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更新日: 2024年4月1日

開発不適区域の解説(都市計画法第33条第1項第8号等)

 福岡市における「開発不適区域」の解説です。次のリンクから該当箇所へジャンプできます。

1 規制の概要

 「開発不適区域」とは、都市計画法に基づく開発許可制度において、開発行為を行うのに適当でない区域のことを言い、当該区域内の土地を開発区域内に含んではならないと定められています。開発区域内に開発不適区域を含んでいる場合、原則として開発許可をすることができません。

 開発行為の計画を進める前に十分な調査を行ってください。事前の調査には次のリンク先などもご活用ください。

2 開発不適区域の一覧

(1) 都市計画法の規定

 都市計画法において次の区域が定められています。次の1~4の区域は「災害危険区域等」と呼ばれています。(法第33条第1項第8号及び令第23条の2)

  1. 災害危険区域(建築基準法第39条第1項)
  2. 地すべり防止区域(地すべり等防止法第3条第1項)
  3. 土砂災害特別警戒区域(土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律第9条第1項) ←※区域の通称:「土砂レッドゾーン」
  4. 浸水被害防止区域(特定都市河川浸水被害対策法第56条第1項)
  5. 急傾斜地崩壊危険区域(急傾斜地の崩壊による災害の防止に関する法律第3条第1項) ←※法の通称:「急傾斜地法」

 上記の区域のうち、「災害危険区域」については、福岡市においては、福岡市建築基準法施行条例第3条で急傾斜地崩壊危険区域と定められています(都市計画法の政令でも定められています。)。「地すべり防止区域」については、福岡市においては、西区大字玄界島の1か所のみです。

 以上の規定については、自己の居住の用の建築物等の用に供する目的で行う開発行為には適用されません。

(2) 福岡市の条例等の規定

 都市計画法の規定に加えて、福岡市では条例及び規則により次の区域を開発不適区域として定めています。災害の危険性のある区域だけではなく、農用地、自然環境、緑地、文化財等のために保全すべき区域についても定めているところが、福岡市の規制の特徴となっています。

特に災害の発生のおそれのある区域

  • 砂防設備を要する土地(砂防法第2条)

農用地として保存すべき区域

  • 農用地区域(農業振興地域の整備に関する法律第8条第2項第1号) ←※農業振興地域内農用地区域内農地(いわゆる「青地」)などが該当します。
  • 農地又は採草放牧地(農地法第4条第2項第1号ロ及び同法第5条第2項第1号ロ)

自然環境の保持のために保全すべき区域

  • 自然公園(自然公園法第2条第1号)
  • 自然環境保全地域(自然環境保全法第22条第1項)
  • 自然環境保全地域(福岡県環境保全に関する条例第13条第1項)
  • 概ね標高80メートル以上の区域(既存集落その他市長が特に認める区域を除く。) ←※福岡市独自です。

緑地の確保のために保全すべき区域

  • 保安林の区域(森林法第25条第1項)
  • 地域森林計画の対象とされた民有林の区域(森林法第5条第1項)
  • 保安林の区域(森林法第25条第2項並びに同法第25条の2第1項及び第2項。同法第31条の規定により立木竹の伐採等が禁止された保安林予定森林を含む。)
  • 保安施設地区(森林法第41条第1項。同法第44条において準用する同法第31条の規定により立木竹の伐採等が禁止された保安施設地区予定地を含む。)
  • 海岸保全区域(海岸法第3条第1項)
  • 特別緑地保全地区(都市緑地法第12条第1項)
  • 市民緑地(都市緑地法第55条第1項)
  • 緑地保全林地区(福岡市緑地保全と緑化推進に関する条例第7条第1項)

文化財の保護のために保全すべき区域

  • 有形文化財が存する区域(文化財保護法第57条第1項)
  • 周知の埋蔵文化財包蔵地の区域(文化財保護法第93条第1項)
  • 史跡名勝天然記念物が存する区域(文化財保護法第109条第1項)
  • 県指定史跡名勝天然記念物が存する区域(福岡県文化財保護条例第37条第1項)
  • 市指定史跡名勝天然記念物が存する区域(福岡市文化財保護条例第30条第1項)

 以上の福岡市の条例等については、例外規定があり、当該開発行為について関係法令の規定により求められる許可等がなされている場合、または許可等がなされる見込みがある場合であり、かつ、当該開発区域及びその周辺の地域の状況等により支障がないと市長が認めるときは、この限りでないとする規定が設けられています。


3 <<参考法令等>>

 開発不適区域に関する法令等(の抜粋)を引用しておきます。

都市計画法第33条第1項第8号(開発不適区域に関する規定)

