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更新日: 2023年10月17日

防火対象物点検報告制度|福岡市消防局






防火対象物点検報告制度

平成13年9月、新宿区歌舞伎町ビル火災が発生し、延べ面積500平方メートル程度の小規模なビルであったにもかかわらず、44名の死者を出しました。これを機に、平成14年4月26日に消防法の一部を改正する法律が公布されました。 この法律の公布に伴い、新しい制度として、防火対象物点検報告制度が平成15年10月1日からスタートしました。 ここでは、その制度の概要をご説明いたします。

なぜ、こうした制度を設けたのか。

新宿区歌舞伎町ビル火災において、防火管理面の不備が被害拡大の要因として指摘されるとともに、全国の類似ビルにおいても防火管理の状況が悪いことが判明しました。

こうした状況を改善するために、防火管理が適正に行われるよう防火対象物の関係者による定期的なチェック体制を確保し、防火管理に関する自主性と実効性を 高めることについて検討がなされました。

その結果、平成14年4月に消防法が改正され、火災発生時の人命危険が高い防火対象物に対して、防火対象物の関係者による防火管理に関するチェック体制が 制度化されました。


1 点検報告の流れ

点検報告の流れを表した図。詳細は次に記載。
  1. (1)点検を必要とする防火対象物から点検依頼をする
  2. (2)防火対象部物点検資格者(火災予防に関する専門知識を有する者で講習を修了した者)が1年ごとに点検をする
  3. (3)点検結果が良好な場合は「防火基準点検済証」を表示する
      (注)防火基準点検済証を表示できる対象物は、防火対象物点検資格者が、防火管理上必要な業務等について点検し、消防法令で定める基準に適合している対象物です。
  4. (4)点検後管理権原者は点検結果の報告を所轄の消防署長にする




防火対象物点検報告書様式はこちら (317kbyte)doc


2 特例認定

特例認定とは?

一定期間継続して消防法令を遵守していると認められた場合、消防機関に申請してその検査を受けることで、点検報告の義務が3年間免除されます。(その旨の表示をすることもできます。)



特例認定の流れを表した図。詳細は次に記載。
  • (1)点検報告の義務がある防火対象物から消防機関へ認定申請をする
  • (2)消防機関は3年間有効の認定をする
      (注)認定を受けた者は点検・報告を免除
  • (3)点検報告の義務がある防火対象物は防火優良認定証を表示できる


認定の要件

消防署長は検査の結果、消防法令の遵守状況が優良な場合、点検報告の義務を免除する防火対象物として認定します。(認定後においても、認定要件を欠く場合が生じたときは、当該認定は取り消されます。)


消防機関は、消防法令に定められている次のような要件に該当するかを検査します。(以下の要件はその一部です。)


  • 管理を開始してから3年以上経過していること。
  • 過去3年以内に消防法令等に違反したことによる命令を受けていないこと。
  • 過去3年以内に防火対象物点検結果報告書による報告が1年ごとに実施されていること。
  • 防火管理者選任届出書及び消防計画作成届出書が届出されていること。
  • 消火訓練及び避難訓練を年2回以上実施し、あらかじめ消防機関に通報していること。
  • 消防用設備等点検結果報告書による報告が実施されていること。


認定の失効


  • 認定を受けてから3年が経過したとき。(※失効前に新たに認定を受けることにより継続できます。)
  • 防火対象物の管理について権原を有する者が変わったとき。



点検項目

点検は、防火対象物の火災の予防に関し専門的知識を有する防火対象物点検資格者が行わなければなりません。

  • 防火対象物点検の資格は、登録講習機関が行う講習を受講し、免状の交付を受けたものに与えられます。
  • 上記の講習を受講するには、防火管理者として3年以上の実務経験を有するなど一定の要件が必要となります。


点検項目の例

点検資格者は、消防法令に定められている次のような項目を点検します。(次に示す点検項目はその一部です。)


  • 防火管理者を選任しているか。
  • 消火・通報・避難訓練を実施しているか。
  • 避難階段・防火戸に避難の障害となる物を置かないなど避難施設等が適切に管理されているか。
  • 防炎物品に防炎性能を有する旨の表示が付けられているか。
  • 防火対象物の用途・規模等に応じて、消防法令の基準による消防用設備等が設置・維持されているか。



