コンパクトシティ&ノリの良い気質…… 京都と福岡はよく似ている?

京セラ株式会社、日本電産株式会社、任天堂株式会社、オムロン株式会社、株式会社 島津製作所……等々、世界的にも有名な大企業が軒並み本社を構える京都市。近年では、株式会社はてなや、株式会社まぐまぐといったIT企業も増えています。平成12(2000)年に設立された、主に企業向けにサーバーホスティングサービスを提供する株式会社フューチャースピリッツもそのひとつ。同社代表取締役の谷孝大(たにたか だい)氏は、本社を京都市内に置き事業を展開し、平成23(2011)年からは、中国、タイ、マレーシアなどに向けてサービスを提供。同社が開発したレンタルサーバーの契約数は年々増加、会社の業績は設立以来右肩上がりとなっているそうです。そんな同社に平成17(2005)年に入社した河本暁宏さんは京都市出身の41歳。関東で7年間、兵庫県内で2年間働いた後、Uターンするため京都市内の企業を探している中で同社と出会い、入社に至ったといいます。

今回はそんな河本さんにお話を伺いました。

――業界にもよるでしょうが、京都でのお仕事事情についてお聞かせください。

河本 よその人からすれば京都の人間って仕事にせよなんにせよ保守的だと思われがちですが、実際はそんなことなくて、むしろ新しいもの好きの人が多いんですよ。だからでしょうかね、ベンチャー企業も結構あります。それにノリが良い人も多いから、仕事がしやすい。ビジネスの場で知り合って気が合うと、初対面の人でも「何か一緒にやっていこう」という話になることだってあります。事実、私が関わっている仕事でも、そういったことは何度かありました。

――少し福岡の人と似た気質があるような……。

河本 そうかもしれませんね。京都は福岡と同じように街がコンパクトですし、都市の中心部にビジネス街や、商業施設、飲食店が集まっているので、都市の中で働く人の考え方も似てくるのかも。

河本さん

――コンパクトシティだとビジネスもしやすいですよね。

河本 たしかに仕事はしやすいですね。また、特に海外向けにビジネス展開をしている企業であれば、京都に本社があるというだけで“強み”になります。海外の取引先は、必ずと言っていいほど弊社であったり京都という街に興味を持っていただけます。

――京都は世界的に知名度が高いですからね。

河本 ええ。ただ、不満がないことはない。京都の人はなかなか自己主張をしない傾向があるので勉強会などを開催しても、あまり闊達な意見が飛び交うことなく、盛り上がることなく終わることが多いんですよ(苦笑)。控え目と言えば聞こえは良いですが、やはり新しいビジネスを生み出すには自己主張も必要ですから、ちょっと寂しいです。

――黙っていても何も生まれませんからね。

河本 そうそう。これも土地柄かもしれませんが、京都には自己主張しない人が多い反面、他人の意見を汲み取ってくれる人がたくさんいるんですよ。そういう意味では、「言いたがり」な人にとって京都はものすごくチャンスが多い。ですから、京都で新しいビジネスをしようとお考えなら、「自己主張」をしっかりすることが大切だと思いますよ。

河本さん

 

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フューチャースピリッツ https://www.future-s.com/
平成8年、「インターネットを活用した新しいサービスを常に生み出し、提供し続けることにより、社会に貢献する企業となる」を経営理念に創業。サーバーのレンタル事業やホームページ製作などを行う。今後は、ASEANに向けたサービス展開を予定している。

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