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午砲「ドン」(福岡市博物館所蔵)
「午砲場跡」の碑
午砲とは空砲を打ち正午を知らせていた大砲です。
大きな音にちなんだ「ドン」の愛称で多くの市民に親しまれ「ドンガラガン節」という歌も誕生しました。
明治時代初めまでは、日の出・日の入りを境に昼夜の時刻を定めており、地域や季節によって時刻にズレが生じていました。
近代化を進める明治政府は、全国における時間の統一を図り、明治19(1886)年に日本標準時を定めます。
福岡では明治21(1888)年に民間の会社によって午砲が開始されました。
明治23(1890)年に、採算が合わないなどの事情により午砲は中止されますが、不便や音が聞こえない寂しさなど継続を
望む声が上がり、翌年、市が事業を譲り受け再開します。午砲は市庁舎のサイレンに変わった昭和6(1931)年まで続けられました。
福岡市博物館の常設展示室にある午砲の「ドン」は、明治36(1903)年以降に使用されていた3代目の大砲です。
午砲場は何度か移転しましたが、現在、福岡市中央区港三丁目の住吉神社に「午砲場跡」の碑が建っています。
市政だより中央区版 令和6(2024)年8月15日号に掲載されました。