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更新日:2021年8月23日

話したい、話が聞きたい




認知症の人と家族のつどい

 公益社団法人認知症の人と家族の会は、認知症の人の不安を分かち合い、認知症の人を介護する家族がつらさを共有し、励まし合い、助け合うため、全国の都道府県に支部があります。会には介護家族、認知症の本人はもちろん、誰でも入会でき、介護の相談、情報交換、勉強会などを行っています。


福岡県支部の活動

  • ・つどい
  • ・男性介護者のつどい
  • ・あまやどりの会~若年性認知症の人と介護家族のつどい~
  • ・若年性認知症カフェ「なんぱく」
  • ・支部報「たんぽぽ」発送

※詳細は「認知症の人と家族の会 福岡県支部」をご覧ください。



医療・介護の支援者からのメッセージ・利用者の声


医療・介護関係者より

  • 心配な事が多くて不安ですよね…人に話しましょう。なんでもいいので話をしましょう。
  • 「今がいつか」「ここがどこか」「自分がだれか」わからなくなるってとても不安ですよね。怖いと思います。でも大丈夫ですよ。私たちはみんなずっと一緒にいます。寄り添ってお話ししていると「怖くない大丈夫だ」と思えますよ。そんな仲間の集いの場所があります。ぜひお越しください
  • 急に思い出せなくなる、忘れっぽくなる事で不安になられる方はあなただけではありません。家族や知人など気軽に話せる方に相談してみてください。必ず解決する方法があります。
  • 不安な気持ちに寄り添い笑顔で毎日を過ごせるようにいっぱい話をしましょう。一人ではないですよ。誰かが側にいますよ。

認知症カフェ参加者の声

  • 本人や家族が認知症になっていないか少し不安という程度で、気軽に相談できる場所があるのは助かると思う。
  • 自宅で過ごす時間が増えることでストレスがたまり、カフェの機会が息抜きになっているため、今後もカフェを続けてほしい。


認知症の人の気持ち

 支援者が聞き取った、認知症の方ご本人の気持ちです。


話を聞いてほしい…

●本人)日によって、頭の中が真っ白になって何もわからなくなる時があるけど、いつもわからないわけではないんです。認知症の人は何も分からないと決めつけずに、ゆっくり気持ちを聞いてほしい。(本人)

→ 医療・介護支援者より)

  • ・ゆっくりお話を聞かせていただきますね。何でも声をかけてください。
  • ・不安な気持ちは、私たちにたくさんお話をして下さい。ゆっくりお話をしていきましょう。


自分が一番不安なんです…

●本人)人に迷惑はかけたくないです。自分のことはだいたい自分でできるつもりでいるけれど、日にちや約束の日が覚えられないんです。どうしたら忘れずにすみますか?
●本人)「どうしたの?」と聞かれても、うまく説明できない事もあります。すぐに忘れてしまう自分に気付くと色々なことが不安に思えて仕方ありません。同じことを何度も聞いても怒らないで下さい。不安だから聞いているんです。

→ 医療・介護支援者より)

  • ・分からない事、思い出せない事、忘れる事…などなど、とても怖いと思います。その気持ちを少しでも和らげられるよう、私達はいつもそばにいます。
  • ・どうしたらいいのか分からないってとっても不安ですよね。そんな時は私達に何でも言ってください。私達はあなたの味方です。あなたは一人じゃない。いつもそばにいます。


パニックになってしまいます…

●本人)いつも出来ていたはずの事ができなくなって、パニックになることがあります。落ち着いて最初からやってみようと思うけれど、その最初が分からなくてますます混乱してしまい、とても不安です。もう元の自分に戻れないんでしょうか。

→医療・介護支援者より)

  • ・希望を持って、その人らしく生きていける社会へと変化しています。住み慣れた街で暮らし続けることができるように支援致します。
  • ・全てを抱え込まずに、ぜひ専門職に相談して下さい。皆で知恵や工夫を持ち寄って大切な生活がうまくいくよう一緒に考えましょう。


家族介護者の体験談

認知症と診断された方やご家族へのメッセージ

 認知症なんて自分には関係のない世界だと思っていました。診断されて少し時間が経つと悲しく、苦しく、辛く、不安で怒りの気持ちをどこにぶつけたらいいのかわかりませんでした。でも誰にでも起こることなのですね。同じ気持ちをわかってくれる人が意外にもたくさんいることも知りました。
 これまでと違う言動に戸惑うこともイライラすることも悲しくなることもありますが、否定せずゆっくり付き合ってください。時には一緒に泣いたり、手を繋いだり、ハグしたり、気持ちをわかろうとして少しでも長く笑顔でいてください。


