年前を100とした場合の外国人居住者数(指数))

福岡の外国籍人口の伸び率は、日本の三大都市(東京23区、名古屋市、大阪市)を大きく引き離し、堂々の1位。実は、福岡は日本でもっともグローバル化が進んでいる都市とも言えるのです。

また、福岡に暮らす外国人は、留学生が多くなっているのも特徴。福岡市の外国人に占める留学生比率は、ここ数年で増加し、平成26(2014)年時点で27.3%と上昇傾向にあります。グローバル社会の到来とともに、福岡に暮らす外国人留学生の役割が期待されています。 

留学生数の多い都道府県ランキングはこちら。

1位 東京都 81,543人
2位 大阪府 15,280人
3位 福岡県 13,666人
4位 京都府 9,299人
5位 千葉県 8,275人
(資料:平成27年度外国人留学生在籍状況調査結果(独立行政法人日本学生支援機構))
http://facts.city.fukuoka.lg.jp/data/students/

そして、国際都市・福岡といえばMICE(国際会議)の開催件数が増加しているのもポイント。

MICEとは、「Meeting、Incentive Travel、Convention、Exhibition/Event」の、それぞれの頭文字から取った造語であり、多くの集客が見込まれる国際規模のビジネスイベントやコンベンション、学会や国際会議のことを指します。福岡市は、日本国内で5都市だけの「グローバルMICE戦略都市」に選定され、MICE誘致にも力を入れており、MICE開催件数は6年連続で国内第2位、政令市1位となっています。

MICE開催のメリットは、第一に経済効果。世界各国から訪れる主催者、参加者、通訳者らの滞在期間も長期に及ぶため、その消費活動は大きく、開催地域への経済波及効果に、大きな期待が寄せられています。

そして、第二のポイントが人的ネットワークの活用。国際企業や学会の主要人物が、ここ福岡に集まり、交流することで、人的資源のネットワークが生まれ、新規ビジネスやイノベーションにつながると言われています。大きな起業創出のチャンスでもあるのが、このMICE開催なのです。

グローバル都市としての福岡は、今後も発展する余地があります。アジアの重要都市として、グローバル化が進む国際社会の中で、福岡はその存在感を高めていくのではないでしょうか。


【関連データ】
データでわかるイイトコ福岡 Fukuoka Facts
http://facts.city.fukuoka.lg.jp/

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