認知症かもしれない
もの忘れチェックシート
このテストは、ごく初期の認知症や認知症に進展する可能性のある状態などを、ご自分や家族が簡単に予測できるように考案されたものです。医学的な診断基準ではありませんが、点数の目安に応じて必要であれば、かかりつけ医や専門医を受診しましょう。その結果、何もなければ安心できますし、他の病気や認知症が見つかれば早めの対応をすることで、進行を遅らせたり症状を軽減することに繋がります。
もの忘れチェック表
質問項目 |
ほとんどない |
ときどきある |
頻繁にある |
同じ話を無意識に繰り返す |
0点 |
1点 |
2点 |
知っている人の名前が思い出せない |
0点 |
1点 |
2点 |
物のしまい場所を忘れる |
0点 |
1点 |
2点 |
漢字を忘れる |
0点 |
1点 |
2点 |
今しようとしていることを忘れる |
0点 |
1点 |
2点 |
器具の使用説明書を読むのが面倒 |
0点 |
1点 |
2点 |
理由もないのに気がふさぐ |
0点 |
1点 |
2点 |
身だしなみに無関心である |
0点 |
1点 |
2点 |
外出がおっくうだ |
0点 |
1点 |
2点 |
物(財布など)が見当たらないのを他人のせいにする |
0点 |
1点 |
2点 |
点数の目安
0~8点 |
正常 |
もの忘れも老化現象の範囲内。疲労やストレスによる場合もあります。8点に近かったら、気分の違うときに再チェック。 |
9~13点 |
要注意 |
家族に再チェックしてもらったり、数か月単位で間隔を置いて再チェックをしてみてください。
認知症予防策を生活に取り入れてみたらいかがでしょうか。 |
14~20点 |
要診断 |
認知症の初期症状が出ている可能性があります。
家族にも再チェックしてもらい、結果が同じなら、かかりつけ医やいきいきセンターふくおかに相談してください。 |
大友式認知症予測テスト~認知症予防財団ホームページより~
認知症はどうせ治らない病気だから医療機関に行っても仕方ないという人がいますが、これは誤った考えです。認知症についても早期受診、早期診断、早期治療は非常に重要です。
病院の受診先
早期診断、早期治療が大事なわけ
・治る病気や一般的な症状の場合がある
正常圧水頭症、脳腫瘍、慢性硬膜下血腫、甲状腺ホルモンの異常の場合は、脳外科的な処置や内科的な治療で良くなります。薬の不適切な使用が原因で認知症のような症状が出た場合は、薬をやめるか調整すれば回復します。
・早い時期に受診することのメリット
アルツハイマー型では、薬で進行を遅らせることができ、早く使い始めると健康な時間を長くすることができます。病気が理解できる時点で受診し、少しずつ理解を深めていけば生活上の障害を軽減でき、その後のトラブルを減らすことも可能です。障害の軽いうちに障害が重くなった時のことを自分で決めておき、準備をしておけば、認知症であっても自分らしい生き方を全うすることが可能です。
医者への受診の仕方
受診前にあらかじめ相談したいことなどをメモしておき、当日医師に渡すと伝えたいことや聞きたいことが整理できて診療に役立つ場合があります。
【本人の状態】
・日常生活での困りごと(いつ頃から、どんな状態が、どんなふうに現れたか)
・他に治療している病気、これまでかかったことのある病気
・現在飲んでいる薬 など
【ご家族から本人を見て】
・日常生活の変化
・生活する上で困っていること
・生活や習慣の変化など
どんなことをする?
・問診:日常生活の困りごとや生活の様子などを聞き取り
・もの忘れ検査:聞き取りや質問紙による簡易機能検査
・画像診断:CTやMRIなどの検査
・内服治療:症状の緩和や進行を遅らせるために内服の処方
※必ずしも上記全部を実施する訳ではありません。状態や症状・病院の設備に応じて選択して実施されます。
専門医療機関って?
