市長
おはようございます。よろしくお願いいたします。
記者
おはようございます。幹事社のテレQです。よろしくお願いいたします。
市長
はい、お願いします。
記者
では、発表案件についてお願いいたします。
市長
はい、分かりました。
月が変わりましたので、今月のアートからお話ししたいと思います。今月のアートは、こちらの方でございます。稲光 亜記(いなみつ あき)さんの作品が5月の今月のアートということでございますね。
こちらの作品は「やわらかな光」というタイトルでございます。具体的なモチーフが描かれていない、抽象的なね、非常に絵なんですけれども、これは稲光さんが実際に目にした風景から受けた印象で、そのときに抱いた感情とか、記憶を組み合わせているということでございます。
木々の緑だったり、あとコンクリートの灰色なのかなというようなことも想像させるわけですけれども、そうしたいろんな、それぞれの色が柔らかいコントラストを生み出して、心地良いリズムを奏でていると、まちの風景から得た印象をもとに描かれたという、こちらは作品「やわらかな光」というものでございます。
今月のアートとして、この稲光さんの作品をこちらの会見場、それから特別応接室、応接室等に飾っていますので、ぜひ注目をいただければと思います。
市長
では、発表案件に行きたいと思います。今日はこちらです。【フリップ (2,694kbyte)】福岡市では、地域の活動を一生懸命頑張っていただいている皆さんにポイントを付与していこうというですね、「ふくおかポイント」をスタートします。そして、その実証を今日からスタートしたいと思います。
その「ふくおかポイント」ですけれども、今、地域においても非常にやっぱり少子高齢進んでいますし、例えばいろんな活動の担い手不足、それから、その地域のボランティア活動ですとかね、こういったこと、本当に地域を見回しても一生懸命していただいていたり、でも、やっぱり次の担い手を確保していかなくてはいけないとか、それから、それぞれのまちのために、地域のためにというような気持ちに、何かお返ししたい。でも、これを金銭で返すと、またこれ、ボランティアではなくなってしまう、違う意味合いになってしまいますので。そこでなんですけれども、今回、デジタルでポイントでお返しをしようというのが、今回の新しい取り組みでございます。
具体的にどういうものかというのは、ちょっと画面を見ながらお話をさせていただくのが早いかなと思うんですけども、これ、まず「ふくおかポイント」のメインの画面にこちらがなります。【モニター1 (115kbyte)】使い方とっても簡単でして、左の濃い青い部分ですね、こちら活動でポイントを貯めるというところをチョイスをすると、このように画面が出てきます。【モニター2 (131kbyte)】
例えば校区の一斉清掃とか、それから子育てサロンの運営とか、それから夏祭りの会場設営。これもね、本当に呼びかけて、みんな忙しい中でいろんな方が、地域の方が設営のために時間を割いてくださると大変助かるわけです。こういった、本当にボランティアという気持ちでお願いをしているものですよね。こういったものを選んでいただくと、ここにポイント数がついていて、ポイント10とかですね。こうポイントが貯まっていくということになります。
実際に、じゃあ、ポイントが貯まったら、どういうことになるのかというとですね、それがこちらです。要するに、ちょっと戻りますけど、ごめんなさい。【モニター1 (115kbyte)】こっちのほう、特典でポイントを使うというチョイスをするわけですね。
そうすると、こういった形で【モニター3 (160kbyte)】、例えば福岡マラソン。毎回、倍率があって、どうしても抽選になってしまうわけですね。それをポイントが貯まれば、その抽選ということをスキップして、優先的に走ることができると。それからですね、例えば植物園でキャンプができる権利とか、こういうのって、そもそも別にお金出しても、どうであっても、今、別に誰もできないんですよね。でも、ちょっとこういう、せっかく地域活動頑張っていただいたり、ボランティアしていただいたりという皆さん、ポイント貯まったら、こういう特別な体験というのができるとか。
