「ミニふくおか」は、2012年度にスタートし、子どもたちがつくる仮想のまちで、子どもたちが主体的に活動するイベントです。どう過ごすかは子どもたち自身が自由に決め、働いたり、学んだり、遊んだりしながらさまざまな体験をします。
子どもたちの主体性や創造性・コミュニケーション力などを育むとともに、自分の暮らすまちへの関心を持ち、まちづくりへの参画意識を醸成する契機とすることを目的としています。
ミニふくおか実行委員会、福岡市
ミニふくおか当日の参加者は、まず、ミニふくおかのまちの仕組みや、どうやって生活するかのガイダンスを受けます。ガイダンスを受けた後に、「ミニふくおかの市民」となり、暮らしの体験が始まります。
対象:小学3年生から中学3年生まで
「ミニふくおか」の実施に欠かせない存在が「子ども実行委員会」です。ミニふくおかのまちのテーマや仕組み、ルールを決めるところから当日の運営まで、幅広く活躍します。
対象:小学5年生から中学3年生まで
子ども実行委員のまちづくりや運営のサポートを行います。
対象:高校生世代から25歳まで
「ミニふくおか」は、ドイツのミュンヘン市で1979年から行われている「ミニ・ミュンヘン」をモデルとしています。 そこでは、子どもたち自身がまちの住民となり生活を営み、新たな空間やシステムを創造的につくっていきます。 「ミニ・ミュンヘン」は、8月に3週間だけドイツのミュンヘン市内に開かれ、子どもによって運営されます。 運営する子どもたちは7〜15歳までで、このまちを通じて社会の仕組みを体験します。 現在では2年に1回、偶数年に開催されています。まちの中には様々な仕事があり、それらの仕事が有機的に結びつくことでまちができあがります。 市長からコック、運転手、花屋、デザイナー、アナウンサーなど仕事は何でもあり、お金を貯めて自分で起業することもできます。現在では世界各国で類似のイベントが行われています。
九電記念体育館
「ミニふくおか」のはじまりの年。この年に定めた「市役所・ハローワークがある」「働いたら給料がもらえる」は、現在の「ミニふくおか」にも受け継がれるまちの定義です。初年度は、レインボーをテーマに7つの地区をつくり、それぞれ個性あふれるまちを運営し、お隣には「英語村」もありました。
九電記念体育館
2年目の「ミニふくおか」はいろんな所に自然がありました。まちに竹が生え、まちのまわりには川が流れ、噴水や動物園など新しいスポットも増えました。竹はミニふくおか終了後はたい肥としてリサイクルされました。また、「英語村」と連携し、「英語村」で働いてもらった給料をミニふくおかの貨幣両替所で換金できるしくみにするなど、2012年よりもパワーアップした内容になりました。
九電記念体育館
3年目は中学生がリーダーに。これまでの「ミニふくおか」の経験や知識を活かしながら、小学生と一緒にまちをつくり、より「子どもたちによる主体的な運営」を進めました。そして、まちには新たに大学ができ、ミニふくおか当日の過ごし方に「働く」「遊ぶ」が中心だった過ごし方に「学ぶ」という要素が加わりました。「大学」での授業は、子ども実行委員や大人の専門家が行いました。まちの中は4つの区に分かれており、それぞれの区にシンボルマークがありました。
九電記念体育館
テーマは時間。「ミニふくおか」には遺跡や博物館が誕生しました。そして、時計をモチーフに考えられたミニふくおか公式ゆるキャラ「タイムーン」が登場。未来から現在に夢のかけらを集めにやってきたみんなのアイドルです。台風の影響でイベントは2日間しか開催できませんでしたが、新しい試みを取り入れた意欲的な年になりました。
九電記念体育館
実際の福岡のまちのように、「福岡」「博多」「中洲」の3つのエリアがありました。「福岡」には市役所や銀行などの公共施設とネイルサロンや雑貨屋、「博多」にはラーメン屋や着付けなどの文化を感じられるお店、そして「中洲」にはラジオ局や新聞社などがつくられ、それぞれ特徴あるまちづくりが進みました。また、子ども実行委員から市長と副市長が生まれました。
九電記念体育館
「ユニバーサルデザイン」をテーマに、みんなが楽しめるまちづくりを目指しました。誰もが楽しみ、憩える5つの「ひろば」があったり、一目でどんなお店か分かるような「ロゴマーク」があったり。初めて参加する子どもたちも仲良く楽しめるようなアイデアが満載でした。また、多様性にあふれるまちを表現するための工夫として、3日間のイベント期間をフルに使って「モザイクアート」を活かしたひろばやまちなみをつくり上げました。