(開発許可の基準)
第33条 都道府県知事は、開発許可の申請があつた場合において、当該申請に係る開発行為が、次に掲げる基準(第4項及び第5項の条例が定められているときは、当該条例で定める制限を含む。)に適合しており、かつ、その申請の手続がこの法律又はこの法律に基づく命令の規定に違反していないと認めるときは、開発許可をしなければならない。
(中略)
(8) 主として、自己の居住の用に供する住宅の建築の用に供する目的で行う開発行為以外の開発行為にあつては、開発区域内に建築基準法第39条第1項の災害危険区域、地すべり等防止法(昭和33年法律第30号)第3条第1項の地すべり防止区域、土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律(平成12年法律第57号)第9条第1項の土砂災害特別警戒区域その他政令で定める開発行為を行うのに適当でない区域内の土地を含まないこと。ただし、開発区域及びその周辺の地域の状況等により支障がないと認められるときは、この限りでない。

都市計画法施行令第23条の2(法第33条第1項第8号の政令で定める区域)

(開発行為を行うのに適当でない区域)
第23条の2 法第33条第1項第8号(法第35条の2第4項において準用する場合を含む。)の政令で定める開発行為を行うのに適当でない区域は、急傾斜地崩壊危険区域(急傾斜地の崩壊による災害の防止に関する法律(昭和44年法律第57号)第3条第1項の急傾斜地崩壊危険区域をいう。第29条の7及び第29条の9第3号において同じ。)とする。

建築基準法第39条第1項(法第33条第1項第8号の例示)

(災害危険区域)
第39条 地方公共団体は、条例で、津波、高潮、出水等による危険の著しい区域を災害危険区域として指定することができる。

福岡市建築基準法施行条例第3

(災害危険区域の指定)
第3条 法第39条第1項の災害危険区域(次条において「災害危険区域」という。)は,急傾斜地の崩壊による災害の防止に関する法律(昭和44年法律第57号)第3条第1項の規定に基づき福岡県知事が指定した急傾斜地崩壊危険区域とする。

福岡市開発行為の許可等に関する条例第3条(福岡市が独自に条例で定める開発不適区域に関する規定)

(開発区域の範囲に関する基準)
第3条 開発区域の範囲には、自己の居住の用に供する住宅の建築の用に供する目的で行う開発行為以外の開発行為にあっては、法第33条第1項第8号本文に規定する区域のほか、次に掲げる区域を含まないこととする。ただし、当該開発行為について関係法令の規定により求められる許可、認可、同意等(以下「許可等」という。)がなされている場合(許可等がなされる見込みがある場合を含む。)であり、かつ、当該開発区域及びその周辺の地域の状況等により支障がないと市長が認めるときは、この限りでない。
(1)特に災害の発生のおそれのある区域として規則で定める区域
(2)農業振興地域の整備に関する法律(昭和44 年法律第58 号)第8 条第2 項第1 号に規定する農用地区域その他農用地として保全すべき区域として規則で定める区域
(3)自然公園法(昭和32 年法律第161 号)第2 条第1 号に規定する自然公園その他自然環境の保持のために保全すべき区域として規則で定める区域
(4)森林法(昭和26 年法律第249 号)第25 条第1 項に規定する保安林の区域その他緑地の確保のために保全すべき区域として規則で定める区域
(5)文化財保護法(昭和25 年法律第214 号)第57 条第1 項の規定により登録された有形文化財が存する区域その他文化財の保護のために保全すべき区域として規則で定める区域

福岡市開発行為の許可等に関する規則第4条(福岡市の条例の規則で定める区域)

