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更新日: 2022年7月3日

福岡・博多の豆知識 vol.185

現代に蘇った旧高宮貝島家住宅


福岡・博多の豆知識 vol.18「現代に蘇った旧高宮貝島家住宅」

この4月、西鉄高宮駅にも近い閑静な住宅街に「高宮南緑地」が誕生しました。緑豊かな敷地内には、福岡市登録文化財である「旧高宮貝島家住宅」があり、大正時代に建てられた築100年以上の建物をレストランや茶房として利用できます。また新しくミュージックホールや迎賓館が建てられて、ウエディングやパーティ、イベント会場としても利用できるようになっています。


旧高宮貝島家住宅は、麻生・安川とともに「筑豊御三家」と呼ばれた炭鉱王・貝島太助の弟、貝島嘉蔵が建てた邸宅です。大正4(1915)年に直方市で建築され、昭和2(1927)年に現在地に移築されました。その後も貝島家の所有でしたが、平成17(2005)年に福岡市に寄付されています。市内有数の大きさを誇る近代和風建築で、石炭業全盛期の歴史を伝えています。


伝統技術を駆使した堂々たる主屋には、客間として使用された25畳の大広間、2方向から庭が眺められる数寄屋造りの8畳間、カウンターを備えた明るい洋室などがあります。透かし彫りを施した欄間、見事な造りの天井、板戸に描かれた優雅な白鷺の絵、当時のままの黒電話が残る電話室など見どころもたくさん。貝島家から寄贈された書物や昔の写真も展示されています。


四季折々の樹木が育つ敷地内には散策路が整備されて、ゆったりと庭園を回ることができます。また、敷地の一角には本格的な茶室が残されていて、当時の雰囲気そのままの茶室を借りることもできます。旧高宮貝島家住宅は市内でも貴重な伝統建築ですが、福岡市に寄付された後も長らく非公開でした。現代的な要素を取り入れながらも伝統を大切にした改装で現代に蘇りました。




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