このページは、福岡市政だより中央区版において連載された、区の魅力を発信するコラム「魅力発信 中央区」の記事を掲載しています。名称や内容等は掲載時のものです。
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小烏神社 拝殿
警固三丁目にある「小烏(こがらす)神社」は、良質なヒノキと伝統的技法を用いた神社建築が評価され、令和元年に国の登録有形文化財に登録されました。ご祭神は建角身神(たけつぬみのかみ)( 八咫烏(やたがらす))で、 子育てや交通安全の神として地域住民に親しまれています。神社の名称と地名の「古小烏」はご祭神に由来するといわれています。
地蔵尊への入口
警固と桜坂の境にある小高い丘に「味噌喰い地蔵尊」(警固三丁目)があります。この地蔵尊は、享保の大飢饉で餓死した人たちを供養するために建てられました。
享保17(1732)年は悪天候による作物の成育不良や、害虫の影響で凶作に見舞われました。飢えに苦しむ人々を救うため、荒戸に粥場(かゆば) が設けられると、この場所が通り道として使われるようになりました。しかし、途中で力尽き、粥場までたどり着けない人も多かったそうです。そこで「食べる物が欲しい」と思いながら息絶えたであろう人々の心情を思い、握り飯やみそを供えて供養したと伝えられています。
その後、地蔵尊の口元にみそを塗り付ける風習が生まれ、味噌喰い地蔵尊と呼ばれるようになったそうです。
市政だより中央区版 令和6(2024)年11月15日号に掲載されました。