ぶらぶらあぶらクラブは、「こどもエコクラブ」加盟の自然体験クラブで、福岡市の油山市民の森を拠点に活動しています。
3歳から中学生までの子どもたちとその保護者が参加し、「生物多様性」や「環境」をテーマにしながら、毎月1回の親子自然観察会や、沢登りや登山、植樹、壁新聞づくりなどを通じて、自然を大切にする心や環境への関心を育てることを目的として活動しています。
令和6年度にぶらぶらあぶらクラブがこどもエコクラブの活動の一環として作成した「油山生物多様性新聞2024」が環境大臣賞を受賞し、それがきっかけで、大阪・関西万博で「環境の未来」をテーマに発表を行うなど、自然活動を通じて、様々な取り組みを展開しています。


環境大臣賞を受賞した「油山生物多様性新聞2024」
【こどもエコクラブとは】
3歳から高校生までが参加できる「環境活動クラブ」で、公益財団法人日本環境協会の活動として、各都道府県が事務局として支援を行っています。
今、注目されているのがネイチャーポジティブという考え方です。
これは、「生物多様性の負(損失)の流れを止めて正(回復)に反転させること」を指します。
現在、生物多様性は損失し続けており、例えば、地球上の種の絶滅速度は、過去1,000万年平均の少なくとも数十倍、あるいは数百倍の速度で進んでいます。これは恐竜が絶滅したときよりもはるかに速いスピードです。
世界の国々が集まる会議で、壊れてしまった地球の自然をみんなで力を合わせて元に戻そう、2030年までに自然を良い方向へ変え、2050年には人と生きものが仲良く暮らせる豊かな地球を目指そうということが決まりました。

(みんなもできるポジティブアクション)
そこで、ネイチャーポジティブへ向け、ぶらぶらあぶらクラブの皆さんが、「私もやりたい!」と思ってくれるようなポジティブアクションを発表してくれました。
高原さん(ぶらぶらあぶらクラブリーダー)
私たちはポジティブアクションを行う仲間を集めて「ポジティブスターズ(POSITIVE STARS)」を結成しました。
このポジティブスターズは、星空観察を通して、地球を大切にする気持ちをつなげるチームです。
私たちの提案は「楽しむ!好きになる!もっと知る!そして大切にする!」というアクションです。

高原さん
身近な生きものを見つけてみることや、生きものが苦手でもキレイな景色を見るだけで、それが地球のポジティブアクションにつながります。
市長、私たちの取組みをいいね!と思ったらポジティブポーズで応援してください。

