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更新日: 2012年12月5日

O157Q&A

腸管出血性大腸菌O(オー)157 Q&A

例年、夏場を中心に腸管出血性大腸菌(O157等)感染症が多数発生しています。
O157などの腸管出血性大腸菌は、食べ物や水などを介して、菌が口から入ることで感染します。触っただけで感染したり、空気感染などすることはありません。
予防のためには、他の食中毒と同様に、食品の衛生的な取り扱いや手洗いの励行など、基本的な衛生管理によって、菌が口の中に入らないようにすることが大切です。
正しい予防の知識を身につけるとともに、感染者などへの差別がないようご理解とご協力をお願いします。

 

お問い合わせは、各区保健福祉センター健康課へ


Q1 「O157]って何ですか?

大腸菌は、家畜や人の腸内にも存在します。ほとんどのものは無害ですが、このうちいくつかのものは、人に下痢などの消化器症状や合併症を起こすことがあり、病原大腸菌と呼ばれています。病原大腸菌の中には、毒素を産生し、出血を伴う腸炎や溶血性尿毒症症候群(HUS)を起こす腸管出血性大腸菌と呼ばれるものがあります。
腸管出血性大腸菌は、菌の成分(「表面抗原」や「べん毛抗原」などと呼ばれています)によりさらにいくつかに分類されています。
「O157」はこの腸管出血性大腸菌の一種で、ベロ毒素と呼ばれる毒素により出血性腸炎を起こすことから、正式には「腸管出血性大腸菌O157」と呼ばれています。
O157だけでなく、O26やO111など、他にも多くの種類の大腸菌がベロ毒素を産生することがあります。
O157などの腸管出血性大腸菌は、牛などの家畜や人の糞便中に時々見つかります。
家畜では症状を出さないことが多く、外から見ただけでは、菌を保有する家畜かどうかの判別は困難です。

 

Q2 感染はどのようにおこるのですか?

O157などの腸管出血性大腸菌は、本来動物の腸管内に住む菌です。
しかし、家畜や感染者の糞便を通じて汚染された食べ物や水などを介して、菌が口から入ることで感染します。(経口感染)菌の汚染源としては、牛肉、牛レバ刺し、牛のタタキなどが報告されていますが、包丁やまな板などの調理器具を通して野菜などの他の食物に菌が付き、増殖することもあります。そのため、食品の洗浄や加熱、生肉に触れた調理器具や箸の消毒など衛生的な取扱いが大切です。
また、タオル等の共用や患者の便 → トイレのノブや風呂の水 → 手 → 食物→ 口といった経路で、患者から家族などへ二次感染する場合があります。

 

Q3 O157の特徴は?

○ 他の食中毒菌と比べ、強い感染性あり

食中毒で代表的なサルモネラ菌などは、100万個以上が体内に入らないと感染しません。
しかし、O157などの腸管出血性大腸菌は、わずか100個たらずで感染しますので、食物にごく少量ついていても感染しますし、また、タオルの共用や入浴などにより人から人へ感染(二次感染)する危険があります。

○ 強い毒性

この菌は大腸で増殖する際に「ベロ毒素」と呼ばれる毒素を作り出します。

○ 長い潜伏期

潜伏期間が3日~8日と長く、感染源が特定しにくいのが特徴です。また、その為に汚染された食品が流通してしまったり、調理用具や水などを介して食物に菌がうつる(二次汚染)などして感染が広まる危険があります。

 

Q4 症状は?

O157などの腸管出血性大腸菌の感染では、全く症状がないものから軽い腹痛や下痢のみで終わるもの、さらには頻回の水様便、激しい腹痛、著しい血便とともに重篤な合併症を起こし、時には死に至るものまで様々な症状があります。
 しかし、多くの場合は、おおよそ3~8日の潜伏期をおいて、激しい腹痛を伴う頻回の水様便が始まり、まもなく著しい血便となります。これが出血性大腸炎です。発熱はあっても、多くは一過性です。
 これらの症状のある者の6~7%の人が、下痢などの初発症状の数日から2週間以内(多くは5~7日後)に溶血性尿毒症症侯群(HUS)などの重症合併症を発症するといわれています。激しい腹痛と血便がある場合には、特に注意が必要です。

 

Q5 溶血性尿毒症症候群(HUS)とは?

ベロ毒素で血球や腎臓の尿細管細胞などが壊されたりすることで急性腎不全や尿毒症、溶血性貧血、血小板減少、脳障害などを起こす病気です。
5歳以下の子どもや高齢者が発症しやすく、発症すると死に至る危険性もあります。
下痢がおさまって1週間経過し、検便の結果も陰性であれば、おおむね溶血性尿毒症症候群の心配はないといわれていますが、さらに1~2週間は注意が必要です。

 

Q6 なぜ、子どもや高齢者は注意が必要なのですか?

