古来より、博多は単なる「港町」ではありませんでした。宋・元・明、高麗・朝鮮、琉球、さらには東南アジアへとつながる海上ネットワークの結節点として、人・モノ・情報が絶えず往来する、まさに「アジアにひらかれた国際都市」だったのです。
今回の市史講演会ではこの「中世博多」を舞台に、禅宗をはじめとする新たな宗教文化、美術工芸や舶載品、そして商人・僧侶・外交使節たちが織りなした対外交流の実像を読み解きます。
また、今年福岡市が刊行した『新修 福岡市史 資料編 中世3』には中世期の古記録や日記のみならず、禅僧の語録などの文学史料、掛け軸に書かれた「讃」などの美術工芸史料、また外国史料についても収録しています。こうした多様な中世史料に光を当てつつ、「日本の西の玄関口」として語られる博多について、東アジア世界の一角を担った国際都市として、中世博多の奥行きを再発見する講演会です。

背景(右):「日本國西海道九州之圖」(申叔舟 撰『海東諸国紀』国立国会図書館デジタルコレクション所収)
講師:榎本 渉 氏(国際日本文化研究センター 教授)
1974年青森県生まれ。東京大学大学院博士課程単位取得退学。博士(文学)。専門は中世国際交流史。主な著作は『僧侶と海商たちの東シナ海』(講談社、2010年)、『南宋・元代日中渡航僧伝記集成 附 江戸時代における僧伝集積過程の研究』(勉誠出版、2013年)。
講師:伊藤 幸司 氏(九州大学大学院比較社会文化研究院 教授/福岡市史編集委員会中世専門部会部会長)
1970年岐阜県生まれ。九州大学大学院博士後期課程修了。専門は日本中世史・東アジア交流史。主な著作は『中世日本の外交と禅宗』(吉川弘文館、2002年)、『中世の博多とアジア』(勉誠出版、2021年)。『資料編 中世3』(福岡市、2026 年)編集責任者。
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お申し込みいただいた方全員に、2026年7月16日(木曜日)前後までにメールまたはハガキにてお知らせいたします。