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更新日: 2020年6月10日

市長会見|市長のオフィス

6月9日市長会見

発表内容

  • 高齢者への避難情報提供について(市民局地域防災課) ※配付資料 (426kbyte)pdf
  • 「認知症の人にもやさしいデザインの手引き」の策定について(保健福祉局認知症支援課) ※配付資料 (406kbyte)pdf
  • 自宅で学べるユマニチュード(第2弾)ユマニチュードを動画で学べるアプリ「CareWiz(ケアウィズ)」の配信について(保健福祉局認知症支援課) ※配付資料 (443kbyte)pdf

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発言・質疑要旨

高齢者への避難情報提供について


市長
 どうぞよろしくお願いします。

記者
 幹事社の朝日新聞です。まず、市長のほうから発表案件について、よろしくお願いします。

市長
 はい、分かりました。
 まずは福岡の、新型コロナウイルスの話なんですけれども、連日、陰性、まあ要するに感染者がゼロの状況が続いています。で、緊急事態宣言が明けて、日数がたっているわけなんですけれども、この間ですね、例えば先週の1週間で見ても、地下鉄の乗車率が(正しくは、2月を100とすると)およそ6割というところ、徐々に増えてきて、今6割ということなんですね。また逆に、まだ6割という状況ですから、緊急事態宣言が明けたといっても、まだ多くの市民の皆さんが警戒を大変されているというのが印象であります。
 やはり、常にウイルスは近くに存在をするという意識で、みんなが気を付けながら、徐々にこう、日常に戻っていくというような形ができれば、これは、まさに経済の活動もしていきながら感染対策、それぞれが自覚を持って気を付けることによって、両立できていくのかなという印象を持っております。もちろん、ただ、北九州の状況もありますし、やはり気を抜くとですね、やはり1人でも感染者が入ってくれば、これ広がってしまうということになりますんで、そうした状況は、必ず起きると思います。
 ただ、感染者が出たとしても、そこからさらにこう、ねずみ算式に一気に増えるみたいなことがないように、次に来る波が小さな波になるためにもですね、こうした気持ちの、警戒感というのは、常にどこかで持ちながら日常生活を送っていただければと思います。
 さて、脅威といいますと、新型コロナウイルスだけではなくて、やはり近年、非常にやはり、この7月の時期というのは大雨、こうしたその災害が非常に多くなっていて、特に雨の降り方が非常におかしいという状況が続いています。で、当然、今年も、これから7月がやってくるわけでありますので、雨のほうはコロナの状況なんて関係なしにやってくるわけですから、こちらはこちらで十分備えなければいけない。
 で、福岡市としては、例えば緊急防災メール、こうしたものを使ったりとか、いわゆるLINEのアカウントを使ったりとか、いろんな形で市民の皆さんに最新の情報というものを、警戒してくださいねという情報をお伝えしてきたんですが、一方で、例えば高齢者の方とか、いわゆる、スマホとか、LINE使っていませんとかですね、メールとかホームページにもアクセスがなかなか難しいですという方もいらっしゃると思います。
 そこで、新しいサービスを始めたいと思います。それがこちらです【フリップ1 (195kbyte)】。高齢者の皆さんには、避難情報というものを電話ないしはFAXにてお伝えをしよう。先ほども言いましたが、福岡市は既に防災メールというもの、それからLINEなどのアカウントを使って、プッシュ型で市民の皆さんに情報を発信、送っているわけですけれども、これまでですね、実はこうしたサービスを障がいのある方、具体的にこれいいますとですね、視覚障がいがあったりとか、聴覚障がいがあったりというような方に対して、こうしたサービスを行っていたんですが、これを今回、状況を変えまして、75歳以上の方で、例えばひとり暮らしで同居の家族の方から、そうした情報を聞くことができないとか、もしくはスマホとか、パソコンを不得意でさわれませんとか、そもそもそういうのを持っていませんというような方は、事前に登録をしていただければ、この情報が電話、FAXで届くということになります。
 ぜひですね、そういう方はそもそも、この情報にもしかしたらタッチしていない可能性があるわけですね。私が今日ここで話していることすら、もしかしたら見てない可能性だってあるわけです。今日から「市政だより」のほうも、皆さんのご家庭に配っていますし、さらにこれを見た、お子さんとかね、近所の方とかが、ぜひフォローをしてあげて、そんなことができたらいいなと思っています。あの方はひとり暮らしで、なかなかそういう情報に自分からアクセスすることができないよねとか、もしくは自分の親が75歳以上でひとり暮らしをしていて、しかもスマホとかパソコンとかはなかなか難しいということがあれば、子どもさんが代わりに登録をするとか、そういうことも含めて、しっかり網を張ることができたらなと思っています。
 これはちなみに区役所とか、あと市のホームページとか、またメールでもできます。家族とかも、そういった周りの方からも、ぜひ支えていただければと思います。で、じゃあ、いざ避難となったときに、まさに考えなきゃいけないのが、このコロナの状況での、避難ということになってくると、やはり密を避けなければいけないですよね。それで、福岡市では「避難所運営対応マニュアル」というものを、これを見直しました。それで、通常よりもですね、まあ大きいのは、通常、体育館とか公民館を開けるじゃないですか。体育館だけじゃなくて、密を避けていくために、早い段階から教室などの開放をして、それで避難をされた方がですね、密にならないような状況をつくったりとか、体育館等であっても、いわゆるゾーニングというものをして、人と人同士があまり近くならないようにとか、こういうような、その新たな対応をまとめたマニュアルをつくりました。
 で、ぜひ、こうしたものも使って、我々も備えていきたいと思いますし、また、避難については皆さんにもお願いがございます。それは避難所に向かうとき、例えば水とか食料とか、あと、その自分で使う用のマスクとか、消毒液とか体温計、ビニールの手袋とか、スリッパとかね、こういうようなものについてはですね、ぜひご自身で普段からいつでも持ち出せるように、準備をしておいていただきたいと思います。
 やはり、災害についてでいうと、やはり山とかですね、いつも雨が、大雨が降ると警戒のエリアに入る所だとか、崖の近くだとかいう、もうご自身で分かっていると思いますんで、そういう皆さんは、こうした災害の避難を必要ということになれば、すぐにそうしたものを持って、自分のものを持ってですね、出ることができるような対策というものを、今のうちからしておいていただければと思っています。
 いずれにいたしましても、これから雨が多くなる季節でありますので、ぜひ皆さんとこのあたりは十分に注意をしながら、そしてまた、災害がそもそもないことを願いたいと思います。