点検報告を必要とする防火対象物

表1の用途に使われている部分のある防火対象物では,表2の条件に応じて防火対象物全体で点検報告が必要となります


表1
番号 用途
1-1劇場,映画館,演芸場又は観覧場
1-2公会堂又は集会場
2-1キャバレー,カフェ,ナイトクラブその他これらに類するもの
2-2遊技場又はダンスホール
2-3ファッションマッサージ,テレホンクラブなどの性風俗営業店舗等
2-4カラオケボックスなどの個室遊興店舗
3-1待合,料理店その他これらに類するもの
3-2飲食店
4百貨店,マーケットその他の物品販売業を営む店舗又は展示場
5旅館,ホテル,宿泊所その他これらに類するもの
6-1病院,診療所又は助産所
6-2主として要介護状態にある者又は重度の障害者等が入所する施設、救護施設、乳児院、認知症グループホーム
6-3老人福祉施設,有料老人ホーム(前6-2に該当するものを除く。),障害福祉サービス事業を行う施設等
6-4幼稚園,盲学校,聾学校又は養護学校
7公衆浴場のうち,蒸気浴場,熱気浴場その他これらに類するもの
8複合用途防火対象物のうち,その一部に上の1から7までのいずれかの用途が存するもの
9地下街


表2
防火対象物全体の収容人員 義務となる要件
30人以上300人未満
(表6-2の用途が存するものは10人以上300人未満)
次の1及び2の条件に該当する場合は点検報告が義務となります
1.表1に該当する用途が3階以上の階又は地階に存するもの
2.階段が1つのもの(屋外に設けられる階段等は除く)
300人以上すべて点検報告の義務があります





点検報告を必要とする防火対象物のイメージ

点検報告を必要とする防火対象物のイメージ図1

特定用途に供される部分(【表1】の1から7までのいずれかに該当する用途)が3階及び地階にありますので、点検報告が必要となります。 

点検報告を必要とする防火対象物のイメージ2

階段が2つある場合でも,間仕切り等により1つの階段しか利用できない場合は、点検報告が必要となります。


点検報告を必要としない防火対象物のイメージ

点検報告を必要としない防火対象物のイメージ図

階段が1つしかない場合でも,その階段が屋外に設けられている場合は、点検報告の対象外になります。
収容人員が30人未満の対象物は,点検報告の義務はありません。



防火対象物点検報告制度の特例認定の手続きについて

消防法第8条の2の3に定める「防火対象物の点検及び報告の免除」(以後、「特例認定」といいます。)の手続きは、次のとおりです。

※ ご注意ください
免除されるのは,消防法第8条の2の2に定める「防火対象物の点検と報告」(以後,「定期点検・報告」と言います。)です。
消防法第17条の3の3に定める消防用設備等の点検や報告,消防計画で定めた自主検査や訓練などは免除されませんのでご注意下さい。


特例認定の申請

管轄の消防署(例:中央区に建物がある場合は、中央消防署)に申請書と添付書類を各2部提出してください。受付後に1部をお返しします。
1つの建物に複数の管理権原者がいる場合(消防計画が複数ある場合)には、それぞれの管理権原者ごとに申請を行ってください。(建物ごとの申請ではありま せん。)


特例認定の審査

管轄の消防署で特例を認めるか,認めないか審査します。審査項目のなかに不備となる事項があるときは,特例は認められません。なお,審査では建物にお伺い して調査を行うとともに訓練の検証を行うことがありますので,その際はご協力ください。
申請から回答まで,最長で30日程度お時間をいただく場合があります。


審査結果の通知

検査後,特例を認めるか,認めないかの結果を文書でお知らせします。回答する文書は申請された消防署でお渡しします。
これで特例を認められた場合は,3年間,定期点検・報告が免除されます。しかし,申請の内容に偽りがある場合や消防法令違反による命令を受けた場合など は,特例の認定を取り消します。
なお,特例を認められた場合は,防火優良認定証を表示することができます。
紛らわしい表示、不正な表示をすることは禁じられています。
不正な表示をしたときは、消防署は除去するよう命じます。また、罰則(30万円以下の罰金又は拘留)が科せられます。

