福岡市がまたまた快挙! NRI「成長可能性都市ランキング」内の「ポテンシャル」「都市の魅力」で福岡市が堂々1位を獲得

またしても福岡がやってくれました。

住民が街に対して持っている思いを数値化した「市民のプライド・ランキング」でのぶっちぎりの1位獲得(https://www.city.fukuoka.lg.jp/hash/news/archives/179)に続き、福岡市がまたまた快挙! 平成29(2017)7月5日に公表された「成長可能性都市ランキング」において、福岡市がすべての項目で10位以内にランクイン。「ポテンシャル」と「都市の魅力」の項目では見事1位を獲得しました。

この調査は、株式会社野村総合研究所(NRI)が、都市圏の人口規模等を考慮して選定した国内100都市を対象に、今後の成長性を左右する「産業創発力」の現状、および将来のポテンシャルを独自に分析したもの。都市の産業創発力を、「多様性を受け入れる風土」「創業・イノベーションを促す取り組み」など6つの視点から131の指標を用いて評価し、ランキング化したものになります。

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各都市の産業創発力を6つの視点、それらの項目をさらに細分化した131の指標を用いて分析された(出典:NRI)

福岡市は「ポテンシャルランキング」と「産業創発力の6つの視点別ランキング」内の「都市の魅力」の項目で1位を獲得。ポテンシャルランキングでは「ビジネス環境は整っているが独自の産業が少なく、産業の伸びしろが大きい」「住民は多様性に対する寛容度が非常に高く、異質なものを受け入れ、新しいことに挑戦する気質を持っている」ことなどが評価されています。総合ランキングでは東京都特別区部に次いで2位だったものの、「多様性を受け入れる風土」や「起業スピリッツがあり、スモールビジネスにも適している」など、12あるランキングですべて10位以内にランクインしたのは福岡市のみという結果でした。

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ポテンシャルランキングの上位10都市(出典:NRI)

このような結果となった要因を、同社の社会システムコンサルティング部上級研究員の小林庸至氏は次のように分析します。

「福岡は、ビジネスだけでなく都市の魅力や寛容度の面でも評価が高く、わが国の都市の中でも最もスタートアップを生み出す素地が整っている都市ではないかと思います。 従来、福岡は支店経済の街で、製造業の産業集積が見られない点が弱みとされてきましたが、経済を牽引する産業が製造業からIT産業やサービス業に変わりつつある中、東京・大阪・名古屋に続き、日本経済を牽引する第4の核となっていくことが期待されます」(小林氏)

さて、今回の調査でキーワードのひとつとして上げられているのが「ローカルハブ」。ローカルハブとは、地方都市が大都市に依存することなく自立して、世界から外貨を獲得する仕組みのことを指します。今回の調査は、国内100都市の中で今後ローカルハブになり得る可能性を有した都市と、その都市の強み・弱みなどを可視化したものだと言えます。

ローカルハブの一例として取り上げられているのが、米国・シアトル。その発展の歴史を振り返ってみると、もともとはダウンタウンの活性化や、文化・芸術に力を入れるなど、生活の質を高める街づくりが推進されていました。1980年代に米Microsoft(マイクロソフト)社が米国・ニューメキシコ州の商工業都市アルバカーキから移転したのを機に、“住みやすい街”というブランドに“魅力的な企業”が加わり、優秀な人材が集まることでさらに企業が進出してくるという好循環が創造されたのです。

今回のランキング結果は、福岡市もシアトルに並ぶローカルハブになる可能性を示しているのでは? 前出の小林氏は次のように語ります。

「福岡市は都市の魅力で優秀な人材をひきつけるという面で、シアトルやポートランドのようになる素地をもっていると思います。ただ、都市機能や景観を含め、中心市街地がそうした都市と並び立つほど魅力的かと言われると、まだまだ改善の余地があると思います。さらに街の魅力を高め、日本中またはアジア中から『福岡に住みたい』と思わせるような街づくりが必要だと思います」(小林氏)

「市民のプライド・ランキング」で住民の熱烈なジモト愛が証明され、さらに今回の調査によって客観的にも高いポテンシャルが証明された福岡市。大都市圏とは異なるローカルハブとして、福岡市が日本を代表する都市になるのか。その可能性は、ナンバーワンだと言えそうです。

 

【関連リンク】
株式会社 野村総合研究所「成長可能性都市ランキング」https://www.nri.com/jp/news/2017/170705_1.aspx

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