現在位置:福岡市ホームから公募屋台営業者の声(Telas & mico)
更新日: 2022年8月15日

公募屋台営業者の声(Telas & mico)

応募を検討されている方に屋台営業をイメージしていただけるように、第1回公募で営業開始した「Telas & mico」の久保田さんにお話をお伺いしました!(令和4年8月取材)


久保田さんの上半身写真

1 屋台公募に応募したきっかけを教えてください。

昔から、誰もやったことがないことに興味がありました。

私は第1回公募で屋台を始めたのですが、公募が初めて実施されると知ったとき、「仮に自分がやるんだったら・・・」というのを想像してしまいました。
公募で新しい屋台を開くなんて誰もやったことがないですし、自分が想像していることをほかの人に先にされるよりは、自分でしてみようと思い、応募しました。


2 合格して営業を開始するまで、どのような準備をしたのか教えてください。

まずは事業計画をブラッシュアップさせました。
また、借り入れによる資金繰りを想定していましたので、手続きに着手しました。

借り入れの目処が立ったところで、施工業者さんやデザイン、アドバイザーなどを交えて屋台制作チームを結成し、一つ一つの問題解決をチームで乗り越えて行きました。


3 準備を進める上で大変だったことや、こうしておけば良かったと思うことなどを教えてください。

本心から思うことは、準備の全てが大変だったということです。

屋台は、通常の飲食業とは別物と考えた方が良いと思います。私の場合は、飲食店、飲食業のキャリアを積んでいましたが、オープン当時は、事前に屋台営業体験をしておくべきだったなと思いました。


4 営業開始のために、どの程度の経費がかかりましたか。店舗と比べてどうでしょうか。

屋台製作費、諸経費、運転資金などで600万円ほど準備しました。

この金額でも、新規の従来型店舗よりは若干割安だと思いますが、製作費を抑えればさらに低い金額で営業を始められると思います。


5 営業日の1日の動き(スケジュール)を教えてください。

午後1時 屋台の提供商品の準備 → 午後4時30分 車に積載 → 午後4時50分 屋台牽引 → 午後5時 屋台設置、設営、開店準備 → 午後6時45分営業開始 → 午前0時営業終了 → 午前0時50分 撤収 → 午前0時55分 屋台牽引 → 午前1時10分 仕込み場所での食品の保管 → 午前1時30分 帰宅


6 固定経費は月にどのくらいかかりますか。(道路占用料、設備使用料、使用料、屋台駐車場代、器材駐車場代、仕込み場)

屋台により事情が違うので参考までですが、仕込み場9万円、屋台駐車場3.5万円にその他の経費を加えると、合計で約15万円程だと思います。


7 屋台特有の経費や、店舗とは金額が大きく違う経費はありますか。

従来型店舗と比べて家賃ががかなり抑えられると思います。
また、電気関係ではアンペアー数が限られているのと、夜のみの営業しかできないため、必然的に電気代もさほどかかりません。

しかし、屋台の駐車場代が意外に高い場合がありますので、その辺りは考えた方が良いと思います。


8 「屋台」という業態の、経営上のメリットやデメリットを教えてください。

従来型店舗の飲食店は無数にありますので、否が応でも同業者との競い合いになり、同じジャンルで埋もれてしまいますが、屋台の場合はまだまだ選択肢があると思います。まだ屋台にない料理ジャンルがたくさんありますし、同じジャンルがあっても1軒ぐらいだったりします。

そういった面では、飲食店を経営したことがない人にとって屋台はチャンスだと思います。
設備も最初に作ってしまえば、店舗より経費が掛かりませんし、屋台内が狭いこともあって、人員がそんなに雇えず、人件費もそこまで掛かりません。

また、観光資源であるので、取材の依頼などがあり、広告宣伝費が掛からない点も大きいです。


久保田さんの屋台の外観写真

9 屋台の魅力・やりがいを教えてください。

屋台というだけでいろんな人から注目されるので、人の縁が増えるところが良かったです。

私は以前から飲食店を経営していて、比較的人との関わりが多い店だと思っていましたが、屋台は人と関わる機会が2倍くらい多く感じます。一般のお客さんに限らず、催事をされている方から県外の催事に呼ばれたり、生産者の方が取り扱って欲しいと直接来られたりと仕事の縁も増えました。

そうやって知っている人がどんどん増えていくことが、屋台ならではの楽しさだと思います。


10 屋台の大変だと思うところを教えてください。

毎日設営と撤去をしないといけないのが、大変です。

私は屋台を作るときに設営・撤去の時間短縮を考えて設計したこともあり、設営も撤去もそれぞれ45分程度ですが、近隣の屋台では1時間半や2時間掛かるところもあります。一から屋台を作るなら、設計段階で時間短縮を考えた方が良いと思います。

また、屋台は空間が限られているので、オープン当初はオペレーションや物の置き場など、どういうふうに空間を使うかを考えるのが大変でした。


11 屋台をやってみて気づいた意外に思ったことを教えてください。

従来型店舗と違って、屋台営業者というだけでメディアに出たり、意見を求められたりするのが意外でした。

屋台は一飲食店経営者でありながら、公の場所を使わせていただいている観光資源でもあるので、そのことを十分に理解した上で発言しないといけないと思っています。
テレビや雑誌の取材以外にも、県外の官公庁の方が来られて、地元に屋台を作りたいと相談されたりすることが何回もありました。


12 どのような屋台を目指していきたいですか。

私の屋台は、営業者(私)ではなく屋台そのものに魅力を蓄積させていくというテーマで営業しています。

屋台自体がランドマーク化されて行くように、これからも営業して行きたいと思います。


13 どのような人に応募して欲しいですか。

好奇心があって、チャレンジ精神がある人に是非やってもらいたいです。

屋台同士はライバルでもありつつ、従来型店舗とは違って同じ通り沿いの仲間の連帯感みたいなものもあります。
店舗と比べて近隣の屋台と話す機会は多いですし、情報共有しながら将来の屋台像を一緒に作っていければと思います。


14 応募者へのアドバイスやメッセージをお願いします。

1、2カ月経つと慣れますが、最初は体力的にきついです。

私は飲食業を10年以上経験していたので、そんなに変わらないだろうと思っていましたが、最初は予想以上にきつかったです。床がアスファルトだと、フローリングなどある程度クッション性のある固定店舗と違って、意外と足腰に来ます。
屋台をしてみたい方は、一度屋台で従事体験をしてみて、自分の体に聞いてみた方が良いと思います。