「認知症の人にもやさしいデザインの手引き」の策定について


 さて、変わってはですね、認知症の方のお話です。今、高齢化というものが進んできている中で、認知症の方の数というものは、これは5年後には今から1万1,000人およそ増えて、およそ4万7,000人になるということが、これ見込まれるわけです。で、こうした中で、福岡市としては「福岡100」の中のプロジェクトとして、「認知症フレンドリーシティ」。このプロジェクトを進めてまいりました。
 で、今回、その「認知症フレンドリーシティ」の取り組みの中で二つ、新しい取り組みを始めたいと思っています【フリップ2 (216kbyte)】。
 まず、一つ目なんですけれども、それは認知症の方が生活しやすい住環境についてまとめた「認知症の人にもやさしいデザインの手引き」というものをつくりました。で、これは今、お手元にあると思いますけれども、これですね、この手引きをつくりました。これね、ぜひ見ていただきたい、たぶん全国的にも自治体でこういうものをつくっているところは、たぶんほかにもないと思います。
 これをぜひ、参考にいただきたいんですけれども、どういうことかというと、例えばなんですけれども、例えばですね、これ実際に、もう今、福岡市の堤という所の堤公民館に導入しているんですが、こちらの改善前の図を見ていただきたいんですが【フリップ3 (140kbyte)】、これだとですね、認知症の方からすると、どこに扉があって、どこがトイレで、どこが給湯室でというところが、実は判別がしにくいんですね。例えば認知症の方というのは、視界がこう、狭くなってしまうというようなこともあったりとか、やはり色についてはコントラストをつけていかないと、その違いが分かりにくいということ。
 それから、分かりやすいピクトグラムなどをつけて、ここが自分の行くトイレですよということが分からないといけない。で、そうしたものを今回この、いわゆるデザインの手引き、こうしたものを参考にして改善をしたら、こちらの右側ですね、こちらのような図になるわけですね。
 このように、認知症の方もすぐにこう、認知ができる。ここがトイレなんだ、ここがここなんだというね、ここが男性用だ、ここ女性用だとか、ここはみんなのトイレだということが、理解できるようにする。こんなデザインの手引きというものを今回つくったわけであります。これから、やはり高齢者の方、増えてくる。高齢化と、まあ進むということは、イコールやはり認知症の方も増えてくるわけで、そうした認知症になったとしても、安心して住み続けられる地域づくりのためにもですね、ぜひ、これからこれは公共施設だけではなくて、民間の施設とか、もしくはご自宅も含めてですね、こういうような工夫を取り入れるというのは非常に力になるんじゃないかと思いますので、ぜひ、ご活用いただければと思います。
 で、これはちなみに、ブックの形もあるんですが、Kindleでもダウンロードできます。それ無料でダウンロード、こちらのほうはできるんで、ぜひ、ご利用いただければと思います。

