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更新日:2021年12月27日

守ろうルール・なくそう違反建築


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 福岡市監察指導課では、パトロールや通報等により工事中または使用中の建築物等について建築基準法関係規定にもとづき、お尋ねしたいことや各種規定に合わないと思われる場合、または抵触していることが判明した場合など適正化に向けての助言や指導を行っております。




・・・・・目次・・・・・





イメージ画像。建築基準法とは。あなたの街は、建築基準法で守られています。まちは生きています。ひとりひとりがルールを守って住みよいまちをつくりましょう。





1.建築基準法の目的・概要

 建築基準法は国民の生命・健康・財産を守るために、大きくわけて次の2つの基準を定めており、これはみなさんひとりひとりが、お互いにルールを守ることで成り立つものです。
 私たちは、多くの時間を建物の中で過ごしています。その建物が建築基準法の基準に合わないと様々な不都合が生じます。たとえば、火災の時に避難経路が燃えやすい材料になっていれば、避難ができず、人命に関わることになりますし、地震や台風に対して安全な構造でなければ、建物は倒壊するかもしれません。住宅地に騒音源となるような施設や煙・悪臭の発生源となるような施設があれば、住環境は悪化し、なにより周りの人たちとのトラブルに成りかねません。このようなことが無いように必要最低限の制限が定められているのが建築基準法です。



建築物を使用する人・物の安全・衛生を確保するための基準


●地震・台風などへの構造的安全
の確保

●火災への耐火性・避難等に関する
安全の確保

●部屋の採光・換気等の環境衛生
の確保
地震で振動している木々の間で平気そうなビルのイラスト
隣で燃えている家の隣で平気な顔をしている家のイラスト
日があたり、風通しもいい家の中にいる女性のイラスト


都市計画に定められている、地域に合った・住み良い・使いやすい市街地環境を確保するための基準


●建築物の面積・高さ等の基準

●建築物の用途の基準

●道路幅等の敷地の基準
小さな家の隣で大きすぎて光を完全にさえぎっているビルのイラスト
隣の工場からの排気に不満そうな住民のイラスト
道幅を狭くしている家の前で通れずに困っている車のイラスト


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2.建築の手続き

 建築物の安全性などの基準を確保するために、そのチェックとして第三者である行政機関や民間の指定確認検査機関による計画の審査(建築確認)・工事中の検査(中間検査)・工事が完了し使用する前の検査(完了検査)の手続きが必要です。


手続きの流れ

手続きの流れ (130kbyte)pdf


建物を建てる前に!確認済証の交付が必要です。 (計画の審査)

 建築主は、建築物の工事を始める前に建築基準法に基づく確認申請の手続きを市若しくは民間の指定確認検査機関で行い、その計画が建築基準法に適合しているかどうか審査が行われます。適合していることが確認されれば、それを証明する「確認済証」が交付されます。
 この「確認済証」の交付を受けた後でなければ、工事に着手する事ができません。また、工事現場には見やすいところに施工者が確認を受けた旨の表示を、下記の様式により表示しなければなりません。

確認表示板様式 (405kbyte)xls


工事の途中で!中間検査が必要です。(工事中の検査)

 安全安心な建築物の建設するためには、工事中において、施工者・工事監理者等がそれぞれの責任において設計図書と照合し、設計図書通りに実施されている事を日常的に管理する事が重要です。
 中間検査は、各行政庁が独自に特定工程の指定を行い、建築物の施工段階における現場検査の受検を義務化したものです。第三者機関による検査を受検し建築物の安全の確認を行いましょう。


工事が完了したら!完了検査が必要です。(建物の完成検査)

 建築物の工事が完了したら、完了後4日以内に市、若しくは民間の指定確認検査機関に完了検査の申請を行い、完了検査を受検しなければ、建物を使用することはできません。
 完了検査にて、建築基準関係規定に適合していることが確認されれば、「検査済証」が交付されます。検査済証は建築物の適法性や安全性が確認された証ともいえるもので、財産の保護にもつながる極めて重要な書類です。


