【福岡愛爆発】福岡支社設立したら福岡が大好きに!! 引っ越し&住民票まで移してしまった社長の話

人口減小社会に突入した日本において、福岡市は平成15(2003)年に約138万人だった人口が、平成25(2013)年には150万人を超え、今なお増加傾向にあります。さらにIT関連企業をはじめとするデジタルコンテンツ産業が盛んなことから、首都圏の企業が福岡市内に拠点を開設するケースも増えているといいます。

東京に本社を置く「ノイジークローク」もそのひとつ。「討鬼伝」や「龍が如く」といった大ヒットゲームやスマートフォン向けゲーム「消滅都市」などのゲーム音楽を手掛ける音楽制作会社です。福岡に拠点を構えたのは平成23(2011)年のこと。その後、同社代表取締役社長の坂本英城さんは、東京から福岡に移住を果たすほど福岡に馴染んでいったといいます。

そんな坂本さんに、ゲーム音楽制作にかける想いから福岡の魅力に至るまでお話していただきました。

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――まず福岡に拠点を構えた決め手はなんだったのでしょうか。

坂本 一番は、レベルファイブさんですね。もうなんというか輝いて見えたんですよ(笑)。もちろん、東京にも良い会社さんはたくさんあるけど、レベルファイブさんは「本当に自分たちがつくりたいと思えるもの」を純粋に全力で追いかけているなと思ったんです。実際にプレイしていてもそれを感じることができました。東京の場合、レベルファイブさんくらいに組織が大きくなっていろんな人が出入りするようになると、様々な制限がかかってしまうことがよくある。例えば、当初はすごくいいアイデアだったのに、偉い人がでてきて「こんなんじゃだめだ」と鶴の一声でどんどん尖ったゲームが丸くなって、本来クリエイターがつくりたいと思った作品が世に出ないことがあったりします。クリエイターって、つくりたいゲームじゃないと売れても売れなくても悔しくも嬉しくもないことがあるんですね。一方、レベルファイブさんをはじめ福岡のゲーム会社さんがつくっているゲームは、純粋にゲーム好きがつくっている感じが強く、ゲーム愛が伝わってくる。そんな皆さんとともにゲームの開発がしたいと強く思ったのが、何より福岡支社を設立した決め手でした。

――実際参入してみて、いかがですか?

坂本 実感として、福岡のゲーム業界ってサウンドの会社が少ないな、と。僕たちは、ゲームのイベントを日本のあちこちやアジアをベースにやっていたりするんですけど、福岡ってゲームの音楽イベントがあんまりない。せっかく福岡発のコンテンツがたくさんあるので、音楽のイベントと絡めていきたいですよね。こんなふうに自分が主体的に何かことを起こすには、まずGFF(GAME FACTORY'S FRIENDSHIP|https://www.gff.jp/)に加盟させていただかなければと思ったんです。それが2年前くらいで、去年の4月に承認をいただいて活動しています。

――GFFの活動で印象的なことはありましたか?

坂本 GFFの定例会議というのがあるのですけど、月に1回九州のゲーム企業が集まって、福岡・九州のゲーム産業をこれからどうしていこうかと話し合うんです。そこで意見を言わせてもらえる立場で参加させていただけることがありがたい。4年前までずっと東京で、言ってしまえばよそ者なわけですよね。でも福岡の方々って、ようこそって感じであたたかいんです(笑)。とにかく、自分たちが主体的に福岡のゲーム産業を盛り上げられる側になれて、すごく充実しています。そんなこんなでプライベートでも福岡が大好きになってしまって、こちらに引っ越して、ついでに家も買っちゃって、住民票までこちらに移してしまった(笑)。

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――移住の決め手となったのは何だったのですか?

坂本 空港から住宅地が近いし、街がまとまっているので、手の届くところに商業圏もあれば、海とか山とかそういった自然もあって、車で30分走れば本当にどこでもいける――よく言われることですけどコンパクトシティというところですかね。例えば、自宅から等距離で、アップルストアと海があるとかね(笑)。もう、すごいことですよ。東京では考えられない。あとはこれ一番大きな理由かもしれないですけど、食べ物がおいしい(笑)。魚が好きなので、全国各地でいろいろな魚を食べてきて、ここに辿りつくまでは北海道か金沢が一番かなと思っていましたが、福岡がダントツですね!!

――そんな福岡に進出して来年で5年目という節目の年が近づいていますが、今後の福岡でのビジョンを教えてください。

坂本 実はまだ福岡では、レベルファイブさんやサイバーコネクトツーさん、ガンバリオンさんとのお付き合いがほとんどなんです。九州には100社以上もゲーム会社があると言われているので、どういうところがあるのかを調査して、今年から本格的に、まだご縁のない福岡のゲーム会社さまとお付き合いしていこうと思っています。うちの会社の本業は音楽制作なので、なるべく多くの人たちと仕事をしてゲームサウンドの重要性を知ってもらいたいと思っています。また、僕のライフワークは、今までお世話になったゲーム音楽というものを後世に残してくこと。その一環として今、一番勢いのある福岡の会社に協力をして、何か文化としてゲーム音楽が根付いていくような動きをしていきたいなと思っています。音楽を上手く使えば、作品の存在や内容など、伝えたい物事を早く効果的にユーザーのみなさんに届けられるんですよ。結果的にそれがプラスにどんどん働いて、福岡のゲーム産業がもっともっと盛り上がっていったらいいな、と思っています。

 

[プロフィール]
坂本英城(さかもと ひでき)
東京都出身。大学卒業後、8年間のフリーランスを経たのち、2004年に株式会社ノイジークロークを設立。同社代表兼作曲家。フルオーケストラレコーディングのコーディネートをはじめ、ボーカリスト・ミュージシャン・指揮者としてもゲーム音楽に幅広く携わる。

 

[関連リンク]
株式会社ノイジークローク(http://www.noisycroak.co.jp/
東京・福岡を拠点にゲームソフトやスマートフォン向けゲームなどのゲーム専門のサウンド制作を手掛ける。「龍が如く」、「ポケモン不思議のダンジョン」、「無限回廊」などのサウンドをシリーズ通じて担当。2011年に福岡に支社を設立後、レベルファイブの「タイムトラベラーズ」「怪獣が出る金曜日」、ガンバリオンの「ワンピース アンリミテッドワールド レッド」のサウンドを担当した。

 

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「福岡を、ゲームのハリウッドに」 “神ゲー”の作り手たちが集う「GFF」とは?(2014.10.30)
https://www.city.fukuoka.lg.jp/hash/news/archives/22

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