自宅で学べるユマニチュード(第2弾)ユマニチュードを動画で学べるアプリ「CareWiz(ケアウィズ)」の配信について

 それから、二つ目なんですが、これはスマホで、その「ユマニチュード」、動画で学ぶことができるというような、新しいアプリをスタートしたというようなお話です。
 まあ、スタートしたというか「CareWiz(ケアウィズ)」というアプリなんですけれども、これは、もう皆さん、福岡の方はご存じ、ずいぶん、そのユマニチュード、最初はね、知っている人ほとんどいなかったんですけど、ずいぶん多くの方が知っていただけるようになったと思います。認知症の方に対するケア技法の一つでして、医療行為じゃないんですね。認知症の方に思いを届けるときに、その届け方というものが実はあるんですよというものということは、ご紹介しました。
 で、福岡市では、いろんな公民館とかに出前講座をしたりとか、こういうことがね、あるんですよというね、講座をしてきたんですけれども、今はこういう状況で、なかなか人が集まることがなかなか難しいような状況もあったり、特に高齢者を介護されている方にとっては、あまり、やはりそういう場所に行くのはちゅうちょされるという方も多いと思いますんで、今回ご紹介したいのがこのアプリであります。
 動画で学ぶことができます。日常の介護で困る場面ごとに、動画がまとめてあります。現在14本の動画が入っていると聞いておりますけれども、それから、福岡市の認知症の人や家族を支える施設、それからサービスについて、これ、AIで答えるという、そんなサービスも付いているということでございますので、ぜひ、公認インストラクターがしっかりと付いて、つくっているものですので、参考にされてはいかがかと思います。
 それから、介護の実際の困り事、個別の困り事っていうことについて、そのインストラクターが個別に電話で相談に応じるということも、サービスもやっていますので、これはエクサウィザーズ、このサービスを全国に広めていきたい。7月いっぱいは無料ということですので、ぜひ介護の方は、お役立ていただければと思います。私からは以上です。


質疑要旨

記者
 ありがとうございました。まず、発表案件についての質問を受けたいと思いますが、まず、幹事社からよろしいでしょうか。

市長
 はい。

記者
 最初に発表された、高齢者への避難情報の提供についてですけれども、これ、もともと、障がいを持つ方から、今回、拡大をされたということなんですが、去年の6月から、この運用をまず、そもそも開始していまして、そのあと、なんというか、拡大にあたっての経緯として、やはりその75歳以上の人で、自分はスマホを持っていないんだけど、どうしたらいいんだとか、そういう声が市に寄せられたりとか、もしくは拡大されるにあたっての何かこう、理由がこの1年間あったのかというのをちょっと聞かせていただけたらと思います。