工事が完了前に使用する時は!仮使用申請が必要です。(仮使用検査)

 検査済証の交付を受ける前の工事中の建築物は、原則として使用することができません。
 ただし、仮使用検査にて特定行政庁が、安全上、防火上及び避難上支障がないと認めたときは、使用することができます。また、この使用制限を一時的に解除する制度を「仮使用認定制度」といいます。



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3.適法?違反?Q&A

※敷地や建物の規模・用途により、法用件には違いがあります。


【Q1】建物の使用用途を変更する際に法的な制約を受けるのですか?
(例:建物の一部を改造して、飲食店をやりたい!)


→よくある事例 (623kbyte)pdf

※特殊建築物:病院、劇場、集会場、飲食店、物販店、スポーツ練習場、ダンスホール、遊技場、旅館、共同住宅、寄宿舎、工場、倉庫、自動車車庫その他これらに類する用途に供する建築物をいう。

【A1】 既存の建物の用途を変更して別の用途で使用する時は、変更する用途に関係する建築基準法の規定に適合させる必要があります。特に店舗などの ※特殊建築物 へ用途を変更する場合は、防火避難上の設備設置(非常用照明の設置・内装制限・排煙設備等々)が必要となり、さらにその面積が200平方メートルを超える場合は、改造を行う前に確認申請の手続き(用途変更申請)が必要となります。
用途の変更を行うにあたっては、あらかじめ建築士などの専門家による法的なチェックを受けることをお勧めします。また、法定の手続きが必要な場合についても、建築士などの専門家に手続きを委任していただくことをお勧めします。


その変更よおーと(用途)考えよう


【Q2】建物内部の空間に床をつくることは違法となる?
(例:天井が高いので、上部に倉庫を造ろう!)

【A2】天井の高い建物内部や吹き抜け部分などの空間に床を造ることは、増築扱いとなり、また、階扱いとなり、既存の階数プラス1階とみなされ建築基準法上のさまざまな制約を受け、場合によっては撤去を余儀なくされます。(ex.工場、倉庫、店舗内部など)

よくある事例 (481kbyte)pdf



【Q2-1】建物の出入口部などに部分的にテント等を張りだすのは違法となる?
(例:テラス席を造りたい!)

【A2-1】取り外し可能な簡易なテントであっても庇状に張り出したり、ビニール等で壁状に囲い、客席など継続的に利用する場合は増築扱いとなり、建築基準法上の防火上の制約等を受けることとなり、ほとんどの場合が設置できません。
(ex.飲食、物販店舗などの出入口、テラスに多くみられます。)
※建物や敷地内のスペースや空間があるからといって安易に手を加え利用すると建築基準法上の違法建築となる場合があります。計画にあたっては、あらかじめ建築士などの専門家による法的なチェックを受けることをお勧めします。



【Q3】敷地内にコンテナハウスを置きたいのですが、手続きは必要ですか?

【A3】 容易に移動できないコンテナハウス(ユニットハウス、プレハブ等)は、建築物に該当します。店舗や倉庫として、継続的に使用するために設置する場合は、法定の手続きや制約があります。


→よくある事例 (381kbyte)pdf



【Q4】増築工事では10平方メートルを超えなければ手続きは必要ないと聞いたが?
(例:家が手狭になってきたから、一部屋増築したい!車庫を造ろう!)

【A4】防火地域・準防火地域以外における10平方メートルを超えない増築工事は、建築基準法にもとづく手続きは必要ありませんが、法に適合したものでなければなりません。また防火地域・準防火地域及び新築の場合は必ず法定の手続きが必要です。



【Q5】検査済証がない建物は増築や用途変更をすることはできないのでしょうか?
(例:この建物は建築当時に完了検査を受けていないと言われました。)

【A5】建物を建てる時は、事前に建築基準法にもとづく手続きを行い、確認済証の交付を受け建築を行わなければなりません。また、建物が完成したら、完了検査を受け、検査済証の交付を受けなければなりません。もしこの確認済証や検査済証がなければ、これらの建築物は行政指導の対象となります。まずは監察指導課までお問い合わせください。

