働き方が変わる? 福岡発“古民家系スタートアップ”

ここ数年のリノベーションブームに乗り、しばしば話題に上るようになった古民家。最近では、ギャラリーやカフェ、更にはシェアハウスとして新たに生まれ変わり、コミュニティ形成の場として一役買っている物件も少なくありません。

しかし、古民家の再生にはいくつか越えなければならないハードルがあります。例えば、古民家をもう一度使うために手を入れるにも建築基準法の規制により大幅な修繕・改修が必要となることが少なくありません。そのための費用がかさみ、最終的に古民家再生を断念せざるを得ないパターンも多いのです。

そこで福岡市は、古民家再生につながる条例案を平成27(2015)年3月に市議会へ提出する方針を決めました。条例が施行されれば、市長などが認める建物であれば規制の緩和対象となるため、古民家再生へのハードルを下げることができます。

古民家は、外国人観光客からも人気のあるスポットの一つでもあります。「お店を開きたい」や「宿泊施設をつくりたい」といった市民の声に応える雇用創出の場になりうるだけでなく、観光客誘致につなげることも期待できます。

古民家

また、福岡市“らしい”活用法として考えられるのが、ビジネスオフィスとして使うというアイデアでしょう。福岡市は、ITやゲーム業界と言ったデジタルコンテンツのベンチャー企業が多く誕生している地域。そういった企業が、リノベーションで生まれ変わった古民家を拠点に活動するというトレンドが生まれる可能性もあります。

新しい住環境としてだけでなく、観光客誘致、そして雇用創出や起業支援にもつながりそうなネオ・古民家。発想次第で、新しいライフスタイルやビジネススタイルが見つかるかもしれません。