九電記念体育館
まちを海ゾーン・山ゾーンと大きく2つのゾーンにわけ、海と山に囲まれたコンパクトシティ福岡を再現しました。また、福岡市で行われている「一人一花運動」にならい、「ミニふくおか」でも会場の花農園に1000鉢の花を用意。子どもたちの寄付により、まちに花があふれていくしくみを取り入れました。さらに、3日間でクリエイターと子どもたちがつくり上げた4つのオブジェが完成。変化していくまちの様子を記録した写真や、お店やイベントを紹介するチラシも専用の掲示板に貼って情報が公開できるようになりました。
福岡市総合体育館
会場が九電記念体育館から福岡市総合体育館へ。テーマの「ワクワク」は成長した自分に会える期待、「ドキドキ」は初めてのことに挑戦する勇気、「ニコニコ」は新しい友達が増える楽しみを表現しています。中学生リーダーたちによって考案されたまちの世界観は「夢色story」。ふうせんや色紙を使ったオブジェで自分たちの世界観を表現し、カラフルなまちが完成しました。なお、この年のサポーターは建築・都市政策・メディア・サイエンス・伝統文化・教育の6つのチームに分かれ、各分野の専門家に弟子入りしてまちの総合的な計画づくりを行いました。さらに、イベント当日は子ども実行委員と当日市民とが一緒に「まちづくりミーティング」に参加し、新しいまちについて考えました。
なみきスクエアほか
架空のまちに暮らす人々の「しあわせ」が次々に増えていく様子を、勢いよく弾けるポップコーンのイメージと重ねて表現しています。「子どものまちクリエイター」と「子どものまちサポーター」、それぞれに向けた5つのワークショップを中心にまちづくりを体験しました。コロナ禍にも対応するためWEBでの応募も受け付け、子どもたちの作品はなみきスクエアロビーにて展示されました。
なみきスクエアほか
2020年に引き続き、「しあわせポップコーンシティ」をテーマにまちづくりを行いました。コロナウイルス感染症拡大のため大規模なイベント開催は中止になってしまいましたが、代替企画として、リアルとオンラインをかけ合わせたワークショップを準備しました。子ども実行委員はサポーターと一緒にオンライン上の店の店長としてお店をつくり、それぞれの店にはオンラインでお客さんが訪れました。他にもリアルでのアジトづくりワークショップや紙のどうぶつえんづくりを実施。ワークショップの様子はYoutubeでライブ中継されました。
ちはや公園ほか
コロナ禍以前のような体育館での大規模開催を目標としていましたが、感染状況を鑑みて、中止となりました。 しかし、子どもたちがまちについて考え、創造する機会となる「ミニふくおか」ならではの体験を絶やさないように、新しい「ミニふくおか」の形を模索しました。この年は「クエストづくり」、「ムービーづくり」、「居場所づくり」の3つのワークショップを実施。これらの試みに加え、自由に参加できる「ミニミニふくおかinちはや公園」も開催しました。
福岡市立南体育館、ちはや公園(ミニミニふくおか)
まず「ミニふくおか」をたくさんの人に知ってもらい、楽しんでもらうために、サポーターが中心となって企画運営をする「ミニミニふくおか」を実施しました。この年のミニふくおかの特徴は、新たなまちの仕組み「クエスト」の導入です。クエストは、まちづくりを体験するお題が書かれたカード型のプログラムで、まちの価値を高めるための様々なクエストをクリアすると、幸せの単位「ハピ」がもらえ、ハピがたまることでみんなの幸せが形になって広場に花が飾られ可視化できる仕組みになっています。当日は、まちの中にたくさんの花が飾られ、イベントとして行われたパレードにより、まちににぎわいが生まれました。
福岡市美術館
初めて福岡市美術館で開催する今年の「ミニふくおか」は、これまで「ミニふくおか」に参加して育ってきた若者が中心となり、「ユースプロジェクト」として企画運営を行っています。個性豊かな子どもたちの自由な発想や創造のパワーで、さらなる「ミニふくおか」のまちづくりの進化が期待できます。
そして、今年度は様々な人たちが「ミニふくおか」にふれられる、オープン型イベントという形での開催です。
「ミニふくおか 2024」については「ミニふくおか2024開催報告」をご覧ください
こども未来局 こども政策部 こども健全育成課
TEL:092-711-4188
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