→手続きの流れ (423kbyte)pdf



【Q6】敷地いっぱいに建築物を造りたいのですがダメだと言われました。どうしてですか?
(例:庭を広くするために、敷地ギリギリまで建物を寄せたい。)

【A6】建築基準法の規制により、用途地域ごとに建ぺい率や容積率の制限が細かく定められております。その他にも地域によっては外壁等から敷地境界線までの距離を1メートル以上離さなくてはならないところもあります。建物を建てようとする場所の用途地域は必ずチェックしておきましょう。



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4.検査済証のない建物の増築や用途変更


 建物の増築や用途変更を行おうとするときには、建築基準法上の手続きが必要となりますが、確認済証や検査済証がなければ、これらの建築物は行政指導の対象となります。
 違反建築物のままでは、確認申請や用途変更の申請を行うことができません。現在の建物の違反の有無を確認し、是正する必要があります。
 まずは監察指導課までお問い合わせください。


→手続きの流れ (423kbyte)pdf

お墨付きは大事だ蔵

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5.違反建築物を建てると・・・、または買うと・・・


工事停止・使用禁止・除却などの措置命令

 違反建築に関して、是正指導に従わない場合には、法に基づく行政処分(除却命令、工事停止命令、使用禁止命令等の措置)を受けることがあります。命令に従わない場合には、罰則が適用されることがあります。(3年以下の懲役又は300万円以下の罰金)


建築士・施工会社・宅建業者に対する措置

 違反建築物を建てた責任は、建築を依頼した建築主はもちろんのこと、その設計をした建築士や工事を請け負った施工業者にもあります。また、違反建築物とわかって仲介した宅建業者にも同様の責任があるでしょう。違反建築物の工事に係わった建築士や施工業者などに対しては、国土交通大臣や県知事から下記のような行政処分が行われる場合があります。

  • 建築士(建築士法)は、戒告、1年以内の業務停止、免許の取り消し
  • 建設業者(建設業法)は、1年以内の営業停止、許可の取り消し
  • 宅建業者(宅地建物取引業法)は、1年以内の業務停止、免許の取り消し

電気・ガス・水道の供給保留も・・・

 違反建築物には、電気・ガス・水道の各事業者に供給保留を要請し、違反是正が完了するまで供給保留を解除しないなどの処分をうける場合があります。


自分の財産が違反建築物にならないように

 確認済証・中間検査合格証・検査済証のない建築物には、建築基準法に違反している可能性が考えられます。地震や台風に対して構造耐力上の問題であったり、防火上不備な建築物であったりすることも考えられますので注意が必要です。
 例えば、建築物を建築しようとする時、建て売り住宅や分譲マンションを購入する時には、確認済証・中間検査合格証・検査済証が交付されているかということはもちろんのこと、現地の確認や建築計画概要書の閲覧などによって、違反建築物でないことを確かめましょう。
 また、中古住宅を売買するときには、確認済証・検査済証の有無により不動産価格に影響する場合もあります。確認済証・検査済証は大事に保管しておきましょう。
 建築物に関する維持管理の責任は、所有者となります。違反建築物を取得した場合であっても、新たに建築物の所有者になった人が、違反を是正しなければなりません。さらには将来の建て替え等の際、いろいろな建築上の制限やトラブルが発生する恐れもあるなどの不利益が生じる場合があります。


違反建築物をなくそう

 違反建築物を建てることは、周辺の方たちにもいろいろな面で迷惑を与えるだけでなく、建築所有者自身も安心してその建物を使うことができません。確認済証や検査済証の交付を受けていない建築物は、建築基準法に適合せず、防火上・避難上・衛生上問題があるかもしれません。建築基準法は、建築物の安全や防災のための基準を定め、更に都市における土地利用の基準を定めて、安全な建築物と健全なまちづくりを目指したものであり、私たちの生活と密接な関係にありますので、建築物を建築しようとするときは、十分に注意してください。


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