公益社団法人認知症の人と家族の会は、認知症の人の不安を分かち合い、認知症の人を介護する家族がつらさを共有し、励まし合い、助け合うため、全国の都道府県に支部があります。会には介護家族、認知症の本人はもちろん、誰でも入会でき、介護の相談、情報交換、勉強会などを行っています。
※詳細は「認知症の人と家族の会 福岡県支部」をご覧ください。
支援者が聞き取った、認知症の方ご本人の気持ちです。
●本人)日によって、頭の中が真っ白になって何もわからなくなる時があるけど、いつもわからないわけではないんです。認知症の人は何も分からないと決めつけずに、ゆっくり気持ちを聞いてほしい。(本人)
→ 医療・介護支援者より)
●本人)人に迷惑はかけたくないです。自分のことはだいたい自分でできるつもりでいるけれど、日にちや約束の日が覚えられないんです。どうしたら忘れずにすみますか?
●本人)「どうしたの?」と聞かれても、うまく説明できない事もあります。すぐに忘れてしまう自分に気付くと色々なことが不安に思えて仕方ありません。同じことを何度も聞いても怒らないで下さい。不安だから聞いているんです。
→ 医療・介護支援者より)
●本人)いつも出来ていたはずの事ができなくなって、パニックになることがあります。落ち着いて最初からやってみようと思うけれど、その最初が分からなくてますます混乱してしまい、とても不安です。もう元の自分に戻れないんでしょうか。
→医療・介護支援者より)
認知症なんて自分には関係のない世界だと思っていました。診断されて少し時間が経つと悲しく、苦しく、辛く、不安で怒りの気持ちをどこにぶつけたらいいのかわかりませんでした。でも誰にでも起こることなのですね。同じ気持ちをわかってくれる人が意外にもたくさんいることも知りました。
これまでと違う言動に戸惑うこともイライラすることも悲しくなることもありますが、否定せずゆっくり付き合ってください。時には一緒に泣いたり、手を繋いだり、ハグしたり、気持ちをわかろうとして少しでも長く笑顔でいてください。
自分を責めないでください。誰かに何かに助けを求めることも強さです。それも愛です。
誰かに助けてもらって距離を持つことで見えなかったことが見えてきたり、優しくなれたり、笑顔の時間を取り戻すことができます。頑張り過ぎないように・・・。疲れてもやめたいと思っても自分を責めないでください。
「なんかおかしい」と思っても、次の日には普通に戻っていたり、初めのころは周りに介護をしている人もいなかったので一人で抱え込んでいました。症状も日によって違うしとにかく病院に連れて行かないと。と思うがどこに連れていけばいいかもわからないし、本人を説得することも難しかった。今思えばもっと早く役所に相談すればよかったのかな…と思います。どうにか受診できてそれから介護認定を受けてからは支援に繋がりスムーズに行った。
それでも日々状況は変わり、ただただ毎日をこなすことで精いっぱい。この6年で父も亡くなり飼っていた犬も2匹看取り…臨機応変に対応してくれた小規模多機能だったからここまでこれたのだと思います。
認知症の症状に対して、頭でわかっていても切り替えがうまくいかず、ついついムキになって正しい事を理解してもらおうと思ってよく喧嘩していた…そんな時アドバイスをいただいても自分自身が受け入れる事が出来ない状況だった。結局は自分の考え方、対応次第、だと分かってからは少し気が楽になったかな。
最近では娘である私を認識できなくなってきたため、特養の順番がきたこともあり、「本人にとっての幸せ」を考えて悩んで今もこれが正解かわからないけど入所を決断しました。施設で専門スタッフに優しく関わってもらえる…そう思って。
わが愛妻(現在83歳)が平成26年8月から認知症と診断されてデイケアに通い始めました。ケアマネジャーさんや地域包括支援センターの皆様にサポートしていただき今日までなんとか過ごしてきましたが、初めは戸惑いの連続でした。自分の経験も含めて、同じ体験をした人からのメッセージも役に立つならとの思いでここに記します。
初めはゆっくり、短く言葉を選び説明するが、延々と言い募られて、感情が抑えづらくてどうしようもない時は一旦その場を離れて気分を収めることにしている。私自身がゆとりを持って接する必要があると痛感している。
今の環境に不安があるのかも知れないが、妻の年金の通帳はどうなっているのかと繰り返し聞いてくる。共感する態度で接することを心がけ、ちゃんとこの引き出しに保管していて自分の年金と合わせて生活費に使わせてもらっていることを説明するようにしている。時には、手を握り、顔を見ながら、そうだね、よく説明しなくて悪かったね、大切に思っているよと告げると、ありがとうと笑顔で答える。
デイサービスには行きたくない、送り出しておいて自分が楽しようと思っているのだろうとか言うので、甘んじて受けることにしている。
生活リズムの変化については、睡眠障害があり、休みの日は終日寝ていて食事も取らず、夜間に目が覚めて寝ている自分を突いて起こし、言いたい放題で辛い。日中散歩に誘うが嫌だと言い活動量は少ない。風呂に入れと言っても入らないという。
生きていることで十分、自分でできることは自分ですること、皿洗いは滅多にしないが洗い残しがあっても構わないのでさせること、等々、楽に考えて暮らすように心がけております。