障害者差別解消法は、全ての国民が、障害の有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現に向け、障害を理由とする差別の解消を推進することを目的として、平成25年6月に制定され、平成28年4月から施行されました。(正式名称:障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律)
令和3年5月、同法は改正され(令和3年法律第56号)、改正法は、令和6年4月1日から施行されました。
法律の概要 (237kbyte)
改正の概要 (43kbyte)
この法律では、行政機関等と民間事業者に対して、差別の解消に向けた具体的な取組みとして、障害を理由とする差別(「不当な差別的取扱い」と「合理的配慮の不提供」)の禁止を求めています。
行政機関等および民間事業者では、「不当な差別的取扱い」と「合理的配慮の不提供」が禁止されます。
不当な差別的取扱い | 合理的配慮の提供 | |
---|---|---|
国の行政機関・地方公共団体等 民間事業者(社会福祉法人、NPO法人などの非営利事業者も含みます。) |
【禁止】 不当な差別的取り扱いが禁止されます。 | 【法的義務】 障がいのある人から求めがあれば、合理的配慮を行わなければなりません。 |
法改正により、令和6年4月1日から、民間事業者についても合理的配慮の提供が法的義務になります。
(注)雇用分野についての差別の解消の具体的な措置(障害者差別解消法第7条から第12条に該当する部分)に関しては、
「障害者の雇用の促進等に関する法律」の関係規定に委ねることとされています。
障がいがあることのみを理由に、正当な理由なく商品やサービスの提供を拒否したりすることです。
例)
(注)「不当な差別的取扱い」に該当するかどうかは、個々の状況に応じ、事案ごとに判断します。(正当な理由がある場合などは、差別的取扱いには該当しません。)
障がいのある人から何らかの配慮を求める意思の表明があり、それを行うのに過重な負担が生じないにもかかわらず、社会的障壁を取り除くための必要かつ合理的な配慮をしないことです。
例)
(注)「合理的配慮の不提供」に該当するかどうかは、個々の状況に応じ、事案ごとに判断します。(実施に伴う負担が過重である場合などは、合理的配慮の提供義務は生じません。)
障がいのある人の権利擁護や差別解消にかかる相談等に対応するため、常設相談窓口を設置して相談を行うほか、弁護士等による定期相談や専門相談を行います。
(相談内容の具体例)
生命・身体に対する侵害、財産に対する侵害、相続関係、金融・消費・契約関係、雇用・勤務条件関係、職場・施設での人権関係、隣人・知人との人権関係、家族・親族との人権関係、障がい者の差別解消に関すること
市内在住の障がい者及びその家族その他の関係者(差別解消にかかる相談については、市内の会社やお店などの事業者も相談できます)
電話 092-738-0010
FAX 092-791-7687
E-mail shougai110@c-fukushin.or.jp
〒810-0062
福岡市中央区荒戸3丁目3ー39
福岡市市民福祉プラザ4階 福岡市障がい者110番相談室
常駐の相談員による相談
月曜日~金曜日 午前9時から午後5時まで(第2・第4木曜日除く)
第2・第4木曜日 正午から午後8時まで
祝日・年末年始はお休み
留守番電話、ファックスは24時間受付
弁護士による相談(要予約)
第2・第4木曜日 午後1時から午後3時まで(来所のみ)
必要に応じて、弁護士等からなる相談チームを編成し、協議のうえ問題解決に向けた対応を行います(臨時開設)。
その他、市内14ヶ所の各区障がい者基幹相談支援センターでも相談を受け付けています。
区障がい者基幹相談支援センターについては、こちらのページをご覧ください。
福岡市は、障害者差別解消法第10条第1項に基づき、障がいを理由とする差別の解消の推進に関する福岡市職員対応要領を平成
28年4月1日に施行しました。