介護が疲れてやめたいと思っているご家族へのメッセージ

 自分を責めないでください。誰かに何かに助けを求めることも強さです。それも愛です。
 誰かに助けてもらって距離を持つことで見えなかったことが見えてきたり、優しくなれたり、笑顔の時間を取り戻すことができます。頑張り過ぎないように・・・。疲れてもやめたいと思っても自分を責めないでください。


これまでを振り返って(認知症の人を介護する娘より)

  「なんかおかしい」と思っても、次の日には普通に戻っていたり、初めのころは周りに介護をしている人もいなかったので一人で抱え込んでいました。症状も日によって違うしとにかく病院に連れて行かないと。と思うがどこに連れていけばいいかもわからないし、本人を説得することも難しかった。今思えばもっと早く役所に相談すればよかったのかな…と思います。どうにか受診できてそれから介護認定を受けてからは支援に繋がりスムーズに行った。
 それでも日々状況は変わり、ただただ毎日をこなすことで精いっぱい。この6年で父も亡くなり飼っていた犬も2匹看取り…臨機応変に対応してくれた小規模多機能だったからここまでこれたのだと思います。
 認知症の症状に対して、頭でわかっていても切り替えがうまくいかず、ついついムキになって正しい事を理解してもらおうと思ってよく喧嘩していた…そんな時アドバイスをいただいても自分自身が受け入れる事が出来ない状況だった。結局は自分の考え方、対応次第、だと分かってからは少し気が楽になったかな。
 最近では娘である私を認識できなくなってきたため、特養の順番がきたこともあり、「本人にとっての幸せ」を考えて悩んで今もこれが正解かわからないけど入所を決断しました。施設で専門スタッフに優しく関わってもらえる…そう思って。


これまでを振り返って(認知症の人を介護する夫より)

 わが愛妻(現在83歳)が平成26年8月から認知症と診断されてデイケアに通い始めました。ケアマネジャーさんや地域包括支援センターの皆様にサポートしていただき今日までなんとか過ごしてきましたが、初めは戸惑いの連続でした。自分の経験も含めて、同じ体験をした人からのメッセージも役に立つならとの思いでここに記します。


  • ・夕方6時から3時間、法事に行くから2万円ちょうだいと対応を迫られた。
  • ・トイレにパンツ置きっ放し、デイケア休みの日はソファーに寝たままで食事を取らず。
  • ・薬服用の管理のために薬の空き袋をチェックするようにした(薬を飲んだと言い、飲んでないことがままあったので)。
  • ・朝早くから口内炎の痛みを訴え、デイサービスに行きたくないと言い続ける。電話して休むと連絡するようにと言い続ける。たとえ行っても切り上げてはやく帰ってくるよと言い続ける。
  • ・息子の迎えに行きたいと言い、駅まで出かける(夜21時半。妄想と思われる)
  • ・妄想が酷くて、母親(30年前逝去)を24時に駅まで迎えに行くと言い、危ないので一緒に出かけ話題を変えて自宅に連れ戻した。
  • ・小さな子供が二人来ているのだが今どこにいるのかと言い続ける。書き連ねるとキリがないほど。
  • ・作り話をする、平成10年から3年前までフラダンスをやっていて3年前にやめたのだが今朝電話があり大会に参加しないと失礼になる、6万円の参加費を払いたいので送って欲しいと言い続けて困らされる。いうことを聞いてくれないならば死んだがましと怒りっぽくなる。
  • ・物忘れがひどくて入れ歯が行方不明になったり、携帯が無くなったりする。

○対応の仕方


初めはゆっくり、短く言葉を選び説明するが、延々と言い募られて、感情が抑えづらくてどうしようもない時は一旦その場を離れて気分を収めることにしている。私自身がゆとりを持って接する必要があると痛感している。
 今の環境に不安があるのかも知れないが、妻の年金の通帳はどうなっているのかと繰り返し聞いてくる。共感する態度で接することを心がけ、ちゃんとこの引き出しに保管していて自分の年金と合わせて生活費に使わせてもらっていることを説明するようにしている。時には、手を握り、顔を見ながら、そうだね、よく説明しなくて悪かったね、大切に思っているよと告げると、ありがとうと笑顔で答える。
 デイサービスには行きたくない、送り出しておいて自分が楽しようと思っているのだろうとか言うので、甘んじて受けることにしている。
 生活リズムの変化については、睡眠障害があり、休みの日は終日寝ていて食事も取らず、夜間に目が覚めて寝ている自分を突いて起こし、言いたい放題で辛い。日中散歩に誘うが嫌だと言い活動量は少ない。風呂に入れと言っても入らないという。

  生きていることで十分、自分でできることは自分ですること、皿洗いは滅多にしないが洗い残しがあっても構わないのでさせること、等々、楽に考えて暮らすように心がけております。



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