市長
 分かりました。今、福岡市では、さまざまな部分でICTを活用しています。で、これによって、欲しい情報を欲しい人に届ける。しかもプッシュ型で、ダイレクトに届けることができるというサービスをたくさん行っているわけですね。それはもちろん、別にこれはもう、日本中全てそうですけれども、デバイスが変わった。要するにスマホをみんな手で持つようになったと、普段から。
 だから、その人にプッシュで届けるようなことができるようになって、必要な人に必要な情報を、行政情報もどんどん送れるようになったんですね。だから月に2回、じゃあ「市政だより」が来るのを待たなくても、いろんな情報ってもう取れるわけですね。一方で、そうした福岡市が進めていく、こういう便利な市民サービスから一部、やはりこれを利用できないという方もいらっしゃるわけですね。それが、やはり高齢者の方を中心として、スマホやパソコンを使えないという方です。
 で、やはり、今、災害というものが非常に甚大化をしてきているという中で、やはり早めに、その情報をお伝えをして、避難行動に移っていただく。こうしたことが、やはり被害を未然に防ぐ方法として大事だ。そこで力を入れてきているわけですけれども、一部やはりスマホなど使えない、その高齢者、しかも単身であれば、ほかの同居人からの情報を得ることもできないということですから、こういう人には直接、もうプッシュ型で従来のやり方で、いわゆる電話、FAXという、かなりアナログですけれども、こうしたやり方で個別にお伝えをいただくことによってですね、福岡市として、こうした未然に被害を予防する行動の網の目をさらに、しっかりと張って、こぼれ落ちる人がないようにしていきたいということが狙いであります。
 ですから、去年も含めて、LINEで例えばその災害のいろいろな情報をピンポイントで、エリアごとに送るということまで今できるようになっているわけですね。ただ、そうしたことを、する中で、やはり使えないという声がありましたので、今回、障がいのある方だけではなくて、75歳以上の、そうした情報というところから、なかなかそれを得ることができない人へのサービスを拡大をしたという経緯でございます。

記者
 ありがとうございます。では、発表案件について質問ありましたら、どうぞ。

記者
 NHK、金子です。

市長
 はい。

記者
 今の点で、追加でよろしくお願いします。これ、運営に関してなんですけれども、避難情報ということで、どこまで具体的な情報を今、出す予定であるのか、お届けする予定であるのか、そのあたり整理はいかがでしょうか。

市長
 はい、分かりました。じゃあ、担当から答えます。

事務局(市民局)
 はい。事前に、気象情報の変化で、われわれのほうで避難発令を行う最たるものとして、洪水、土砂災害がございます。で、洪水、土砂災害の例で申します。音声またはFAXで、こういった文書が流れるんですが、「こちらは福岡市です。山が崩れる可能性が高まっていることから、お住まいの地域に避難勧告を発令しました。避難可能な間に、直ちに避難を開始してください」というようなメッセージをお送りいたします。

記者
 気象情報、避難勧告とか、まあ、そういったものを含めて出るということだったんですけど、例えば「どこそこの避難所に避難してください」とまでは言わないんですか。そういうのはケース・バイ・ケースのこともあるとは思いますが。

事務局
 すみません、その次に「最寄りの避難所はここ、ここです」というふうには言います。はい、失礼しました。

記者
 ありがとうございます。

記者
 すみませんKBCの児玉と申します。

市長
 はい。

記者
 関連してですね、すみません。情報は避難勧告から発信されるということですか、レベル4で。避難勧告からになるということでしょうか。

事務局(市民局)
 はい。

市長
 はい、どうぞ。

事務局
 避難勧告の前に「避難準備・高齢者等避難開始」という発令がございます。で、その段階からプッシュでお送りします。

記者
 レベル3からでしょうか。

事務局
 3からです、はい。

記者
 わかりました、ありがとうございます。

市長
 はい、どうぞ。

記者
 読売新聞です。避難所に移るにあたって、今はこのコロナの状況でというのを先ほど、市長おっしゃいましたけれど、このマニュアルをつくるにあたって、例えばそのコロナの状況で、今、避難所で足りていないところ、課題というのがもし見えていて、整理をしていたら、ちょっと教えてください。

