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更新日: 2024年1月30日

福岡市長表彰を受賞した「マルタイ福岡工場」に行ってきました!

福岡市では、食品衛生に関して優良な飲食店や食品製造施設に対し、「福岡市長表彰」を授与しています。2023年度に受賞したのはマルタイ福岡工場(福岡市西区)。おなじみの「長崎皿うどん」を製造している工場です。どんな工場なのか、実際に行って、見て、聞いてきました!


工場内の写真。皿うどんのパックがベルトコンベア上を流れている。

目次


1. 福岡市長表彰ってどんな表彰制度?

他の施設の模範になる食品衛生優良施設を表彰する制度です。食品衛生に関する独自の取り組みや工夫をしていて、施設の衛生管理や従業員の技術・能力を伸ばす努力をしていることなどが評価されます。福岡市の食品関係の表彰は何と1971年にスタート!

表彰式の様子の写真。表彰状を表彰者に渡すところ。

2. 60年以上愛されるマルタイラーメン、皿うどんは全国トップシェア!

マルタイの製品第1号は、棒ラーメンとして知られる「即席マルタイラーメン」です。発売は1959年。同社は即席棒状麺のパイオニアです。

代表取締役社長の川島英広氏は、

「食堂の味を手軽に家庭で味わえるようにとの思いで開発したのが始まりです。幼い頃に親しんだマルタイラーメンの味を消費者の皆さんがずっと覚えてくださって、親から子へ、子から孫へ伝えてくれているからこそ、長く愛されているのでしょう」と話します。生麺に近いストレート麺のどこか懐かしい味わいが、60年以上も多くのファンの舌と心をつかんでいるのですね。 

マルタイ福岡工場のロビーに展示されたマルタイラーメンを模したリュックサックの写真

60年以上愛され続けている「マルタイラーメン」、ではなくそれを模したリュックサック。マルタイ福岡工場のロビーに展示


マルタイの製造工場は佐賀県唐津市にある佐賀工場、北波多工場と福岡工場の3カ所です。福岡工場は「長崎皿うどん」を製造していて、皿うどんの販売シェアは全国トップ。食品安全マネジメントシステムに関する国際規格FSSC22000を2022年に取得したことが、今回の福岡市長表彰受賞に結びつきました。

マルタイ福岡工場の外観写真

マルタイ福岡工場


3. 食品安全は “1丁目1番地”。工場が1つになってFSSC22000を取得

福岡工場は2015年に品質マネジメントシステムに関する国際規格であるISO9001を取得しているのに「どうしてFSSC22000まで?」。その疑問に川島社長は、

「安全・安心をお客さまに届け、追求し続けることが“1丁目1番地”。つまりわが社の理念だからです」と説明。お客さま第一を考えたこの取り組みが海外企業の信頼を得ることにもつながったと言います。

 

◆FSSC22000って?

食品安全マネジメントシステムに関する国際規格であるISO22000をより強化した国際規格のこと。年に1回、認証機関による審査に合格していないと更新できません。

導入によって安全な食品を製造できるだけでなく、顧客や消費者の信頼獲得、海外企業との取引につながることも。


川島社長の写真

「安全・安心について、口が酸っぱくなるほど社員に伝えています」と川島社長


実際に取得プロジェクトを主導したのは、品質保証部の吉本敏之課長と製造部の南里真人課長です。FSSC22000は食品防御や食品偽装の予防なども盛り込まれているため、総務や資材など製造に直接関与しない部署も関わりますが、

「自分の業務が食品安全にどのように関わっているのか、理解してもらうのに苦労しました」と吉本課長。

工場全体が1つになって取り組んだ結果、およそ1年で取得を実現。品質保証部の牧裕晶部長は「社長の強い思いが浸透し、工場全体を引っ張ったと思います」と振り返ります。

牧裕晶部長の写真

「一人一人が“自分のこと”として自主的に食品安全に取り組んだ結果です」と牧裕晶部長


4. 歴代パッケージにワクワク。1日14万袋の皿うどんを製造!

南里課長の案内で工場内を見学させてもらいました。見学通路いっぱいに貼られた歴代製品のパッケージが圧巻。スパゲティやラビオリなどもあり、「こんな製品まで作っていたの?」と新たな発見にワクワクします。

製品パッケージが壁に貼られている写真

創業時からの製品パッケージが工場見学通路の両側に貼られています



生地作りから、麺を成形して、蒸して、揚げて、包装して、各種検査を経て段ボール箱に詰めるまで約20工程ありますが、全工程を通して30分もかからないと聞いてびっくり。1日14万袋の皿うどんが福岡工場で作られているそうです。




工程を少し紹介します。まずは、麺の原材料を混合します。



次は、板状になった生地をうすく伸ばし、カットして麺状に。

機械で板状になった生地を伸ばしている写真


蒸して、四角に成形して揚げた麺の色を目視でチェック。


麺がベルトコンベアを流れている様子を従業員が見ている写真

ポイント

機械による検査とあわせて目視によるチェックを実施。

機械では分からない異常や細かな色の違いを人の目で確認しています!




工場で調合したスープと一緒にトレーにセットされた麺をパッケージング。




スープを攪拌するトート瓶の写真

ポイント

「トート瓶」と呼ばれる特殊な機械で粉末スープを撹拌。スープごとにトート瓶を交換するのでアレルギー物質の混入防止につながります。


その後、粉末スープは個包装されます。



包装する機械の写真


各種検査を経た後、段ボールに箱詰めして完成です。

機械で段ボール箱に詰めている写真


マルタイには棒ラーメンや皿うどん以外にもさまざまな製品があり、味の種類も豊富ですが、吉本課長も南里課長も一番好きな自社製品は「長崎皿うどん。週4は食べられます」とのこと。工場内には揚げ麺の香ばしい香りが漂っていて、ついつい食べたくなるのかもしれませんね。毎日食べても飽きないおいしさだそうです。

吉本課長と南里課長の写真

「週4で皿うどん!」の吉本課長(右)と南里課長(左)。「具材にイカを入れるとおいしいですよ」と南里課長。



マルタイの皿うどんは美味しいだけでなく、安全・安心な皿うどんだったのですね!