応募を検討されている方に屋台営業をイメージしていただけるように、第4回公募で営業を開始した「屋台のたまちゃん」の鳥巣さん(新長浜移動飲食業組合組合長)にお話を伺いました!(令和6年5月取材)
屋台を始めた理由は大きく3つあります。1つ目は、とりあえず新しいことがやりたかったこと、2つ目は、観光業をやりたかったこと、3つ目は、長浜を屋台で盛り上げたかったことです。長浜で長く飲食業を営んでいたので、長浜で、屋台を通して地域に貢献し福岡市を盛り上げたいと思っています。
まず屋台にしっかり行ったことがなかったので、何軒か屋台を勉強しに行き、その中で目指すべき屋台、屋台の方向性を決めました。
①観光業とした博多を代表する屋台
②そのためにラーメン、焼き鳥、おでんのクオリティを追求していく
③長浜の地域が観光地としても賑わう
④その先にラーメン居酒屋として店舗を
簡単に言うとこんな感じのシナリオ。
その後は、メニューを決めて、屋台の本体を作って、申請をやっていく流れです。
好きで始めたことですし、新しいチャレンジだったので、大変というか楽しくやらせていただきました。こうしておけばよかったなと思うのは、屋台本体の確保と保管場所の確保を段取りよく、しっかり考えておけばよかったことです。屋台営業で苦労することの1つは、準備片付けのストレスです。ここをいかに簡略化、低予算で出来るかは大変重要なことです。
費用は1軒あたり約280万円くらいです。
内訳としては、屋台作成180万円、屋台を積んで移動させるための車50万円、その他備品20万円、駐車場・保険・使用料など30万円です。
屋台本体を置いておける駐車場を見つけるのは本当に大変です。私の場合は、車に積み込みができる形状の屋台にしました。
店舗と比べてかなり経費は抑えれるので、飲食業を始めたい方にはかなりおすすめです。
午後1時から屋台の提供商品の準備を始め、午後5時から屋台設置、設営、開店準備を行います。午後6時30分には、営業を開始し、午前0時に営業終了。午前2時頃まで撤収作業をし。帰宅するのは、午前3時頃になります。
主な固定経費は、屋台駐車場17,600円、道路占用料28,512円、設備使用料3,200円、機材のリース料52,000円、保険料15,060円などがあげられます。
家賃の代わりに道路占用料がかかりますし、営業の準備には車を使用しているので、駐車場代がかかります。店舗も経営していますが、光熱費の違いが大きいと思います。特に電気代は店舗用のような大きな電力を使用する契約ではないので、低く抑えられます。
とにかく初期投資もランニングコストも、店舗を構えるより格段に安いところです。デメリットは準備片付けの大変さです。
屋台はお客さんとの距離が近く、多くの出会いがあります。福岡市にお住まいの方だけでなく、観光で県外や海外から来てくださる方もいます。屋台のわいわいした雰囲気の中で、お客さん同士も含め、すぐ仲良くなれるところが魅力だと思います。
営業者本人が出なくてはいけないルールがあり、他の人に任せられないので、体調管理には気を遣います。また、天候に営業が左右されるところも大変な要素です。あと、毎日の準備片付けは大変です。
体感的にラーメンを出してる屋台って意外と少なくて、料理の種類も多種多様で、色々なコンセプトの屋台が出てきている印象です。屋台に遊びにいってみると面白いと思いますよ。また、店舗とは違う屋台の繁忙期があったり、雨の日も意外とお客さんが多かったりと、営業していると色々な気づきがあります。
福岡には屋台文化があるので、県外に発信する時に恥ずかしくない営業をしたいと思っています。やるからには『長浜に「たまちゃん」あり』と、ひとりでも多くの人に言ってもらえる営業をやりたいと思っています。
損得勘定だけではなく、博多の屋台文化のブランドイメージの向上、おもてなしの心を待って、楽しく経営していただきたいです。
大変ですが、とてもやりがいのある仕事だと思います。一緒に屋台で福岡の街を盛り上げて行きましょう。
情報交換の場として活用されている営業者の方が多いと思います。屋台をやっているもの同士、ライバルでもあり仲間でもありますので、お互い情報を交換し合って頑張っています。
相談できる相手がいることは、大きな支えになります。お互いの内情を知った屋台営業者同士のつながりができることは大きいと思います。