市長
 はい。避難所というのは、多くの人が集まってくる場所になりますので、一言でいうと密になってしまうと。ですから、このコロナ×避難所となったときに、やはりソーシャル・ディスタンスをどう取っていくかというところが課題になるわけですね。
 ですから、今回の見直しの中では、やはりそこを一番重視をしています。ですから、1人4平方メートルですね、の避難スペースを確保するということで、先ほど言いましたとおり、要するに、例えばそのゾーニングっていう、テープを床に貼るような形で、ゾーニングをして一人一人のそのエリアというのを確定をしていくというかですね、距離をとっていくということとか、それから早い段階で教室なども使っていって、密を避けていくということ、それから、できるだけ共用のもの、一緒に使うものを少なくするということですね。
 どうしても、やはり避難所になると、みんなで共用のものを使っていくんですが、ですので、これからは先ほど言ったような、体温計とか、消毒液とか、手袋とか、スリッパとか、こうしたものはできるだけ共用のものを使わずに、それぞれで普段から、要するに準備をしておいて、万が一があったら、それを持ってすぐに逃げることができるような態勢をぜひつくっていただきたいということであります。

記者
 すみません、ちょっと追加でよろしいでしょうか。
 今ちょっと、避難情報提供についてなんですが、このタイミングで、こういうふうな対象者を拡充した理由の一つに、例えばそのコロナで、今、外出をいまだに、まあちょっと警戒しているという方もたぶんいらっしゃって、なかなか前より、たぶん災害が起きてもですね、いや、行っていいのかなと、コロナにかかるかもしれないみたいな、そういう心配をされる方もいらっしゃると思うんで、なんかそういうことも、やっぱりその念頭に、だけど、やっぱり災害時はぜひ避難をしてほしいということを強調するために、なんというか、この時期にされたということもあるんでしょうか。

市長
 もともとの動機はですね、というよりも、まあ要するに、ここまで市民の皆さんが戻りがゆっくりというか、外出をされる方がやっぱりペースがちょっと遅いなという、思ったより遅かったということは最近になって分かったことなんで、これを準備をそもそも始めたときというのは、要するにソーシャル・ディスタンスをどう取っていくのか、避難所みたいな密にならざるを得ないような場所をどう、安全を確保しながら、安全に皆さんを避難をしたあとも安全に過ごしていただけるかということを、まずは念頭において考えたんですが、今おっしゃったとおり、そういう安心面というのがあればですね、より一層、じゃあ、そういう避難所に行っても、ぐちゃぐちゃの中でね、皆さんがこう、ごちゃまぜになるようなイメージで、感染が心配だなと思っている方も少しでも安心感を持っていただければ、それはそれでありがたいなと思います。

記者
 すみません、避難所の質問で追加なんですけれども、新型インフルエンザとか、ノロウイルスとか、要は、避難したときに感染が広がったというケースが過去にもあったんですけれども、その避難所での医療体制、その辺については今、福岡市はどれぐらい準備ができているかとか、どういうふうにお考えなのか、ちょっと教えていただければと。

市長
 やはり、たくさんの人が集まって生活をする、その中に感染症の方がいらっしゃれば、これはコロナだけはなくて、インフルを含めてですね、それは当然、感染リスクは必ずあると思いますので、やはり、たくさんの人が集まる場所で、普段から気を付けていることは最低限、気を付けていく。ですから、当然マスクだとかですね、それから検温とか、こういうようなものはしっかり徹底をしていきたい。
 ただ、コロナに関しては、検温をしてもその時点でちょっと分かりにくいというところがあるので、今年は特に、気を付けなければいけないと思っていますが、通常の感染症の場合はすぐに熱が出たりという症状が発症するので、検温だとか、そういったところで気を付けていくと。
 それから、そもそも避難所というのは、たくさんの人が集まって、衛生環境ってすごく大事になってくるんですね。だから、福岡市の場合は、保健師を派遣をして、そのトイレだとか、その公衆衛生に関わる部分に関しては、しっかりチェックをしていますし、また、避難所運営について、これは「あん・あん塾」というですね、これは安全・安心について学ぶ皆さん、防災士の資格を持っているんですが、こういう皆さんにも公衆衛生についても学んでいただいているので、そうしたことで、いわゆる感染症対策というところについても、まあ、これは以前からも検討している内容であります。