○ 元気な大人の場合は、

感染しても重症になることは少なく、自然に治ってしまうことや発症しないことも多くあります。

○ 高齢者の場合は、

体の抵抗力が弱くなっていることや持病を持っていることなどの理由で重症になる危険性があります。

○ 子ども、特に乳幼児の場合は、

消化酵素が不十分、腸内細菌が未発達、免疫機能が不十分、体の機能が未発達等の理由で少量の菌でも発症し、重症になる危険性があります。

 

Q7 気になる症状があったときは?

  • 症状から感染が疑われる場合は直ちに、医療機関を受診しましょう。特に、子どもが下痢をしている場合は、便の状態(どの程度水状か、血は混ざっていないか)をよく見て、医師に報告するようにしましょう。
  • 下痢止めは毒素が体内に留まってしまうことがあるので、自己判断で下痢止めは飲まないようにしましょう


Q8 予防方法は?

 まずは、手洗いを十分に行う。帰宅時、調理前、調理中、食事前、特に用便後には、念入りに手を洗いましょう。

◆食品等の衛生的な取り扱い

○ 食材の十分な洗浄、加熱

食材については流水等で十分に洗い、調理する時は十分に加熱しましょう。
(食品の中心温度を75℃、1分間以上加熱すれば、菌は死にます)
調理した食品は速やかに食べましょう。
食品を保存する場合は、冷蔵庫に入れ低温で保存しましょう。ただし、冷凍した場合でも菌の増殖は押さえられますが、菌は死にません。

○ 調理器具の清潔

包丁、まな板、布巾は家庭用漂白剤で消毒し、また熱湯を通すなどして清潔には十分気をつけましょう。
調理中、生の肉や魚を切った包丁やまな板、箸などは、よく洗ってから熱湯をかけた後に使うようにしましょう。
この時も忘れずに手を洗いましょう。

○ 井戸水や受水槽の衛生管理に注意

 井戸水などのなま水を飲む場合は必ず沸騰させてからにしましょう。
 井戸水は定期的に衛生検査を受けましょう。

◆二次感染予防

○ 手洗いの励行

人から人への感染を防ぐには、手洗いが最も大切です。排便や食事の前、特に下痢をしている子どもや高齢者の世話をした時は、石鹸と流水で手を洗いましょう。
患者の糞便に触れた場合は、直ちに流水で十分に手を洗い、逆性石鹸(10%液を100倍に希釈=0.1%)または消毒エタノールで消毒しましょう。
逆性石鹸や消毒エタノールは薬店で売っています。

○ 消毒

原則として患者の家のトイレと洗面所が対象です。患者の用便後は、トイレの取っ手やドアのノブなど、患者が触れた可能性のある部分を消毒しましょう。
具体的には、逆性石鹸液10%液を50倍に希釈(0.2%)したものを布にひたして絞り、上記の場所を拭き取ります。消毒エタノールを使用しても構いません。

○ 寝衣・リネン・食器

患者が使用した寝衣やリネン、糞便で汚染されたリネンは、家庭用漂白剤(ハイター等)に容器に表示してある濃度まで薄めた水に30分つけ、その後通常どおりの洗濯をしましょう。食器は、洗剤と流水で洗浄しましょう。

○ 入浴・ビニールプール

患者はできるだけ浴槽につからず、シャワーまたはかけ湯を使いましょう。
もし、患者が風呂を使用する場合は、他の家族と一緒に入ることは避け、患者の後に乳幼児や高齢者が入浴しないように気をつけましょう。また、浴槽は毎日洗い、バスタオルは一人で一枚を使用し、共用しないよう気をつけましょう。
患者などが家庭用のビニールプールなどを使用する場合には、乳幼児と一緒の使用は避けるとともに、使用時毎に水を交換しましょう。

○ 食品を扱う際の注意

患者がいる家庭では、病気が治るまでの間、野菜を含め、食品すべてに十分な加熱を行い、調理した食品を手で直接触れないように注意しましょう。

二次感染の防止と感染経路の解明のため、O157などによる「腸管出血性大腸菌感染症」は平成11年4月に施行された「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(感染症予防法)」では3類感染症に指定されています。
それに伴い、以下のような予防措置が行われます。

  • 医師が患者を診察した場合、保健所長に届出
  • 患者の家族等の健康診断(検便)の実施
  • 直接飲食物に触れる業務への就業制限(菌が陰性になれば、制限は解除されます。)
  • 感染源と思われる施設への立入検査
  • 汚染された飲食物の処置・井戸水の使用制限

患者の隔離や保健所による家の消毒は行われません。



問い合わせは、各区保健福祉センター健康課へ
各区での名称 電話番号
東区保健福祉センター 健康課TEL 645-1078
博多区保健福祉センター 健康課TEL 419-1091
中央区保健福祉センター 健康課TEL 761-7340
南区保健福祉センター 健康課TEL 559-5116
城南区保健福祉センター 健康課TEL 831-4261
早良区保健福祉センター 健康課TEL 851-6012
西区保健福祉センター 健康課TEL 895-7073