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更新日: 2013年5月1日

博多の豆知識 vol.75


日本初の禅寺・聖福寺はお茶の発祥地



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 今年6月16日まで福岡市博物館で行われている「日本最初の禅寺 博多聖福寺」展。その題名の通り、博多区にある聖福寺は日本で最初の禅寺です。この寺を開いた栄西(ようさい)禅師は中国・南宋で禅宗を学び、その教えを広めるべく1195年に聖福寺を創始しました。山門には後鳥羽天皇が書いたとされる「扶桑最初禅窟」(日本最初の禅寺という意味)の扁額が掲げられています。

 広々とした境内には樹木が生い茂り、堂々とした山門や仏殿が建っています。静かな境内は散歩に最適で、最近では観光客も多く訪れるようになりました。禅寺の伽藍配置をよく残している聖福寺ですが、禅の修行の場でもあるため一般の人は奥には入れません。そのため貴重な宝物を目にする機会はめったにないのです。今回の展覧会はそんな貴重なチャンスのひとつです。

 また、栄西禅師は喫茶の習慣を日本に伝えました。中国で広まったお茶を飲む習慣は、とりわけ厳しい修行をする禅宗の僧たちに重宝されました。お茶はもともと薬として用いられ、体を壮健にすると考えられていたからです。栄西禅師は『喫茶養生記』という喫茶の効用についての書物も書き残しています。

 栄西禅師は中国からお茶の木を持ち帰り、聖福寺の境内や脊振山に植えたと伝わります。聖福寺には茶道の文化が今も伝えられており、四頭茶会(よつがしらちゃかい)という古い形式の茶会が行われています。また聖福寺の塔頭である円覚寺には、黒田藩にゆかりのある茶道・南方流が伝わっています。今回の展覧会では、こうした一般になじみのない茶会に参加できるイベントもあります。禅の修行のひとつでもあるお茶の世界を、ぜひ体験してみてください。


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