記者
 すみません、読売新聞ですけれども。

市長
 はい。

記者
 この「デザインの手引き」のことなんですけれども、改めて、どういった方に、活用してもらいたいかということをお伺いしたいんですが。

市長
 はい、分かりました。この「認知症の人にもやさしいデザインの手引き」ということなんですが、これまで、要するにユニバーサルデザインですね、例えば障がいのある方もない人もということで、こうしたまちづくりとか、もしくは施設をつくるときのガイドラインというものはつくっていたんですが、まだ認知症という部分については、まだまだ、その意識が強くいっている自治体も少ない、もしくは民間の方にしても、そうした対応はしっかり取りたいんだけれど、どうしていいかというのがなかなか見えにくいという方って、多いわけですね。
 ですから、福岡市としては「認知症フレンドリーシティ」で、ずいぶんこの間、認知症の関係者の皆さんと取り組みを進めてくる中で、これから公共施設をつくっていくとき、それから民間の施設を新たにつくっていくとき、もしくは改装・改築するとき、ならびに民間の、いわゆるその自宅を改装するとき、認知症の高齢者の皆さんと一緒に暮らすことが想定される方の場合ですね、というのは、こういった部分というのを注意することによって、これから同居の方とか、もしくは利用者が認知症の方であっても、安心して皆さんが過ごしていただける環境づくりというところに、このガイドラインをぜひ利用していただければと思います。

記者
 ありがとうございます。

記者
 すみません、関連で、毎日新聞ですけど、関連で、市の施設に関して、今後、堤公民館ではもう既に、いろいろ導入されているということですけれど、なんかこう、導入していきたいかというようなところを。

市長
 そうですね、これから、そのユニバーサルデザインの考え方を含めて、こうした認知症というような部分の考え方、これは改修に合わせてですね、これから例えば公民館を改修しますとか、新しい何かをつくりますというときは、こうしたガイドラインを基にして、つくっていくことになります。

記者
 それでは、発表案件についてはよろしいですかね。では、発表案件以外のなんか質問がありましたらお願いします。

市長
 はい。

記者
 NHK、金子です。

市長
 はい。

記者
 北九州市の感染に関してです。北九州市、数的には少しこう、落ち着いているように、見えるんですけれども、福岡市がゼロの状況が続いているということを併せて見たときに、例えば北九州市内で、こう収まっているやに見えるんですが、そのあたり、市長、分析等はいかがでしょうか。

市長
 難しいですね、これって、誰にも分からないというところがあって、まあ、ただ、福岡市は最初の第1波のときに、まあ、いわゆるその無症状の人まで含めて、全部つかまえてきたので、やっぱり第1波のときは、福岡市のほうが人数が非常に多く出てきたわけですね。そのときに、北九州は逆にゼロの状況がずっと続いていたということですから、そういう意味でいくと、あれが2波なのか、それとも1波の残り火がまた大きくなってしまったのかというところは、これは、まあ本当に、たぶん専門家の方も聞いても、本当に追いかけて、どこで感染したかなんていうの分からないと思うんですね。
 ただ、いずれにしても北九州のほうの数が少なくなってきているということは、本当にうれしいことでありますし、ぜひやっぱり、全国ニュースで、やっぱり北九州という所がいっぱい取り上げられるというのは、それは北九州のね、方も見ていてすごく悔しい思いをね、されていると思うんで、とにかく早く感染者がゼロになってね、北九州の方もまたゆっくり、日常をぜひ取り戻していけるように。
 これはもちろん、人ごとということだけではなくて、これはもう明日はわが身で、常にやっぱりみんな、どの自治体も、それから各個人も、みんなで気を付けていかなければいけない。で、やっぱりもう、ゼロか100かではなくて、常に気を付けながらも経済活動、日常生活をまた送っていくという形でいかないと、いずれにしてもワクチンもできていない、薬もできていない中で、ずっと1年も2年も巣ごもりするわけにもいかないので、気を付けながら、でも、やっぱり感染者出るかもしれないけれども、出て、これでもう一喜一憂するのではなくて、常にね、そこが大きな波にならないように、大きな波にしないためには、日頃からやっぱり皆さんが気を付けておくということが、これが最小の感染者数で抑えられる大事なポイントだと思います。
 また、内容についても、数に一喜一憂じゃなくて、われわれも結構みんな学んできたと思うんですね。これが新規感染者なのか、それとも病院のクラスターをだんだんこう、今つぶし、どんどん、どんどん見つけていって、つぶしていっているのかというようなこともありますんでね、そういうようなものもしっかり見極めながら、冷静にこれからも、付き合い続けていくというようなスタンスで、みんな常に気を付けながらということが大事かなと思います。

