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更新日: 2015年5月29日

博多の豆知識 vol.4


福岡市か博多市か!?



「福岡市か博多市か?」のイメージイラスト

 明治21年(18884月、政府から市制と町村制の公布が行われました。この頃から新市名を福岡市にするのか博多市にするのかで、大論争が巻き起こっていたのです。188941日現在で人口は博多部が25677人、福岡部は20410人で、そのどちらにも属さないところに1530人が住んでいたそうです。もともとは博多と呼ばれていた地に、1600年、武将・黒田長政が先祖の地であった備前(岡山)福岡にあやかって、城下町の名前を福岡としました。それ以来、中洲を流れる那珂川を境に東を博多、西を福岡と呼ぶようになったのです。


 誇り高い武士の町・福岡と、古代から港を開き、商人の町として栄えてきた博多の地名を残す戦いです。住民も一歩も譲れません。翌年の明治23年(18902月の議会で議員の一人が「市名変更の議」なるものを出し、議論百出。議員は博多部17名、福岡部は13名(うち1名は議長)だったのですが、大詰めの議会で博多部の議員2名、福岡部の議員1名が欠席(トイレに軟禁されたという噂も)、13票対13票の同数に割れました。再度、旧福岡藩の武士だった議長が議長代理者と交替し、議長席を降りて1議員として投票。それでも同数となり、市の名前は「福岡市」のままとなったのでした。(※)


 その代わりということで、開通したばかりの鉄道の駅名は博多駅。これがまぎらわしい福岡市と博多駅誕生のお話です。博多駅に到着すると「はかた〜」という案内なので、旅行者にもここが博多なのか福岡なのかが分かりにくい。さらに、ホテル名も施設名も福岡エリアにあるのに「○○博多」と名付けられていたり、博多部にあるのに「福岡○○」というのもありますもんねえ。ちなみに、私は10年ほど前のテレビ番組でチューリップを紹介するプロフィールの中に「出身…博多市」とあったのを見逃しませんでした。それは東京で制作された番組だったのですが、マスコミにおいてすら、このような混乱が起こる都市名なのです。でも、この2つの名称が福岡市の魅力を高めていると思うのですが…。


福岡市広報課長 佐々木 喜美代


※チューリップとは
 財津和夫をリーダーに1970年に結成された福岡出身のグループ。ロックでもフォークでもない新しい音楽分野ニューミュージックを開拓した。1972年「魔法の黄色い靴」でメジャーデビュー。博多への思いを綴った「博多っ子純情」も名曲。


(2009年4月10日時点の情報です)


※部分については、参考文献に基づき一部修正しました。(2015年5月29日)


■参考文献■

福岡市史第1巻明治編 P.101~116
福岡市議会史第1巻明治編 P.229~250,213~214