箱崎・馬出地区の旧唐津街道(県道21号線)沿いは、明治・大正時代から残る魅力的な町家が点在し、町や文化遺産の宝庫といわれています。東区には、福岡市内で一番多くの町家が残っています。
町家とは町地にある商職人住家の総称です。博多町家には、片方に「店の間(表の間)」「中の間」「座敷」が一列に並び、その傍らを通り庭(土間)でつなぐ空間構成となるのが一般的です。座敷は濡れ縁を設けて坪庭に面石、坪庭には燈籠を置き地主神を祭ることも多く見られます。町家は、間口狭く奥行きが長い「うなぎの寝床」のような敷地が特徴で、箱崎宿界隈では間口3間、3間半、4間が多く見られます。
箱嶋家住宅は、明治5(1872)年に建てられたと伝えられています。木造2階建ての町家で唐津街道に東面し、筥崎宮の南に位置します。
現存する建物は、間口3間半、奥行き8間半の細長い造り。通り庭に家の守り神である荒神様が祭られています。左側には天窓、「表の間」、ベンガラ漆塗欄干(らんかん)がある吹き抜けの「中の間」、「座敷」が並びます。
筥崎宮の門前町、唐津街道の宿場町としてにぎわった往時をしのばせる町家です。国の登録有形文化財です。
箱嶋家住宅の「中の間」
令和元年7月15日号市政だより「歴史さんぽ」の記事で紹介
令和3年2月15日号東区版市政だより (1,106kbyte)で、箱崎地区の紹介をしています。
区生涯学習推進課が発行している箱崎・馬出エリアガイドマップはこちら。