※  引き続き特例を受ける場合は,現在の特例認定の期間が満了する前に申請を行うことができます。


申請時に必要な書類

1 申請書

(1)防火対象物点検報告特例申請書

この申請書を提出して下さい。
防火対象物点検報告特例認定様式のダウンロード


2 添付書類

(1)建物登記簿,賃貸契約書又は営業許可所などの写し

申請された所在地及び申請者が管理を開始した日を証明する書類(建物登記簿,賃貸契約書又は営業許可書などの写し)を添付してください。

(2)過去3ヵ年の防火対象物に関する報告書の写し

消防法第8条の2の2第1項(定期点検・報告)の定めに従い,消防署長に防火対象物の点検に関する報告を行っている場合は,その報告書(点検票を含む。)の写し過去3カ年分を添付してください。

(3)特例認定に関する通知書の写し

消防法第8条の2の3第1項(特例認定)の定めに従い,防火対象物点検報告制度の特例認定を受けている場合は,その特例認定に関する消防署長からの通知文の写しを添付してください。

(4)管理権原を明示した消防計画の写し

1つの建物に複数の管理権原(複数の消防計画がある)がある場合は,その管理権原が及ぶ範囲(消防計画を適用する範囲)を明示した消防計画の部分の写しを添付してください。

※ 特例の要件として,複数の管理権原(複数の消防計画がある)がある建物で,そのなかの管理権原者が申請する場合は,その管理権原が及ぶ範囲(その消防計画を適用する範囲)を消防計画に明示する必要があります。

(5)消防計画実施状況に関する報告書

消防計画に定める事項を実施した結果を記載した書類を添付して下さい。(ひな形があります。) ただし,上記2の書類により1年以内の実施状況が確認できるときは,必要ありません。

消防計画実施状況(ひな形)のダウンロード

※  (2)から(5)に関しましては,一定条件のときに提出することになります。
※ 申請書で不明な点は,管轄の消防署にお尋ねください。


審査項目

番号 審査項目 適合内容
1管理権原の期間申請者が申請建物を管理して3年以上経過している。
2命令等の有無申請日から過去3カ年以内に一定の消防法令に関する命令を受けていない。また,命令を受けるような事由が存在していな い。
3特例認定の取消等申請日から過去3カ年以内に消防法第8条の2の3第6項に定める特例認定の取消を受けていない。また,それに該当する事 由が存在しない。
4防火対象物点検報告の未実施等申請日から過去3カ年以内に消防法第8条の2の2の定めに従い定期点検・報告を行っている。また,虚偽の報告を行ってい ない。
5過去3カ年の防火対象物点検報告における点検基準への適合申請日から過去3カ年以内の定期点検・報告の結果が,消防法施行規則第4条の2の6に定める「点検基準」に適合してい る。

(点検基準)
● 防火管理者の選任(解任)届出と消防計画の作成(変更)届出がされている。
● 消防計画で定める事項が実施されている。
・ 自主検査など消防法施行規則第3条第1項に定める事項を実施している。
・ 防火管理の一部委託を消防計画に明示している。
・ 管理権原が分かれている場合のその権原が及ぶ範囲を消防計画に明示している。
・ 消火及び避難訓練を年2回以上実施し,その通報を行っている。
・ その他消防計画に記載する事項を実施している。
● 共同防火管理協議事項が定められ,届出られている。
● 階段など避難上必要な施設等が適正に維持管理されている。
● カーテンなど防炎対象物品が適正に防炎処理され,その表示がされている。
● プロパンガス・圧縮アセチレンガスなどの貯蔵等の届出がされている。
● 消防用設備等が適正に設置・維持されている。(機能面を除く。)
● 消防用設備等の設置を届出し,その検査を受けている。
● 火を使用する設備・器具等が条例の定めに従い,維持管理されている。
● 少量危険物及び指定可燃物が条例の定めに従い,貯蔵等が行われている。
● 条例に定める消防用設備等の維持管理がなされている。
6申請時における点検基準への適合申請時において,上記の点検基準に適合している。
7消防用設備等の維持管理消防用設備等が機能面を含め,適正に維持管理されている。
8消防用設備等の点検・報告実施申請時に消防法第17条の3の3に定める消防用設備等の点検と報告が適正に実施されている。

取消事項


  1. 虚偽の申請など不正な方法で申請を行った場合
  2. 一定の消防法令違反に関する命令を受けた場合、又は、受ける事由が存在することとなった場合
  3. 消防法施行規則第4条の2の6に定める点検基準に適合しなくなった場合
  4. 消防用設備等の維持管理が適正に行われていない場合
  5. 消防用設備等の点検報告が適正に行われない場合