福岡市では、障がいを理由とする差別をなくし、障がいの有無にかかわらずすべての人が相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現に資することを目的として、「福岡市障がい者差別解消条例(正式名称:福岡市障がいを理由とする差別をなくし障がいのある人もない人も共に生きるまちづくり条例)」を制定し、平成31年1月1日に施行されました。
法改正を踏まえ、条例改正を行いました(令和6年4月1日施行)
障がいがある人たちにやさしいまちは、どんな人にもやさしいまちです。障がいを理由とする差別がなくなるよう、みんなで取り組んでいきましょう。
この条例では、社会的障壁(注1)をなくすために、次の2つのことを「障がいを理由とする差別」であるとしており、誰もが差別をしてはならないことを基本的な考え方としています。
1つ目は、「不当な差別的取扱い」です。障がいがあるという理由だけで、障がいのない人と異なる不利益な取扱いをしてはいけません。たとえば、正当な理由なく、障がいを理由として、サービスや各種機会を提供しない、場所・時間帯などを制限する、障がいのある人だけに条件をつけることなどです。「正当な理由」があるかないかについては、具体的な場面や状況に応じて個別に判断されます。
2つ目は、「合理的配慮をしないこと」です。障がいのある人などから、社会的障壁を取り除いてほしいという求めがあったときは、その時々の状況に応じて、社会的障壁を取り除いたり、そのための努力をしなければいけません。
いずれも、やむを得ず対応できないときは、理由や事情を説明する必要があります。
(注1)社会的障壁:障がいのある人にとって、日常生活や社会生活を送る上で障壁となるような、社会における事物(通行、利用しにくい施設・設備など)、制度(利用しにくい制度など)、慣行(障がいのある人の存在を意識していない慣習・文化など)、観念(障がいのある人への偏見など)その他一切のもの
この条例では、「不当な差別的取扱い」と「合理的配慮の提供」について「福岡市」と「事業者」に対して、次のように定めています。
不当な差別的取扱い | 合理的配慮の提供 | |
---|---|---|
福岡市・事業者 | 禁止(してはならない) | 法的義務(しなくてはならない) |
条例改正により、令和6年4月1日から、民間事業者についても合理的配慮の提供が法的義務になりました。
※雇用分野についての差別の解消の具体的な措置(障害者差別解消法第7条から第12条に該当する部分)に関しては、
「障害者の雇用の促進等に関する法律」の関係規定に委ねることとされています。
「合理的配慮の提供」については、障がいのある人やその家族等から、社会的障壁を取り除くために何らかの対応を必要としているとの意思が伝えられたとき(注1)に、負担が重すぎない範囲で(注2)合理的配慮をすることが求められます。
(注1)意思の表明がない場合も、合理的配慮をする必要があると考えられるときは、適切な配慮を提案するために建設的対話を働きかけるなど、自主的に適切な配慮を行うことが望ましいです。
(注2)負担が重すぎないかどうかは、事業等の規模やその規模から見た負担の程度、財政状況、業務遂行に及ぼす影響などを考慮して判断されます。
障がいを理由とする差別のない社会を実現するには、市民一人ひとりが、差別をなくしていくという気持ちをもって、行動していくことが求められます。
誰もが差別することにより誰かを傷つけることはあってはならないことです。
また、障がいのある人が日常生活で困っているときに、手伝いをすることも合理的配慮のひとつです。
市民一人ひとりが、障がいのある人との交流等を通じ、障がいや障がいのある人への理解を深めることが大切です。
福岡市では、市の職員が講師として地域に伺い、市の取組みや暮らしに役立つ情報などの説明を行っています。
障がい者差別の解消についても、法令の仕組みや考え方をお話しする出前講座を実施しています。
お申込みについての詳細などは、こちらのページをご覧ください。
福岡市障がい者差別解消条例の「不当な差別的取扱い」や「合理的配慮の提供」など条例の考え方等の周知をさらに行うため、障がい当事者団体と協議のうえ動画を作成しました。
詳しくは、以下のリンク先をご覧ください。