所得金額から所得控除額等を差し引いたものを課税総所得金額といいます。この課税総所得金額に所得割の税率を乗じて所得割額を算出します。税率は次のとおりです。
【所得割額算出のイメージ】
市民税の所得割額=180万円×8%=144,000円
県民税の所得割額=180万円×2%=36,000円
市立の小学校・中学校・特別支援学校等の教職員制度に係るさまざまな権限が道府県から指定都市に移譲されるとともに、従来の道府県に代わって指定都市が教職員の給与等を負担することとなりました。
この財源措置として平成30年度の個人市県民税より、所得割の税率2%が道府県から指定都市に税源移譲されました。
(平成29年度まで) (平成30年度から)
市民税 6% → 8%
県民税 4% → 2%
税源移譲による負担増の解消、配当所得や外国の源泉所得に対する二重課税を排除する趣旨で定められています。
所得税と市県民税では、扶養控除などの人的控除額が異なります。税源移譲によって控除額の差(下表参照)により個人の負担が増える場合がありますので、これを調整するため、市県民税所得割額から次の額を減額します。
なお、合計課税所得金額とは、土地建物などの分離課税分を除いた課税総所得金額です。
また、基礎控除は人的控除額の差の合計額には含めません。
※令和3年度以降、合計所得金額が2,500万円を超える場合は適用がありません。
いずれか少ない方の5%(市:4%《3%》、県:1%《2%》)
{5万円と人的控除額の差の合計額-(市県民税の課税所得金額 - 200万円)}× 5%
ただし、この額が2,500円未満の場合は2,500円(市:2,000円《1,500円》、県:500円《1,000円》)
控除別 | 区分 | 市県民税 | 所得税 | 差額 |
---|---|---|---|---|
障害者控除 | 特別 | 30万円 | 40万円 | 10万円 |
同居特別 | 53万円 | 75万円 | 22万円 | |
普通 | 26万円 | 27万円 | 1万円 | |
寡婦控除 | 特別(注1) | 30万円 | 35万円 | 5万円 |
一般 | 26万円 | 27万円 | 1万円 | |
ひとり親控除(注2) | 男性 | 30万円 | 35万円 | 5万円(注3) |
女性 | 30万円 | 35万円 | 5万円 | |
寡夫控除(注1) | 26万円 | 27万円 | 1万円 | |
勤労学生控除 | 26万円 | 27万円 | 1万円 | |
配偶者控除 | 老人 | 38万円 | 48万円 | 10万円 |
その他 | 33万円 | 38万円 | 5万円 | |
扶養控除 | 老人 | 38万円 | 48万円 | 10万円 |
同居老人 | 45万円 | 58万円 | 13万円 | |
特定 | 45万円 | 63万円 | 18万円 | |
その他 | 33万円 | 38万円 | 5万円 | |
配偶者特別控除 | 配偶者の合計所得金額が 48万円超50万円未満 |
33万円 | 38万円 | 5万円 |
配偶者の合計所得金額が 50万円以上55万円未満 |
33万円 | 38万円 | 3万円 |
注1 令和2年度まで
注2 令和3年度から
注3 調整控除算出の際は1万円として計算します。
平成21年から令和4年までに入居された方で、所得税で住宅ローン控除(特定増改築によるものを除く)を受けており、所得税から控除しきれなかった額がある場合は、翌年度の市県民税所得割額から次のA、Bいずれか少ない方の金額が控除されます。
※ただし平成26年4月から令和4年までに入居された方のうち、消費税率8%または10%で住宅を購入された方、または令和3年1月から令和4年12月までに入居された方のうち、特別特例取得、特例特別特例取得に該当する方は、前年分の所得税に係る課税総所得金額等の額の100分の7に相当する金額(最高136,500円)となります。
確認の手続き:給与支払報告書適用欄または確定申告書を市が確認します。市に対する「住宅借入金等特別税額控除申告書」の提出は原則不要です。
詳しくは「個人市県民税の住宅ローン控除制度の変更点について」へ
地方公共団体に対する寄附金、福岡県共同募金会又は日本赤十字社福岡県支部への寄附金のうち政令で定めるもの、あるいは福岡県又は福岡市の条例で定める寄附金のうち、2,000円を超える部分については、一定額を限度に所得割額から控除されます。また、特例控除対象の地方公共団体に対する寄附金については、控除額の加算があります。
株式の配当所得がある方で総合課税の適用を受ける方は、算出された所得割額から次の配当控除額が差し引かれます。
区分 | 控除額(市民税) | 控除額(県民税) |
---|---|---|
課税総所得金額等の1,000万円以下の 部分に含まれる配当所得 |
配当所得金額の2.24%《1.6%》 | 配当所得金額の0.56%《1.2%》 |