(開発区域の範囲に関する基準)
第4条 条例第3条第1号に規定する規則で定める区域は、次のとおりとする。
(1) 砂防法(明治30年法律第29号)第2条の規定により国土交通大臣の指定を受けた土地
(2) その他特に災害の危険があると市長が認めて指定した区域
2 条例第3条第2号に規定する規則で定める区域は、次のとおりとする。
(1) 農地法(昭和27年法律第229号)第4条第2項第1号ロに掲げる農地及び同法第5条第2項第1号ロに掲げる農地又は採草放牧地
(2) その他特に保全すべき優良な農地があると市長が認めて指定した区域
3 条例第3条第3号に規定する規則で定める区域は、次のとおりとする。
(1) 自然環境保全法(昭和47年法律第85号)第22条第1項に規定する自然環境保全地域
(2) 福岡県環境保全に関する条例(昭和47年福岡県条例第28号)第13条第1項に規定する自然環境保全地域
(3) 概ね標高80メートル以上の区域(既存集落その他市長が特に認める区域を除く。)
(4) その他特に保全すべき優良な自然環境があると市長が認めて指定した区域
4 条例第3条第4号に規定する規則で定める区域は、次のとおりとする。
(1) 森林法(昭和26年法律第249号)第5条第1項に規定する地域森林計画の対象とされた民有林の区域、同法第25条第2項並びに同法第25条の2第1項及び第2項に規定する保安林(同法第31条の規定により立木竹の伐採等が禁止された保安林予定森林を含む。)の区域並びに同法第41条第1項に規定する保安施設地区(同法第44条において準用する同法第31条の規定により立木竹の伐採等が禁止された保安施設地区予定地を含む。)
(2) 海岸法(昭和31年法律第101号)第3条第1項に規定する海岸保全区域
(3) 都市緑地法(昭和48年法律第72号)第12条第1項に規定する特別緑地保全地区及び同法第55条第1項に規定する市民緑地
(4) 福岡市緑地保全と緑化推進に関する条例(昭和49年福岡市条例第32号)第7条第1項に規定する緑地保全林地区
(5) その他特に保全すべき優良な緑地があると市長が認めて指定した区域
5 条例第3条第5号に規定する規則で定める区域は、次のとおりとする。
(1) 文化財保護法(昭和25年法律第214号)第93条第1項に規定する周知の埋蔵文化財包蔵地の区域及び同法第109条第1項に規定する史跡名勝天然記念物が存する区域
(2) 福岡県文化財保護条例(昭和30年福岡県条例第25号)第37条第1項に規定する県指定史跡名勝天然記念物が存する区域
(3) 福岡市文化財保護条例(昭和48年福岡市条例第33号)第30条第1項に規定する市指定史跡名勝天然記念物が存する区域

国土交通省「開発許可制度運用指針」I-5-5(都市計画法第33条第1項第8号[開発行為を行うのに適当でない区域]に関する国土交通省の技術的助言)

法第33条第1項第8号の基準は、土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律(以下「土砂災害防止法」という。)に基づく土砂災害特別警戒区域等災害の発生のおそれがあり開発行為を行うのに適当でない区域((1)において「開発不適区域」という。)について、市街化を進展させる行為を抑止しようとすることを趣旨とするものであり、その運用に際しては、次の事項に留意すべきである。
(1) 「自己の居住の用に供する住宅の建築又は住宅以外の建築物若しくは特定工作物で自己の業務の用に供するものの建築又は建設の用に供する目的で行う開発行為」は本号の適用を受けないが、開発不適区域において開発行為の許可の申請があった場合には、当該区域における災害の危険性について注意喚起を行う等、当該申請者が当該区域の状況を正確に理解した上で開発行為を行うか否かを判断できるよう、適切に情報提供を行うこと。(2) 土砂災害防止法第4条第1項の基礎調査により土砂災害特別警戒区域に相当する土地の区域の範囲が明らかとなったものの、いまだ当該区域の指定が行われていない区域は本号の適用を受けないが、当該区域において開発行為(自己の居住の用に供する住宅の建築又は住宅以外の建築物若しくは特定工作物で自己の業務の用に供するものの建築又は建設の用に供する目的で行う開発行為を含む。(3)において同じ。)の許可の申請があった場合には、当該区域における土砂災害の危険性や将来における土砂災害特別警戒区域への指定見込み等について注意喚起を行う等、当該申請者が当該区域の状況を正確に理解した上で開発行為を行うか否かを判断できるよう、適切に情報提供を行うこと。
(3) その他本号の適用を受けない土砂災害防止法に基づく土砂災害警戒区域、津波防災地域づくりに関する法律に基づく津波災害警戒区域等災害の発生のおそれのある区域において開発行為の許可の申請があった場合には、当該区域における災害の危険性について、当該申請者に適切に情報提供を行うこと。
(4) (1)~(3)における災害の危険性や土砂災害特別警戒区域等の指定状況等の情報提供に当たっては、開発許可担当部局と防災担当部局が情報共有する体制を構築する等十分連携をとって適切な運用を行うこと。

問い合わせ先

部署:住宅都市局建築指導部開発・建築調整課
住所:福岡市中央区天神一丁目8番1号(市庁舎4階)
電話番号(1):092-711-4587(東区、博多区、城南区及び早良区の担当:開発指導第1係)
電話番号(2):092-711-4588(中央区、南区及び西区の担当:開発指導第2係)
FAX番号:092-733-5584
電子メール:
kaihatsu-kenchiku.HUPB@city.fukuoka.lg.jp
WEB:開発許可申請等の手引き【開発指導ホームページ】索引付き)
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