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更新日: 2020年2月13日

令和元年度 第3回 市民活動広聴事業



令和元年度の第3回「市民活動広聴事業」を,12月16日に箱嶋家住宅(東区馬出(まいだし))などで実施しました。
唐津街道箱崎宿(からつかいどうはこざきしゅく)箱崎・馬出プロジェクトの皆さんと高島市長が,「歴史資源の活用」をテーマに意見交換を行いました。


集合写真

プロジェクトの皆さんと市長




「唐津街道箱崎宿箱崎・馬出プロジェクト」の活動内容


唐津街道は,江戸時代に全国に整備された街道の一つで,現在の北九州市から博多・福岡を経て唐津市へと至る道です。街道に面した宿場町である箱崎宿には,人足(にんそく)と馬を常備する問屋場(といやば)や,宿泊施設である旅籠(はたご)などが置かれました。
唐津街道箱崎宿箱崎・馬出プロジェクトは,箱崎宿界隈に残る町家(まちや)・史跡・民話などの歴史遺産を守り活かしていくことを目的として,平成28年に地元有志で発足した団体です。点在する町家などの歴史遺産の調査や「お宝マップ」の作成,町家特別公開などの各種イベントの開催を通じて,箱崎宿の歴史や祭りなどの紹介を行うとともに,新たな観光資源の開発にも取り組んでいます。


※「町家」とは,江戸時代に町人が居住した区画地にある,商人・職人などの住まいの総称です。




市長が箱崎宿界隈のまち歩きを体験しました


当日は,プロジェクトのメンバーに案内いただき,市長が箱崎宿界隈のまち歩き(町家巡り)を体験しました。江戸時代末期から明治初期に建築された町家を見学しながら,各所有者の皆さんから建物の構造の説明や町家を守り伝えていくことへの思いなどを聞くことができました。


まち歩きの様子

この日は5軒の町家を見学しました




「歴史資源の活用」について意見交換を行いました


まち歩きの最後に訪れた箱嶋家住宅で,町家の保存,観光資源としての活用などについて意見を交わしました。


箱嶋家住宅の所有者であるプロジェクト代表の箱嶋さんは,活動のきっかけについて「12年前に箱嶋家住宅が国登録有形文化財になったとき,実は自分の家を保存・活用する価値があるのかどうか分からず,見学者からの質問にも答えることができませんでした。そこで,今日参加しているメンバーに声を掛け,このプロジェクトを立ち上げました」と話しました。
そして,大空襲を逃れた箱崎・馬出地区には築100年以上の町家が多く残っていることや,町家の保存に当たっては後継者の問題が,公開には家族のプライバシーという課題があることを教えてくれました。


専門家としてプロジェクトに参加しているメンバーからは「点在して残っている建物などの歴史資源をどのように再生・再利用していくのか,どうつなげてストーリーを組んで観光に活用するのかということについて,今後も考えて取り組んでいきたい」「地域の人が,ここがどういう地区だったのかを知って興味を持つことにより,その地域のアイデンティティーが生まれるのではないか」といった意見が出されました。


また,この地域に住んでいるメンバーは「今日歩いて見ていただいた町家や歴史的な名所を観光資源として位置付ければ,地域の人の意識が高いものになるのかなという気がします。そういう行動をわれわれは起こさないといけないと思っています」と語りました。


市長は「今日は,すてきな町並みや普段はなかなか中に入ることができないお住まいを見せていただきありがとうございました。町の歴史とマンション,昔と今の組み合わせというのがとてもいいですね」「博多部では,点在する寺社仏閣をつなぐ町並みになっていないということで,『博多旧市街プロジェクト』をスタートしました。石畳風の舗装にしたり,マンションの外観を調和が取れるような方向性を出したりすることによって,10年20年経ったときに町の雰囲気が統一されていくことを促しています」「地元の皆さんが既に動き出されているのは素晴らしいこと。個人の家への支援は難しいけれど,福岡市の資産として町家を残すための所有者の会のような活動に対してだったら,行政も何か支援ができるかもしれない。地域の皆さんに自分たちの町をこうしたいという熱量があれば,行政も後押しをしやすくなります」と述べました。


意見交換の様子

座敷での意見交換の様子