課税総所得金額等の1,000万円を超える 部分に含まれる配当所得 |
配当所得金額の1.12%《0.8%》 | 配当所得金額の0.28%《0.6%》 |
(注)私募証券投資信託等の収益の分配に係る配当所得については控除額が異なります。
県民税配当割(又は株式等譲渡所得割)が課された配当所得(又は株式等譲渡所得)を申告した場合には、所得割額から次の額が控除されます。
市民税:配当割額(又は株式等譲渡所得割額)の5分の3
県民税:配当割額(又は株式等譲渡所得割額)の5分の2
外国で得た所得について、その国の所得税および市県民税に相当する税が課された場合は、一定の方法で外国税額が控除されます。
令和6年度分の個人市県民税(所得割)においては定額減税が実施されます。
詳しくはこちらをご確認ください。
退職金や一時恩給などに対する所得割額は、次のとおり計算され、退職金などの支払いを受けるときに、差し引かれることとなります。他の所得とは異なり、原則として退職所得が発生した年に課税されます。
(退職所得等の収入金額-退職所得控除額)× 2分の1(注1)×〔市民税6%、県民税4%〕(注2)
注1 役員等としての勤続年数が5年以下の人が平成25年1月1日以降に支払いを受ける退職手当等については課税所得を
2分の1とする措置が廃止されました。
注2 退職所得の税率については、当分の間、税源移譲に伴う税率の変更はありません。
勤続年数 | 控除額 |
---|---|
20年以下の場合 | 40万円×勤続年数(80万円に満たないときは、80万円) |
20年を超える場合 | 70万円×(勤続年数-20年)+800万円 |
※障がい者になったことによって退職した場合には、上の表で算出した額に100万円を加算した金額が控除されます。
土地や建物等の譲渡に対する所得割額は、他の所得と分離して、その所有期間により短期譲渡所得と長期譲渡所得に区分されて算出されます。
短期譲渡所得 | 譲渡のあった年の1月1日現在において所有期間が5年以下の土地・建物等の譲渡所得 |
---|---|
長期譲渡所得 | 譲渡のあった年の1月1日現在において所有期間が5年を超える土地・建物等の譲渡所得 |
分離課税にかかる長・短期譲渡所得については、特別控除前の金額が譲渡所得になります。
売った土地や建物を買い入れたときの購入代金(建物は減価償却費相当額控除後の金額)や購入手数料等です。実際の取得費が分からないときや実際の取得費よりも譲渡収入の5%の方が多いときは、譲渡収入金額の5%とします。
土地や建物を売るためにかかった仲介手数料や測量費、立退料、取り壊し費用などです。
政策的に税額を軽減するために設けられた控除です。主なものは次のとおりです。
譲渡所得の内容 | 控除額 |
---|---|
収用などによる資産の譲渡 | 5,000万円 |
自己居住用財産の譲渡 | 3,000万円 |
特定土地区画整理事業等での譲渡 | 2,000万円 |
特定住宅地造成事業等での譲渡 | 1,500万円 |
平成21年及び平成22年に取得した国内にある土地の譲渡 | 1,000万円 |
農地保有合理化のための農地等の譲渡 | 800万円 |
低未利用土地等の譲渡 | 100万円 |
注意:ケースによって控除額が変わることがあります。
(課税短期譲渡所得金額)×〔市民税7.2%《5.4%》、県民税1.8%《3.6%》〕
(国等に対する譲渡に係る課税短期譲渡所得金額)×〔市民税4.0%《3.0%》、県民税1.0%《2.0%》〕
次の区分により算出されます。
(課税長期譲渡所得金額)×〔市民税4.0%《3.0%》、県民税1.0%《2.0%》〕
次の区分により算出されます。
次の区分により算出されます。
株式、転換社債等の譲渡に対する所得割額は、他の所得と分離して、次のとおり計算されます。
(株式等に係る課税譲渡所得等の金額)×〔市民税4.0%《3.0%》、県民税1.0%《2.0%》〕
※平成25年12月31日以前は税率が市民税1.8%、県民税1.2%となっておりました。
(株式等に係る課税譲渡所得等の金額)×〔市民税4.0%《3.0%》、県民税1.0%《2.0%》〕
上場株式等の配当所得について、申告時に分離課税の適用を受けることを選択した場合、当該配当所得に対する所得割額は、他の所得と分離して、次のとおり計算されます。 ※《》内は平成29年度までの税率
(上場株式等に係る課税配当所得等の金額)×〔市民税4.0%《3.0%》、県民税1.0%《2.0%》〕
※平成25年12月31日以前は税率が市民税1.8%、県民税1.2%となっておりました。
商品取引所法に規定する先物取引による所得で一定のものについては、他の所得と分離して、次のとおり計算されます。
※《》内は平成29年度までの税率
(先物取引に係る雑所得等の金額)×〔市民税4.0%《3.0%》、県民税1.0%《2.0%》〕