記者
 すみません、読売新聞、池園です。来週から、また議会が始まると思うんですけど、昨日、議案のレクチャーが、記者やマスコミ向けにありましたけれども、内容としては、その「withコロナ」というような、なんか、これからの日常生活、戻していくというようなところにも結構、力も入れておられるのかなと思ったんですけれども、今回の提案議案の中で、その市長のお考えとしては、第2波への備えとか、どういうところに重きを置いて施策をうたれているのかっていうところを、ちょっとお尋ねしたいんですけれども。

市長
 まあね、一応、皆さんにはお伝えはしたんですけど、厳密にはやはり議会で提案をして、それで、お答えをするというのがメインになるので、そちらのほうでしっかりお答えするんですが、ただ、例えば今回、スポーツ大会の代替については、これは支援をしますよというものも打ち出し、中に入っているんですね。
 やはり感染対策が第一、人の命が一番大事ということは、もちろん前提にあるんですが、ただ、やっぱり一生懸命、子どもたちが一度しかない青春の中で、スポーツに打ち込んできて、その大会が、例えば甲子園もそうだし、もちろん野球以外のスポーツだって、一生懸命小さい頃から練習をしてきて、最後のその大会になる人たちもいるわけですね。それが早々に、その要するに、もうないというような形になってしまったら、やっぱり、そこで失うもの、気持ち、モチベーション、それから、いろんなものがやっぱり、それでなくてもね、コロナという中で、大変な中で、で、プロ野球は開幕するのに、なぜ子どもたちのスポーツは開幕できないのかというような単純な、純粋な、やっぱり疑問もあるしね。
 そういう中で、そんな中でもやっぱり安全対策を取りながら、大会を開催していただけるというような形があれば、それは行政としても安全対策費として、それから開催に係る経費として支援をしていきたいと思いますし、というようなものも今回、含まれているということで、たぶん、これ1回1波が来て、そして終わりではなくて、当然備えておかなければいけない、考えておかなければいけないことというのは、コロナだけで見ても、これからもまだたぶん、まあ何となく今、暖かくなっているというのもあって、ウイルスの動きも少しこう、沈静化してきているのかなと思いますけれども、これから、やはり寒くなってくる時期には、また増えてくるということも十分想定しておかなければいけないし、また、この7月に災害というものが大きく来ないとも言い切れないという中で、いろんなことを想定しながら、やっぱりお金の使い方ということもね、やっていかなくちゃいけない中で、今回コロナに関することも含めた補正予算を組んでおりますので、まあ来週ですけれども、しっかり議論をしていきたいと思います。

記者
 すみません、朝日新聞ですけれども、先週、発表されたオンライン授業、段階的に始まりました。で、結構、オンライン授業って、私立ではかなりもう進んでいると思うんですが、やっぱり市立の学校で、もう順次こうやってやっていくというのは、かなり大きな取り組みなのかなと思うんですが、まあ先週から始められて、市長も実際にご覧になりましたし、今のところ、小学校では半分ぐらいが、先週の時点ではですね、希望すると、オンライン授業を希望する学校としてあがっていましたが、その辺のちょっと受け止めと、これからのちょっと、まあ、いろいろ課題、やっていくうちに課題もたぶんいろいろ出てくると思うんですが、そのあたりをちょっと改めて聞かせていただけますか。