ポジティブポーズで応援する市長
高原さん
今日は、クラブを代表して7人で来ました。市長にみんなが好きな生きものについて知ってほしいと思ってTシャツにしました。みんな生きものはどれも好きなので、ひとつに絞るのは迷いましたが、今日のために一生懸命考えてひとつ、決めてきました。
私は、蛾を観察するのが好きです。枯れ葉そっくりだったり、木の枝そっくりだったりしてすっかり騙されるんです。それに幼虫も成虫も結構かわいいんですよ。実は、蛾と蝶って違いがそんなにないんです。フランス語ではどっちもパピヨンっていいます。
高原さん「毒がある蛾ってあまりいなくてだいたい触れるんですよ」
原さん
私はキノコを観察することが好きです。キノコは色や形が面白い物ばかりで、見つけるたびにいつもワクワクします。タマゴタケが好きで、始めはタマゴの形をしているけど、大きくなったらパカッてタマゴのところからキノコが出てくるのが面白いです。
小川(弟)さん
ぼくはヤドカリが好きです。ヤドカリは、体が大きくなると、おうちを引っ越します。それを見るのが面白いです。
斉藤さん
私の好きな生きものは、アカハライモリです。アカハライモリは再生能力がすごくて、体の中や手足、尻尾とかが切れてもまた再生してくるといった不思議な力を持っている面白い生き物なので、みんなに知ってほしいです。将来は「鷹匠(たかじょう)」になりたいです。
写真左から、原さん、小川(弟)さん、斉藤さん
小川(兄)さん
僕の好きな生きものはカマキリです。カマキリは、おしりを水につけると、ハリガネムシが出てくることがあって、
その不思議なところが面白いです。
ハリガネムシはカマキリに寄生して、卵を産むために水に誘導して、水に入ったらカマキリの体から抜け出します。
安藤さん
僕はヘラクレスオオカブトが好きです。世界一大きくて最強のカブトムシで人気があるのでぜひ見てみてください。
最強王図鑑や毒のある生きものも大好きです。毒の強さで言えば、海の中の最強生物は「ウンバチイソギンチャク!」
中村さん
僕はカニを見つけるのが好き。カニのハサミが好き。そしてカニに挟まれるのはもっと好き。でも安心してください。痛いのはぼくで、カニは無事です。カニがいたら挟まれたくなりますよね、逆に!
写真左から
小川(兄)さん、安藤さん、中村さん
(油山での楽しみ方)
中村さん
晴れの日だけでなく、雨の日にも楽しさがあります。雨が降ると、普段は隠れているカニが沢から出てきて動き回ったり、森では姿は見えないのにカエルの鳴き声が聞こえたりと、雨ならではの発見があります。
原さん
色や形がさまざまなキノコを観察するのが楽しいです。顕微鏡でキノコを食べる虫の姿を見るととても驚きます。中でもタマゴタケがお気に入りで、白い卵のような姿から赤いキノコが出てくる不思議さや、見た目と違ってとてもおいしいところが魅力です。
小川(兄)さん
僕は、夏の沢登りが楽しいです。暑い日に勢いよく水が流れる沢に入ってみんなで協力して登ります。水がきれいで冷たくてとても気持ちがいいです。森の中でみんなでカップラーメンを食べるのも大好きです。
(活動して気づいたこと)
市長
福岡ってちょっと出たらそんな沢のような自然があるんだよね。活動をしている中で、気づいたことはある?
高原さん
油山での観察を通して、人は目的をもって見ることで見えるものが変わることに気づきました。生きものを見つける視点を身につけると、通学路や街中にも多くの生きものが暮らしていて、生物多様性は自然豊かな場所だけでなく、人の生活の中にもあると分かりました。
市長
先日、中洲で採れたというハチミツをもらったんだよね。福岡市も今、一人一花運動をやっているから、街中に花が増えてきてて、中洲でも巣箱を置いておくと、ミツバチが周囲から花の蜜を集めてくるんだよね。
一人一花運動は、みんなで花を植えることで視点が変わって、ごみが落ちてるからキレイにしたいといった気持ちが高まるといいなと思って取り組んでいるので、虫も意識したら見えるようになるんだろうね。
自然と触れ合うきっかけはどこから始めたらいいと思う?
高原さん
まずは家の周りの小さな自然を見つけてみるのもいいと思います。植え込みの虫や道ばたの植物に目を向けると、すみれとアリのように、身近な暮らしの中にも生きもの同士のつながりがあることに気づけると思います。
市長
すみれとアリのつながりってどういうことかな?
高原さん
すみれは自分では動けないので、甘い成分をつけた種をアリに運んでもらいます。アリが巣の近くまで運んで、甘い部分を食べた後に捨てた種が、またそこで芽を出します。
市長
自分がアリだったら、重たいものを運ぶのは面倒くさいから、その場で甘いのだけ取って種は運ばないってなりそうだな。色々と詳しいね、こういうことはどこで知るの?
高原さん
油山の自然観察センターに、さんちゃん先生とか、虫や植物に詳しい先生たちがいます。
市長
学校でそういうことを教える授業があると面白いよね。

ぶらぶらあぶらクラブの知識の深さに驚く市長
市長
そういえば、みんなは大阪・関西万博でも発表したの?
高原さん
油山生物多様性新聞がこどもエコクラブの活動で環境大臣賞に選ばれたのがきっかけで、大阪・関西万博で発表してきました。
市長
「いのち輝く未来社会のデザイン」というテーマだったから、みんなの活動はぴったりだったね。