こういうなんていうのかな、税金を使って何か物を返すみたいなのではなくて、ちょっとした行政の工夫でですね、お返しできる形で、その気持ちをお返しをしたいというのが、今回のそのポイントの話になってくるわけですね。
それで、これから地域活動も含めて、より人材確保というのが大事になってくる中で、本当に多くの皆さんのボランティア精神というかですね、気持ちによって支えていただいている部分というのは非常に多いわけですけれども、こうしたものに少しでも何らかの形でお返しをしたい。しかも今、携帯電話、スマホというのを持つ人も非常に多くなっていますので、なので、こういったものを活用したデジタルポイントという形で、今回スタートをします。
いきなり全校区でスタートではなくて、まずはスタート時点なので実証実験という形で、実際にいろんな取り組みをしていきながら、改善点は、また改善をしていきながら広げていきたいと思っています。
今回は、最初の実証実験に手を挙げていただいた、8つ(正しくは、9つ)の校区全てで実証実験スタートということで、今日からスタートになりますので、具体的な今日からの動きについて、場所も説明しますので、よかったら取材も行っていただければと思います。
私からは以上です。
記者
では、幹事社のほうから、まず発表案件についてお尋ねをいたします。
この実証実験というのは、すみません、いつ頃までを予定されているものなのでしょうか。
市長
およそ1年間なんですが、そのまま校区が増えていくという形になれば、それがそのまま続いていくとかですね、という形にもなるかもしれませんけども。
記者
分かりました。あと、こうしたポイントのようなインセンティブを取り入れている行政の取り組みというのは、ほかにあったりするんでしょうか。
市長
例えば行政が行う、「こういうのに参加をしたら行政からポイントを付与します」というところはあると思うんですけど、今回のポイントは、これ見て分かるように、校区一斉清掃って、別に市がやっているものじゃないんですよね。地域の主体の取り組みにもポイントを付与するというところが、結構新しいポイントなので、ほかにやってるのは、あんまり聞いたことはない。どこかあるのかもしれないですけれども、調べた範囲では聞いたことがないので。
ただ、より大事なのは、やっぱり地域活動をどう活発にしていくかということが、これから大事なテーマになるので、こういった工夫を今回チャレンジしてみるということになります。
記者
今回、特別なアプリというものを取り入れることになると思うんですけど、目標としているダウンロード数みたいなものはあるのでしょうか。
市長
これアプリ、プラス、WEB上でも、これ見られるようになっているので、なので、アプリとして持つということ。アプリだけ?
事務局(総務企画局)
アプリだけです。
市長
ごめんなさい、アプリだけか。
より多くの人にダウンロードしていただければ、いいなと思うのですが、これをきっかけに、例えばスマホをより活用していくという方が増えていくということも、つまり、なかなかあんまりいい活用がまだスマホもできていないという方にもですね、使っていただけるように。これは講座なども行って、スマホの使い方ですね、ですとか、このアプリの使い方に関する講座なども行っていきながら、より多くの方にダウンロードしていただければなとは思います。
記者
分かりました。幹事社からは以上になります。
ほかの皆さん、質問がありましたらお願いいたします。
記者
すみません。
市長
はい、どうぞ。
記者
テレビ西日本の槌屋です。
市長
はい。
記者
まず、始められる校区は8とおっしゃられたんですけど、9?
