フランス人WEBデザイナー・ベネさんからのラブコール! わたしがパリより好きな街、Fukuoka!

月間60万アクセスを誇る人気ブログ「ベネの福岡!」の運営者、シャレ・ベネディクトさんは、福岡在住で福岡を愛するフランス人WEBデザイナー。

福岡の魅力を日本語、フランス語、英語で発信している同ブログは、撮影から執筆、動画編集、ロゴデザインまで、すべてベネさん個人による完全自主制作。市内のWEBデザイン会社に勤務する傍ら、大好きな福岡を広く伝えたいという純粋な思いから活動を続けているといいます。福岡と九州の宣伝にならないメディア出演はお断りしているというベネさんですが、#FUKUOKAの取材オファーには快く“Oui(OK)”をいただきました。フランス人クリエイターの福岡への愛をお届けします。

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--ブログ「ベネの福岡!」はとてもかわいくて、内容も充実してますね。これをお一人でやっているのが信じられないくらいです。

ベネ わたしの本業はWEBデザイナーですからね。毎日、福岡のWEBデザイン会社で仕事をしています。ブログは、会社が終わって家に帰ってから、せっせと書いてます。

--ところでフランス出身のベネさんが、どうして来日することに?

ベネ 中学生の頃に、「モーニング娘。」の歌を友達に教えてもらって、日本語の持つ発音の美しさに惹かれました。それから、着物とか日本の風景も好きになって、いつか日本に行きたいと思ったんです。18歳の時に旅行で東京や京都、奈良を見てまわって、いつか絶対に日本に住もうと決めました。フランスでは企業で働きながら学校に通える「アルテルナンス」という制度があるので、ひと月のうちに3週間はWEBデザインの会社に勤め、1週間は専門学校に通ってグラフィックデザインとWEBデザインを勉強しました。そして週末には、日本語の勉強。途中、学校がお休みの期間には東京で1ヶ月間の短期留学も経験しましたよ。

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--勉強熱心なんですね。

ベネ 好きなことだったら自分から学びたくなるし、頑張れる性格なので、デザインも日本語も、両立して勉強できました。それで、6年間のアルテルナンス制度を終えて、いよいよ日本に住むぞ、と思って、どこがいいかを考えました。その前の年にあった東日本大震災の影響も気になっていたので、西日本で探すことにして。結局、旅行や東京での短期留学の時に日本全国を見てまわった中で、特に印象がよかった福岡にしようと思いました。

--どういったところに福岡の印象の良さがあったのでしょうか?

ベネ フィーリングです。9月のある夕方に初めて福岡の街に来て、次の日の朝に街を歩きながら、「この街が好き!」って思いました。うまく説明できないけど、街はきれいだし、人も多すぎないし、とにかくフィーリングが合ったんです。旅行が好きだから、日本のいろんなところに行ったけど、福岡に来たら「ここが自分に合っている」ってすぐにわかりました。わたしはパリ郊外のクラマールという町出身なので、(福岡の)都会と田舎のバランスがちょうどよかったのかも。それで、福岡の麻生専門学校に留学することにして、ここで(より実用的な)日本語をマスターしたんです。

--福岡は、外国人にとって住みやすい街ですか?

ベネ ええ、とっても! 日本の他の地域に住んでいる外国人の友達からは、嫌な思いをした話も聞きますけど、わたしは一度もないですね。福岡では、“外国人だからできない”ことは何もないと思います。アルバイトもできますし、いまの会社も“外国人特別枠”で入ったわけではなく、日本人と同じように履歴書を書いて、WEBデザイナーとして採用してもらいました。一人の市民として普通にいられるので、すごく心地いいですよ。

--でも、不便だったり、慣れないこともありますよね?