大阪・関西万博での発表の様子
市長
生きものの話がたくさん出てきたけど、星空の話もしてたよね?
高原さん
虫は好き嫌いが分かれるけど、星を嫌いという人はあまりいないと思います。星を見てみんなでつながるのもいいし、星を見ることで地球がとても特別な存在だということに気づき、その気づきが、地球や自然を大切にしたい気持ちにつながり、生物多様性も身近なものとして守っていこうと思えるようになると思います。
今日は、みんなが考えた「私たちの行動宣言」をスケッチブックに書いてきました。「食べる・知る・伝える・守る・選ぶ」の5つの項目があります。
斉藤さん「食べる」
家庭菜園で育てた野菜や、野菜を運ぶ車がたくさんガソリンを使わなくていいように近くで育った野菜を食べるよう意識しています。
中村さん「知る」
庭で見つけた幼虫を育てたら、ツマグロヒョウモンという蝶になりました。その経験を通して、身近な命のつながりを知ることに目を向けていきます。ちなみに今日のスケッチブックの「知る」という文字は、ペットボトルのキャップを溶かして作りました。
小川(兄)さん「伝える」
大好きなドラムを演奏して、音楽で自然の音を伝えたいです。
安藤さん「守る」
ゴミ拾いをして海の生きものを守ります。
原さん「選ぶ」
グリーンマークが付いている商品を選ぶと、お店や工場が環境にいいものをたくさん作って、森や海がピカピカにきれいになります。
そしてその取り組みは巡って、未来の私たちにきれいな空気と水として返ってきます。
市長
そうだよね。色んな行動につなげる、一歩ずつスタートするということがとても大事だよね。
市長
福岡市がこうなって欲しいなとか、こういうことがあったらいいなとかあれば教えてくれるかな?

高原さん
みんなで楽しくポジティブアクションをする福岡市。企業が体験イベントを通してボランティア団体を支援し、市民がその活動に加わるサイクルを作ります。例えば天神のビル一つに対し一つの水源林が提携を結べば、市の発展と同時に森が豊かになると考えています。
斉藤さん
森の嫌われ者博物館をつくって、色々な生きもののすごいところをみんなに知ってもらえる福岡市。ゴキブリは嫌われがちですが、森では枯葉や動物のふんを分解する自然界のお掃除役として役立っています。よく見ると、目が可愛いですよ!

中村さん
体験と冒険ができる福岡市。みんなでバタフライガーデンを作ったり、ビオトープを作ったり、ネイチャービンゴやミッションゲームができる公園があったら楽しいと思います。

安藤さん
生きものマンホールがある福岡市。マンホールの周辺に暮らす生きものが描かれたマンホールが続く道があれば、楽しいだろうなと思います。観察しながら歩きたいです。

小川(兄)さん
みんなで、大きな焚き火を囲んでくつろげる場所がある福岡にしたいです。

原さん
子どもが冒険できるワイルドシティ福岡。街路樹を「食べられる森」に変えて、土の道を復活させて、生きものといっしょに暮らせる街。街の掃除も剪定も子どもたちが冒険しながら行います。世界一ワクワクする福岡をみんなで作ります。

小川(弟)さん
星空のように蛍がたくさん飛ぶ福岡にしたいです。
市長
どれも素敵な福岡の未来だね。どんな大きなことも最初の1歩からしか始まらないし、行動を重ねていけば必ず変わっていくからね。今日は、みんなありがとうございました。

トウカエデの翼果(よくか)を飛ばす市長
「市長の宝物はなんですか?」と質問する最年少の小川(弟)さん
【翼果(よくか)とは】
果皮の一部が翼状に広がり発達した果実のこと
ぶらぶらあぶらクラブにとって生物多様性は身近なテーマですが、社会全体ではまだ十分に広がっているとは言えません。
そこで福岡市では、自然や生きものの情報発信や学びの場として「生物多様性ふくおかウェブセンター」を開設しています。コラムやイベント情報、団体の活動紹介などを発信していくので、ぜひのぞいてみてください!