市長
ごめんなさい。9です。ごめんなさい。失礼しました。
記者
すみません。校区は全部で何校区あるんですか。
事務局(総務企画局)
152校区ございます。
記者
152校区。実証実験で始めは9校区ですけど、そのうちバラバラバラっと手を挙げてきたら、その校区でも何となく実証実験が始まるというイメージでいいですか。
市長
基本的には実証実験って1年間やって、そこで、ある程度、その反応というかですね、こういったもので、さらに全校区に最終的には広げるわけですから、それのアップデートができれば、もう実証実験をずっと続けるというよりは、実証実験はたぶん、ある程度1年ぐらいだと思うんですが、その後は、もう全校区に広げていくという形になります。
記者
ありがとうございます。
市長
はい。
記者
ほかはいかがでしょうか。
市長
はい、どうぞ。
記者
日経新聞の関口です。よろしくお願いします。
このポイントの基準なんですが、例えば役員等への就任で30ポイント、校区行事の企画・運営で10ポイントみたいな基準ってどうやって決まっているのかなというのが、もしあれば教えてください。
市長
これ結構ね、難しいんですよ。配点をどうしていくかというポイント数はね。なので、あっちのほうがちょっと割高じゃないかとかですね、こっちは大変な割に割安じゃないかとかいう議論になると良くない。じゃあ、全部まとめようかとか、いろいろあったんですけど、ただ、基本的にはなんていうか、これがイコール価値の対価というものではないということ。それから、これを実際決めるときには、関係者の皆さんでお話を伺っていきながら、この配点を決めていったんですね。
なので、また、さらに実証実験の中で、こういったポイントの多いとか少ないとかですね、こういったものも含めてご意見いただけると思うので、そうしたものをまた参考にしながら、実際に全区に広げていくまでに、こうしたご意見もうまく反映させていければなと思っています。
記者
ありがとうございます。
市長
じゃあ、1、2の順で。
記者
西日本新聞の一ノ宮です。
先ほど市長、少子高齢化とか、地域活動の人材確保とかっていうお話があったと思うんですけど、これ、こうやって地域活動を活発にしていくということの意義というか、狙いみたいなものについてお聞かせいただけますか。
市長
これから、やっぱり少子高齢になっていく中で、そしてまた、さらに先を進むと人口減少というのは、福岡市も含めてもちろんあるわけですけれども、やっぱり自助・共助・公助、地域の支え合いだとか、それから顔が見える関係になっているということは、これからのもちろん犯罪防止もそうですし、あと高齢者の見守りだとか、こういったものも含めて地縁をしっかりつくっていくって、とても大事になってくるわけですね。
また、福岡というのは、非常に集合住宅率も高かったり、人の出入りということも多いエリアですので、やっぱりしっかり顔が見える関係というのをつくっていくということも非常に大事になってくる。
さらに、福岡には全ての校区に自治協議会があって、その自治協議会の皆さんとお話をしていく中で、もうこれ、ずっと課題なんですけど、やっぱりなり手不足、それから役員の高齢化、こういったことが非常に課題になっていて、どう新しい人たちを取り込んでいくかとか、それから負担が一部の人だけに集中しすぎないようにとか、もちろん行政もこれまでいろいろな対策を打ってきているわけですけれども、さらにプラス・アルファということで、こういう地域活動、本当に細やかな地域活動で何らかお返しができればということで、それで、こういった仕組みを考えてみましたと。
結構、構想数年あったんですけど、どういう形で返すかとか考えていたんですけどね。ブロックチェーンを使おうかとか、いろんな議論が当時いろいろあったんですけども、うまくこういう形でスタートできるふうになりました。
記者
朝日新聞の伊藤と申します。
すみません。さっきポイントの大小という話も出たと思うんですけど、もし決まっていればお伺いしたいのが、何か一つでも、これが何ポイントというのが決まっている活動と、あと対価で一つでも決まっているのがあったら、具体的な数字をお伺いしたいんですけれども。
市長
3つ、今、具体的には、校区の清掃活動が10ポイントですね。これ全部、今これ10ポイントになっています。例えば自治協とかの協議会の役員になるとか、ちょっといくつか事例、言えるのがあったら言ってもらっていいですか。
事務局(総務企画局)
