スタートアップカフェが移転してバージョンアップするってホント? 

《オープン以来、多くの方に愛されてきた天神の「スタートアップカフェ」がなくなってしまう?

–––­­­­­–師走の福岡を、そんな衝撃的な情報が駆け巡りました。結論からいうと、その話は半分本当で、半分は事実と異なります。

答えは12月7日、福岡市の高島市長の記者会見にありました。

同会見で、市長は官民共働型のスタートアップ支援施設を旧大名小学校跡地に開設する計画を発表。天神のスタートアップカフェと同時に、博多・百道浜・アイランドシティなど市内に点在しているインキュベート施設も同校跡地に移設し、“スタートアップ支援拠点”として1カ所に集約するというのです。

高島市長は会見の場で、スタートアップ企業が今後スケールアップしていく上で、関連施設を一本化することの重要性について、以下のように語っています。

「これまでバラバラだった窓口を1つにまとめて、“ここ1か所に行けばわかる”ワンストップ窓口に移行することは、スタートアップを目指す人にとって大きな追い風となるはずです。新施設には、従来のスタートアップ企業の他にも、たとえば大企業の新規事業部門なども呼び込みたい。

これまで、福岡を含めた地方で起業するデメリットの1つとして『ファンド(資金)がなかなか集まりにくい』ことが指摘されてきました。実は、投資家の多くは、福岡にも投資したい意欲がある一方で、どういう投資先があるかがよく見えていないという課題もありました。

今回、施設の一本化により、そういった福岡のチャレンジのタネが、一気に“見える化”し、投資を呼び込みやすくなるでしょう。また、このようなコワーキングの場に、たくさんの企業が肩を並べることで起きるであろう、企業同士の“化学反応”を期待しているので、同じ分野の企業だけが集まるよりも、さまざまなジャンルの企業に参加していただきたい」(高島市長)

それぞれの場所で別々の機能を有していたスタートアップ関連施設を1か所に集中させることにより、スタートアップ企業同士の連携や、成長を促進させるのが狙い。つまり今回の集約によって、スタートアップカフェも今まで以上に“意味のある場所”になるというのです。

ちなみに、旧大名小学校跡地は、規制改革によって民間投資を呼び込むプロジェクト「天神ビッグバン」の西のゲートに位置付けられているため、施設の開設期間は平成29(2017)年4月から平成30(2018)年9月までと、跡地活用に着手するまでの1年半限定。もっとも事業者の成果次第では、跡地の本格活用でスタートアップ支援機能導入の可能性もあるのだとか。

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(旧大名小学校校舎使用イメージ)

新施設には、共同作業ができるコワーキングスペースはもちろん、起業を目指す人の心強い味方となる専門家も常駐予定。

なお、新施設全体の整備・運営、スタートアップカフェの運営を担う民間の運営事業者は公募制となっています。募集開始は本日12月22日からで、説明会は12月27日、締め切りは年明け1月20日。この記事を読んでいるあなたが、来年度の福岡市のスタートアッププロジェクトの“強力サポーター”になれるかもしれないのです。

福岡市のスタートアップの“顔”として、新しい価値観やビジネスの発信拠点として、期待が高まる同施設。スタートアップの今後の展開が気になるあなた、公募の内容をチェックしてみてはいかがでしょうか。

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