井上陽水さん、財津和夫さん、浜崎あゆみさん、家入レオさん、西内まりやさん……数え上げたらキリがない、福岡出身のミュージシャンたち。多くの著名ミュージシャンを輩出している福岡ですが、実は福岡市は、人口あたりのライブハウスの数が東京23区や他の政令市と比べてもっとも多く(http://facts.city.fukuoka.lg.jp/data/concerts/)、日本屈指の「音楽の街」としての顔も持っているのです。
特に9月は「福岡ミュージックマンス(http://f-musicmonth.jp/)」と名付けられ、音楽プロデューサーの深町健ニ郎さんによる総合プロデュースのもと、福岡を代表する5つの音楽イベントが結集する音楽月間。街中の至るところで、国内外の魅力的なミュージシャンの演奏を、気軽に楽しむことができます。
その中でも、9月26日(土)、27日(日)の2日間にわたって開催された「ミュージックシティ天神」は、天神の街中で行われる大規模な無料イベント。例年たくさんの市民が詰めかけますが、今年は、全15ステージでなんと合計13万6千人を動員したそう。市役所前ふれあい広場を使ったメインステージでは、コアな音楽ファンから、家族連れでゆっくりと休日を楽しむ人たちまで、思い思いに楽しむ様子が見られました。
また今年は、天神きらめき通りで行われている「FUKUOKA STREET PARTY(福岡ストリートパーティー)」とも連携。「FUKUOKA STREET PARTY」は”歩いて楽しいまち”をコンセプトに、道路空間に新しい賑わいを創出する試みとして、昨年11月から始まったイベント。今回で3回目を迎え、天神を賑わす新たなイベントとして定着しつつあります。歩行者天国となった天神きらめき通りで、特設ステージでの音楽ライブやストリートパフォーマンス、天神界隈の人気飲食店の出店などがあり、こちらも2日間で10万3千人を集めました。
こうした大がかりなイベントの実現を可能にしているのが、国家戦略特区に認定された福岡市の規制緩和策。
福岡市経済観光文化局の吉田宏幸課長は、こう語ります。
「昨年5月に福岡市が国家戦略特区に認定されたことによって、道路占用事業が規制緩和され、天神きらめき通りを歩行者天国にしたさまざまなイベントが開催できるようになりました。その場に居合わせた多くの人々を巻き込むことができるストリートイベントの有効性は、すでに多くの方々から関心が寄せられています」
つまり、道路をより自由に使えることが可能になったことで、大掛かりなストリートイベントが開催できるようになったということ。
音楽のポテンシャルがもともと高い街の文化と、それを強力に後押しする行政の取り組み。福岡のストリートイベントが盛り上がっているのは、そういった理由もあるのです。