・もの忘れ外来がある医療機関
・神経内科
・脳神経外科
・精神科 など
かかりつけ医より
本人へ
高血圧、糖尿病、高脂血症などの生活習慣病の治療を怠ると認知機能低下のリスク要因となり ます。また、定期的な運動は脳の機能を改善する効果があります。かかりつけ医と2人3脚で治療を継続し、食事、運動などの生活習慣を改善しましょう。
家族へ
高齢の親御さんの物忘れがひどくなったり、飲んでいない薬が沢山残っていたり、あるいは、病気があるはずなのに通院を忘れていたりしたら、認知症の始まりかもしれません。親御さんと一緒にかかりつけ医のもとに受診しご相談ください。
認知症サポート医より
本人へ
「認知症と診断されたからといって、突然何かが変わってしまう訳ではありません。」これは若年性アルツハイマー病と診断された方の言葉ですがまさにその通りです。確かに人に比べて物忘れの進行は速いのですが、できることは今まで通り続けましょう。
楽しいと思えること、適度の運動、そしてコロナ禍ではありますが、感染防止に注意して、同居のご家族達との会話を楽しんで下さい。お困り事があればどうぞご相談下さい。
家族へ
認知症に罹患し、今までできていたことがだんだんできなくなっていくご両親と向き合わなくてはならないのは大変つらいことだと思います。ただ、認知症にかかったご本人も自分の物忘れに気づいたころには”まさか認知症になってしまったのではないか”と、人知れずとても苦しい思いをされているのです。抗認知症薬が有効であることもあるのですが、むしろ家族や親しい方達との楽しい会話や交流、役割を持つこと、適度な運動を続けて頂くことが大切です。お困りごとがあればどうぞご相談ください。
医療・介護の支援者からメッセージ
認知症サポート医より
本人へ
- 「認知症になると何も分からなくなり、何もできなくなる」と思っていませんか。認知症になってもできることはたくさんあり、自分らしく生きていくことができます。まずは信頼できる専門家に相談することから始めましょう。このホームページはその手助けになると思います。
- 治ることのない病と言われる認知症ですが、一方では認知症をとりまく環境は日進月歩で変化しています。万一、認知症になったとしても症状の進行を抑え、適切なサポートによって自分らしい生活を続けていくことも十分可能です。アルツハイマー病に対応するお薬もありますので一人で悩まずに近くの医師に相談してください。
- 日常生活のなかでご自分の変化に気づいたり、認知症と診断されたり、これからの生活に対して大きな不安を感じておられると思います。しかし、認知症になっても、あなたらしく生きることはできます。認知症の症状はゆっくり進行するけど、方法を探して自分のやりたいことを続けることもできます。そのためにも早期に気づき、適切な対応や治療が必要です。
- 認知症と診断され、どうしてよいかわからなくてこちらにたどりつかれた方もいらっしゃると思います。認知症は、決して「何もわからなくなる病気」ではありません。お困りのことや、チャレンジしたいけれど躊躇してしまうことなどあれば、ぜひ認知症サポート医にご相談ください。認知症と診断された後も日々の生活を楽しまれている方達が沢山いらっしゃいます。認知症当事者の団体が作っているこちらのサイトもぜひご覧ください。
「一般社団法人 日本認知症本人ワーキンググループ」のホームページ
( http://www.jdwg.org/ )
家族へ
- 身内の方が認知症になるとご家族の生活は一変します。認知症について、正しい知識を得て適切な対応を学ぶことが求められますが、まずはご家族自身の健康を保つことが大切です。同じ境遇の人と話をしたり、自分が困っていることを相談したりする場を持つことは、健康維持に役立ちます。このホームページを通じて、そのような場を探してみてはいかがでしょうか。
- コロナ禍で外出や人と接する機会が減り、認知症を発症する方が増えています。自分では最近変だと思っていてもなかなか相談しにくいものです。また、かかりつけ医でも普段の診療の中で患者さんの変化に気付かないこともあります。ご家族や周囲の方が、最近ちょっと変だと感じたら、まずは早めにかかりつけ医にご相談ください。
- 認知症の方を支え続けることはご家族にとって長い戦いです。しかし、認知症の進行を遅らせ、生活の質を維持するサポートもたくさんあります。例えばユマニチュードといった優れた認知症ケアの方法も開発されており、ご家族の負担も格段に軽減し、患者さんも自分らしい暮らしを続けていくことも十分可能です。不安や悩みなどまずは近くの医師にお声かけください。
- 身近な人が認知症になり、これまでの本人からは考えられないような言動がみられ、どう接していいか戸惑い、不安に感じておられると思います。初期のうちに正しく診断できれば、本人も認知症を受け入れうまく付き合うことができるし、家族も落ち着いて環境を整えて、ご本人に対応することができます。経過を通じて大切なことは、生活の範囲を狭めないことと、笑顔の多い生活を創造することです。
- 「家族が認知症と診断されたけど、今後どのようになっていくんだろう」「認知症の家族にどう接したらいいんだろう」「家族が認知症になったのではないかと心配だけど、本人は病院に行きたがらない」など、様々なお悩みがあるかもしれません。また、本人のためと思ってやっていることが、かえって本人の生活に負担となっていることもあります。もしお困りのことがあれば、お気軽に認知症サポート医にご相談ください。
医療関係者より
- 「この頃自分がなんだかおかしいな」と感じたら、1人で悩まず家族や友人に話をしてみてください。悩みの糸口が見つかるかもしれません。
- 自分がもし認知症かも、と思われている方はとても不安に感じていると思います。誰でもいいのでまず相談をされてみてください。きっと今よりも不安も少なく解決の糸口が見つかるかもしれませんよ。
- 苦しみ、悲しみ、とても不安ですよね。そのため身近な人にあたってしまうかもしれません。家族は何十年という長いお付き合いです。だからきっとあなたのことを理解してくれています。今の気持ちをお話ししてみませんか?
