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更新日: 2021年4月5日

博多の豆知識 vol.170

櫛田文庫に始まる図書館の歩み

博多の豆知識「櫛田文庫に始まる図書館の歩み」のイラスト

福岡には、日本初の一般に開かれた図書館がありました。1818年に博多の総鎮守・櫛田神社に開設された櫛田文庫です。神職やその子弟の勉学のために開設されたものですが、一般の町民も閲覧・貸出しができる、当時としてはとても進歩的な図書館でした。世界の近代図書館の出発点とされるボストン公共図書館(1848年創設)よりも早かったのです。櫛田文庫には神道関係の本だけでなく、文学、歴史、地理学、芸術など、多方面の書籍が約500冊ありました。こうした書籍の多くは今も残っていて、整理や修復作業が進められています。


その後、福岡に近代的な図書館が誕生したのは1902年のこと。現在の大手門のあたりに開館した私立福岡図書館です。最終的な蔵書数は7万冊にもおよび、私設でありながら海外の百科事典なども揃え、全国でも最高水準の蔵書内容でした。創設者だった廣瀬玄鋹(ひろせはるなが)が亡くなったことで閉館されますが、貴重な蔵書約1万冊は「廣瀬文庫」として九州大学付属図書館に残っています。


福岡における公共の図書館としては、1918年に福岡県立図書館が誕生。何度か場所を移しながら、現在は東区箱崎にあります。1976年にオープンしたのが福岡市民図書館。施設の移転・新設にともなって、1996年に福岡市総合図書館として生まれ変わりました。書籍はもちろん、映像資料も充実しています。


意外なところで利用価値が高いのが大学の図書館です。九州大学の図書館に収蔵されている「廣瀬文庫」のように、専門的資料を持っていることがあるからです。在校生だけでなく卒業生であれば利用することができたり、中には一般の利用者にも開放している大学図書館もあります。




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