教科書などで「最初の政党内閣」とされる第一次大隈内閣(隈板内閣、明治33年)は、自由党と進歩党(旧改進党)が合同してできた憲政党(明治31年)による内閣ですが、この大合同を裏面で画策したのが平岡浩太郎です。大隈内閣は間もなく瓦解し、憲政党も分裂しますが、旧自由党系を中心とする新憲政党は伊藤博文を党首とする立憲政友会を組織します。一方、福岡を拠点とした政治結社である玄洋社とその周辺の人々は、桂太郎による立憲同志会を経て憲政会(のち立憲民政党)に参加しますが、福岡において中心人物となったのが中野正剛です。
今回の講演は、近年公開が進んだ新しい史料を用いて、戦前日本の政党政治の展開の中で、福岡の政治家がどのような国家のあり方を模索したかを明らかにします。
背景画像:「帝国議会 衆議院之図」明治24年(山口県立山口博物館所蔵)
講師 季武 嘉也 氏(創価大学 名誉教授)
1954年東京都生まれ。東京大学大学院博士課程単位取得退学。専門は日本近代政治史。 創価大学文学部教授を経て現職。主な著作は『大正期の政治構造』(吉川弘文館、1998年)、共著『日記で読む近現代日本政治史(史料で読み解く日本史2)』(ミネルヴァ書房、2017年)、『戦前日本の選挙と政党』(吉川弘文館、2025年)。
講師 有馬 学 氏(九州大学 名誉教授/福岡市史編集委員会 委員長)
1945年北京生まれ。東京大学大学院博士課程満期退学。専攻は日本近代史。九州大学大学院教授、福岡市博物館総館長を歴任。2005年、福岡市史編集委員会立ち上げとともに委員長に就任。著書は、共著『福岡県の近現代』(山川出版社、2021年)、『「戦後」を読み直す 同時代史の試み』(中央公論新社、2024年)など。
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