市長
 はい。すごくね、このオンライン授業というところの可能性は、私はもうすごく感じていますし、これから例えば、考えたくもないんですけれども、仮にまた学校を休校せざるを得ないみたいな状況になったとしても、いわゆる今日ね、どこかの新聞が中継という表現を使っていましたけど、まさに授業の様子を中継してリアルに見られる。そして、いつもの先生と、いつもの友達の声が聞こえるという中で、授業を見ることができるというようなことは、これは仮に、やっぱり基礎疾患があったり、で、もしくは家族にどうしてもね、すごく肺に疾患があって、もう絶対うつったら、もう命に関わるというようなことで、やっぱり子どもを学校に行かせることができないというような、そういう子が、やっぱり分散登校の間にも結構いたわけですね。
 これが実際の全面的な学校が再開になっても、やはりまだ休む子がいたんで、そういう子たちの学びの保障という点でも、これは授業を続けることができるというのは、非常に大きな力になると思うし、また全員、もし学校来られなくても、先生が授業するのをまさに中継をすれば、学びを止めずにすることができるわけですね。
 本来、福岡市としては、これは皆さんにタブレットを行き渡ってからと考えていたんですけれども、これが先週お話をしたとおり、中学3年生が9月、そして、それ以外の皆さんには12月にはタブレット、前倒しして渡せることになりました。
 そうなると、全ての皆さんが参加できます。で、今の現段階においては、学校を実際に、もう来られなかった子どもたちが各学校どれぐらいいて、で、その中でもさらに、じゃあオンラインの授業をしようとしても、家にタブレットとか、パソコンがないとか、それからWi-Fiみたいな通信環境がないというご家庭もあるわけですね。そうした数を調べたところ、現在、教育委員会がかき集めてきた、そのタブレット、これは通信機能付きです。
 LTEが付いているので、こうしたもので対応できるという人の数よりも、持っているタブレットの数のほうがまだ余裕があったので、そういう方には皆さんにお渡しをして、できる限り、もちろん自分に、ご家庭に環境がある人は、9月ないしは12月までの間は、できるだけ自分の家庭の環境のを使っていただいて、どうしても家に、そういったネット環境がないような子どもたちには、教育委員会のほうから、それを貸し出しをして、家庭で学習をしてもらうということで、今回、今、続けているわけですね。
 ですから、日々、オンライン授業をしている日、数は毎日変わっています。親の希望とか、子どもの状況とかによって、多い日、少ない日、実際にやってみるとですね、子どもたちが休み時間にこう、カメラに向かって話すわけですね。そうすると、やっぱりこう、みんなの顔を見ていると、やっぱ学校行きたいなというようなことで、もうやっぱり学校通わせることになったとかですね、そういうような、もしくはみんなの様子を見て、安心をして、それだったら自分も学校行きたいというような声が、教育委員会に寄せられたと聞いています。
 ですから、現時点においても、これは全ての本当に来られない子どもたちについてはですね、今、対応できる能力は、まだ今のところはあると思っていますけれども、さらにこれがタブレットをみんなに配るようになった今年中には、いろんな学校でね、コロナだけじゃない、これはインフルエンザで休校になることだってあるでしょうし、いろんなときに、これは対応が今後できるんじゃないかなと思って、非常に期待をしています。
 で、改善点とかというところは、もちろんあると思うんですね。やりながら、それは修正をしていけばいいのかなと思いますし、また皆さんにタブレットを配るときには、アプリも、これ入ることになりますんで、アプリが入って、要するに学習サポートのアプリ、民間のそうしたものも福岡市として使っていきますので、そうするとさらにオンラインを使った独自の、ただ中継をするということだけではない、独自の学びということもそこでできてくるのかなと思っていますので、予習・復習含めて、学習環境というのは強化されてくると思います。

記者
 すみません、TVQの白石と申します。

市長
 はい。

記者
 先ほどの避難マニュアルの件でですね、LGBTの当事者の方への配慮といいますか、そこら辺の話というのは、何かありますでしょうか。

市長
 まあ、お手洗いのことについてだとか、そういう、いわゆる、その性差によって区別されている部分についての対応が中心になると思います。で、当然、今までこのLGBTの方が、じゃあ、外見の部分の違いによってですね、外形的に男性と見えれば、男性のほうを必ず使ってほしいというようなことがあってきたと思います。
 これは避難所だけの問題ではなくて、福岡市全てで、今LGBTについては理解を深めていく。例えば先ほどの公民館であれば、例えばこれ見て分かるとおり、これ男子トイレ、女性トイレ、そしてみんなのトイレというふうに、今、避難所となる公民館についても、こういった、書き方をして、その避難所だからということだけではなくて、あらゆる場面において福岡市としては、そのLGBTの方にも配慮をしたつくり方というのを今しているところであります。

記者
 よろしいですか。ありがとうございました。

市長
 はい、ありがとうございました。

※発言・質疑内容について、できるだけ忠実に作成しております。