- 「近頃自分がどこか変だ。分からないことが増えた」と不安になった時、まずはご家族など身近な人に相談してみてください。1人で抱え込まずできるだけ周りに頼り助けを求める勇気が大切です。
- 一人で悩んだりせず誰かに話をしてみましょう。心の中のモヤモヤを一つでも多く解決していくため、周りの人と話すということで何かが変わると思います。日記を付けることをおすすめします。(絵日記・音声日記など)
- 不安を抱えておられたらまず早期に診断を受けることが大切です。早期から様々な治療や介護サービスを受けることでその後の生活の質が大きく変わります。家族の会や認知症ご本人やご家族の手記など多くあります。正しい情報を得て予備知識を得ておくと心強いと思います。
- 認知症はその発症早期に「何かがおかしい」「いつもの自分とは違う」など異変を感じながら不安感やイライラ感を抱えることが多い疾患です。認知症はこわい病気ではありません。適切な時期に適切な治療を行うことで病状だけでなく、現在の生活環境を維持することができます。お困りの症状などがありましたら遠慮なく認知症疾患医療センターまでご相談ください。
介護関係者より
- とても不安なことだと心配されていると思います。でも今は良い薬やサービス等が多くあります。ご家族等支援していただける方に相談されて安心な生活を送れるようにしましょう。
- おかしいなと一番に気がつくのはご本人です。いつもと違うと不安になっていると思いますが、勇気を出して誰かに相談してください。認知症は誰もがなり得る脳の病気です。診断されてもできることはたくさんあります。これ以上病気が進まないうちに取り組みを一緒に考えましょう。
- まだできる事はたくさんあります「まだまだ人生楽しめます」。
- 人は頼り頼られて、みんな誰かに支えられて生きています。あなたの力になりたいです。頼ってください。
- 一人でどうしたらいいのか、今から何をしたらいいのか、不安で寂しい気持ちになるのはあなた一人ではありません。私たちは家族です。地域、私達は常にあなたのそばにいますよ。どこに行っても、どんなことがあっても怖くないですよ。声をかけてください。私たちはすぐあなたの手を取り一緒に考えて一緒に幸せな日々を送りましょう。必ず花が咲く季節がやってきます。私達と一緒に花を咲かせましょう。楽しく明るい日々を過ごせるようにお手伝いをします。あなたの声を待っています。
- 認知症があっても、支えがあれば、できない事よりも、できることが多くなる!
- 若年性認知症の丹野さんの言葉です・・・「今日を楽しく!明日をもっと楽しく!!明後日以降のことは考えな~い!!!」認知症でも認知症でなくてもそうだな~と思います。そう思えるようになるまでいろんな不安、葛藤があったそうです。そしていろんな人に話を聞いてもらったそうです。一人で悩まず「困ったときはお互い様」誰かに話してみませんか?
- 不安を乗り越えて、笑顔で暮らす人がたくさんいます。出来る事はたくさんあります。あなたのやりたい事、聞かせてください。一緒にやっていきましょう。
- 認知症であってもなくても、誰もが活躍できて、安心して暮らしていける東区を応援しています。