ベネ んー、そうですね……まず、タクシーの運転手さんは、もう少し丁寧に運転してほしいです(苦笑)。それから、母が福岡に来ていつも困るのは、バスの案内に英語表記がないことです。天神、博多、キャナルシティを回るバスぐらいしか英語表記がないので、出かけられる場所が少ないんですよね。「福岡は東京や京都よりも街にアルファベットの表記が少なくて不安だから行きたくない」とフランスの友人もよく言います。だから、フランス語と英語で福岡のことを書いているわたしのブログに、アクセスが多いのかもしれません。1週間に15~20通は、福岡の街に関してフランス語の質問メールも来ます。

--そもそもブログは何をきっかけに始めたんですか?

ベネ もともとは、日本国内を旅行している時に、わたしがどこで何をしているかを、フランスの両親や友達に知らせるために作りました。その後、フランスに戻って日本に住む準備をしている間、留学やビザの手続きがとても難しかったので、これをちゃんと残しておいたら日本に住みたいフランス人の役に立てるだろうと思って、ブログを続けました。だから、ずっとフランス語で書いていたんです。福岡に来てからは、福岡のことが大好きになったので、福岡のよさを伝えるというテーマで作り直して、フランス語に加えて英語と日本語でも書いています。デザインを考えたり、誰かに伝えるのが好きですし、読んでいる人の役に立てるのが嬉しいんですよ。だからブログには広告も入れないで、個人的な動機だけで続けています。

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--本業のデザインに関してですが、福岡で働いてみてどう感じていますか? フランスと福岡では、デザインの仕事に求められることも違います?

ベネ ええ、すごく違うので最初は苦労しました。例えばポスターを作る時、フランスの場合はだいたい3色しか色を使いませんが、日本の場合は何色でも使えます。フランス(のデザイン)はクールで大人っぽいですが、日本はもっと賑やかでポップ。WEBデザインでも、文字が違うから組み方が大きく変わります。フランスで覚えたことが邪魔になることもあって、日本での仕事の進め方やデザインの仕方を、一から学んでいきました。初めのうちは毎日、天神のジュンク堂に通って、デザインの本を立ち読みして覚えましたね(笑)。

--いろいろご苦労もあったんですね。フランスに帰りたいとか、パリで働いたほうがいいと思うことはないんですか?

ベネ ありません。福岡に引っ越してからの4年間、フランスには一度も帰っていません。母親は日本に遊びに来てくれるし、Skypeもありますから寂しくないです。両親も、「日本にいるベネのほうが素敵よ」って言ってくれます。パリよりも福岡のほうが、わたしらしくいられて好きなんです。

--福岡のことをそんなに好きでいてくれて、ありがとうございます。これから福岡で何をしていきたいですか?

ベネ フランスと福岡の橋渡しをしていきたいですね。パリで福岡のことを伝える展示や、日本のデザインの展示もしてみたいですね。ブログでは、毎月着物を着て福岡市内の伝統的な場所とともに紹介する「ふくおか着物ウォーク」というコーナーをやっているので、それを続けていきたいです。

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--最後に今後の目標を聞かせてください。

ベネ 福岡の観光大使になることです! 去年は(選考で)落ちてしまいましたが、まだ諦めてません。みなさん、応援ヨロシクお願いします!

 

 

【プロフィール】
Bénédicte Charré(シャレ・ベネディクト)さん
昭和62(1987)年、フランス・クラマール生まれ。中学生の頃に日本の文化に影響を受け、平成18(2006)年春に旅行で初来日。高校卒業から6年間、フランスのWEBデザイン会社に勤めながら、専門学校でグラフィックとWEBデザインを学ぶ。平成19(2007)年、平成20(2008)年、平成21(2009)年夏に、東京・千駄ケ谷日本語教育研究所で毎年一ヶ月の短期留学。平成24(2012)年春、フランスの学校を卒業し、福岡の麻生専門学校に留学。平成26(2014)年春に卒業し、現在は福岡のWEBデザイン会社でデザイナーとして勤務。仕事の傍ら、自身のブログ「ベネの福岡!」で福岡と九州の魅力を発信し続けている。好きな食べ物は、「白ご飯と味噌汁と納豆。これがあれば、他に何もいりません♥」。

 

【関連リンク】
ベネの福岡!
http://jp.benefukuoka.com/

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