応募を検討されている方に屋台営業をイメージしていただけるように、第5回公募で営業開始した「バル河野」の河野さんにお話を伺いました!(令和8年4月取材)

以前は四国でイタリアン料理店を営んでいました。
もともと福岡の屋台文化に魅力を感じており、観光で訪れるたびに屋台に足を運び、準備風景を眺めるのも楽しみの一つでした。息子の進学と屋台公募のタイミングが重なったことをきっかけに、「今しかない」と思い応募を決めました。
屋台用の駐車場確保が難しいと聞いていたため、一般的なリアカー式ではなく、トラックに積み込めるタイプの屋台を選びました。
本来は屋台とトラックで2台分の駐車場代が必要になりますが、1台分で済むのも助かっています。
屋台は、鉄製品を加工できる友人が作ってもらったのですが、風にも強くて、設営時にも重すぎない素材なので、このタイプにして良かったなと感じています。
屋台では生ものが提供できないため、本来は冷菜として提供するイタリアンメニューも、オーブン調理などで屋台向けにアレンジしています。
九州産の野菜や食材を中心に仕入れ、試作を重ねながら、屋台でも無理なく提供できる形に落とし込みました。
調理器具の一部は、以前から使用していた店舗のものをそのまま活用し、他の器材については、ホームセンターやアウトドア専門店で購入しました。
のれんについては、地元のデザイナーの友人と一緒に制作しました。
最初に揃えた器材は、実際に営業してみると使わないものも多く、営業しながら必要なものを追加していく方が良かったと感じています。
また、設営や撤収のしやすさや、限られたスペースをうまく活用するためにも荷物はできるだけ少ないほうが良いと感じています。

屋台の制作や器材購入、トラック購入などで350万円ほどかかり、私の場合は、さらに移住に伴う住居費や環境整備費用もかかり、全体では500~600万円ほどになりました。
店舗開業と比べれば抑えられますが、想定以上に初期費用はかかりました。
10時までには起きて午前中に仕入れを行い、昼過ぎから仕込みを始めます。
17時頃から設営し、18時30分から24時まで営業しています。
帰宅は1時過ぎになり、そこから片付けや食事を済ませて就寝は3時頃です。
屋台運搬用トラックの駐車場代約1.5万円、ガス代が約2万円等を含め、8万円ほどかかっています。そのほか、スタッフの人件費もかかります。
屋外で雨に濡れることもあるため、器材の故障や劣化への対応が必要になる場合もあります。
屋台は福岡の観光資源として認知されているため、広告費をほとんどかけずに集客できる点が大きなメリットです。
一方で、天候や気温の影響を直接受けるため、売上が安定しづらい面もあります。
全国から屋台を目的に訪れてくれるお客様も多く、「楽しみにして来ました」と言ってもらえることが大きな励みになります。
地元のお客様と観光客が同じ空間で自然に会話を交わす様子を見ると、福岡の食文化に貢献できていると実感し、やりがいを感じます。

季節ごとの暑さや寒さに対応しないといけませんし、営業時間以外にも片付けや仕込み、事務作業があります。
体力面だけでなく、生活リズムの管理も含めて、継続するための工夫が必要だと感じています。
地元だけでなく全国のメディアでも取り上げてもらえるなど想像以上に注目度が高く、屋台文化への関心の高さを改めて実感しました。
屋台に対して「少し入りづらい」と感じている方にも、居心地が良いと思ってもらえる屋台を目指しています。
来て良かった、また来たいと感じてもらえる体験を積み重ね、屋台のハードルを下げていきたいです。
屋台は周囲との関係性がとても大切で、ルールやマナーを守ることも必要です。
そのうえで、新しいことに挑戦し、少しずつ工夫や改善ができる柔軟さを持った方に応募してほしいです。
屋台営業は設営や営業だけでなく、金銭管理などの事務仕事もこなしたりと、体が資本なので、無理をせず、健康と安全を第一に考えることが大切です。
長く続ける意識を持って挑戦してほしいです。