6月1日、天神に「Rethink Books ~本とビールと焼酎と~ with Ploom TECH」(以下「Rethink Books」)という新たなスポットがオープンしました。本屋でありながらお酒が飲めるというRethink Books。福岡市内には個性的な本屋やおしゃれなブックカフェもありますが、本とお酒という異色の組み合わせが気になります。
さっそく、どんな書店なのか調べてきました!
地下鉄天神駅近くの明治通り沿いにあるガラス張りの店が「Rethink Books」。店内に入ると、鮮やかな水色の壁に描かれたチョークアートが目に飛び込んできます。
約85平米のこじんまりした空間は、北欧ヴィンテージの本棚や椅子が配置された落ち着いた雰囲気。カウンターやテーブルで、会計前にゆっくり本を選ぶこともできます。そしてレジカウンターでは、店名にもあるようにビールや焼酎を注文することも可能です。
「Rethink Books」は、東京・下北沢の「本屋B&B」が期間限定プロジェクトとしてプロデュース。B&Bとは“Book & Beer”の略で、こちらも店内でビールを飲むことができる本屋。ブックコーディネーターの内沼晋太郎さんと博報堂ケトルの嶋浩一郎さんが共同オーナーをつとめます。
マニアックな選書、一般的な新刊書店には並ばない個人や地方出版社のリトルプレス、ジャンルで分けない棚作りなどが特徴。作家や編集者、クリエイター、アーティストなどを招いたトークイベントも行われます。
内沼さんによると、同店のコンセプトは「Rethink(考える、とらえ直す)」。
「日常のささいな疑問から、あらゆることについて“Rethink”する場としての本屋を目指します。訪れた人と本との偶然の出会いを生み出せるよう、一冊一冊手を尽くして選びました」と話します。
店長の西山友美さんは東京・下北沢の「B&B」で2年間、書店運営に携わり、今回の“Rethink Books”出店に際し東京から福岡に移住してきたそうです。
「東京でのご縁を福岡におつなぎすることで、福岡ならではの親密なご縁が生まれるのではないかと期待しています。期間限定というところで面白い試みができないかと考え、下北沢でお世話になった方々(作家やアーティスト)に『宿題』を書いていただくことにしました」(西山さん)
店内の黒板に張り出された、作家やアーティストからの問いかけ=「宿題」も同店の魅力のひとつ。宿題と言っても、何か提出しろというわけではありません。この問いかけに立ち止まって、何かを考えることが目的。宿題は日替わりなので、どんな“問題”が出ているか見に行く楽しさもあります。
さらに見逃せないのが、週4回のペースで行われるというトークイベント。オープン初日には『酒井若菜と8人の男たち』(キノブックス)の出版記念として、女優・酒井若菜さんと芸人・水道橋博士さんによるトークイベントが開催されました。
イベントでは、「私が好きな男性に共通するのは、同性に愛されている人たち。この本に登場する8人の男たちも、結果的にそうなりました」という酒井さんのコメントや、「酒井さんは僕が編集長をしている『メルマ旬報』でも執筆してくれていて、普段は会話より文章でのやり取りが多いよね。文章で分かり合える者同士は、気持ちのインナースペースが近いと思うんだよね」という水道橋博士さんの熱い思いが語られました。
40人で満席になる小さな会場はかなり濃密な空気。今後、福岡ならではの登壇者を考えているそうなので、イベントスケジュールは要チェックです。
福岡に出店した狙いについて、「今もっとも勢いのある街の一つ」だからと内沼さん。福岡のクラフトビール「ブルーマスター」や、九州の焼酎を世界に広める活動をする「Sho-Chuプロジェクト」が選ぶ月替わりの焼酎の販売、音楽の街である福岡のミュージシャンを招く音楽ライブなども企画するなど、福岡だからできることにも力を入れているようです。これも、Rethink、福岡の魅力を“再発見”することにつながりそう。
期間限定の「Rethink Books」ですが、営業終了時期は未定。そのうちなくなってしまう本屋、思い立ったらすぐ行くのがオススメです!
住所:福岡市中央区天神1-10-24
電話:092-406-7787
営業時間:11:00〜22:00(21:30ドリンクラストオーダー)
定休日:なし
席数:カウンター12席、テーブル8席
設備:無料ウォーターサーバー、WiFi、電源