はい。既にアプリがですね、ダウンロードできるようになっておりますので、そちらのほうでもご確認いただくことができますけれども、例えばでございますが、役員に就任されると100ポイント、年間でございますけども100ポイントでございますとか、例えば地域活動、一日の活動にご参加いただくと5ポイントから10ポイント、それから実行委員会等にご参画いただくと30ポイントといった形でポイントを付与させていただくこととしております。
特典についてでございますけれども、例えば先ほど、これ事例として申し上げました、福岡マラソンの優先出走権につきましては200ポイント。それから、さまざま福岡市のですね、公共施設の無料チケットというのもございますけれど、こちらは30ポイント。それからグッズのですね、配布というのもさせていただく予定でございまして、こちらにつきましては50ポイントから100ポイントで設定させていただいております。
以上でございます。
記者
ありがとうございます。この自治協議会の活動って、自治体ではできない、細やかなところまでやってくれるというところで。
市長
はい。おっしゃる通りです。
記者
市にとって、すごく大事な存在だと思うんですけれども、市から見た自治協議会の存在意義をあらためてお聞きしてもいいですか。
市民
自治協議会が福岡市には全ての校区にあります。これは歴史的には、最初に町世話人制度というものがあったわけですね。これは完全に行政のいろんな地域とのつなぐお願い事をですね、行政の委託を受けてというような形で、金銭でお願いをしていたというようなものだったわけです。これが自治協議会制度というものに変わって、あくまでも地域主体の自治で、自分たちで行っていくというふうにできたのが自治協議会です。
ただ、自治協議会、自治だけで本当にやっていくというのも、非常にやっぱり困難性があったり、持続可能性で非常に困難にぶつかっているというような意見をいただいて、現在、“共創”自治協議会、“共に創る”自治協議会ということで、地域、行政、それから民間企業、地域にある民間企業もいろんなところが一緒になって、地域づくりをやっていこうというのが、現在の共創自治協議会という形になっています。
自治協議会の活動というのは、今ご指摘いただいたとおり、行政の全区、全市一律というものではなくて、本当にそれぞれの校区の実情に応じ、校区の皆さんが主体的に取り組んでいただけるので、非常に細やかで隅々まで目の届いた活動があって、こういう自治の活動と、それから行政としての活動というのが合わさって、暮らしやすい、住みやすい福岡というものができているわけで、福岡市にとっては極めて重要なパートナーだと位置付けをしています。
そうした皆さんとお話をする中で、こういった地域の活動もしくは役員のなり手不足という持続可能性をどう担保していくかということで、行政としても新しい補助の制度だとかですね、こういったものをつくったりだとかということをしているんですが、今回、またさらに、新たにいわゆる地域の清掃活動とか、こういうものにも参加するきっかけにもなりたいとかですね、もしくは例えば、ユニークな、こういうなんていうんだろうな、特典ですよね。さっき言ったように、植物園でキャンプができるとかですね、こういうようなユニークなことをすることが、最初は目的、きっかけで地域活動に参加するみたいな、そういう入口にもなってくれて、自治協議会活動もしくは地域の校区自治会活動だとか、こういったものへの参加のきっかけになってくれたらうれしいなというのが一つ大きな狙いになります。
記者
ありがとうございます。自治協議会の意義というのは、本当に理解するところで、強制するものじゃない、参加を強制するものじゃないというのが分かった上で、ちょっと一点お聞きしたいんですけれども、こういう任意の活動に、あえて参加しない、参加したくないという人たちも、今、結構出てきていて、そういう人たちにとっては、もしかしたら市が入ることを奨励しているようにも映るかと思うんですけれども、その点、何かコメントがあれば。
市長
基本的には奨励しています。ぜひ地域活動へ参加しましょうという、人は一人では生きていけないわけですしね、ぜひ参加しましょう。
ただ、奨励はするものの、当然いろんなご意見の方もいらっしゃるでしょうし、そういった方はもちろん、これは強制ではないので、奨励はするけれどもということで、ただ奨励をしたらいろいろ、せっかくのその方の大事な貴重な時間を使っていただいたり、体を動かして汗かいていただいたりということについて、何らかの形で感謝の気持ちを出したいな。でも、それは金銭的価値に変えると、また話が変わってくるという中で、一つの工夫として、こんなチャレンジをしてみたということです。
記者
ありがとうございます。
記者
ほかはいかがでしょうか。よろしいですか。
それでは、発表案件以外の質問はありますでしょうか。
市長
はい、どうぞ。
記者
続けてすみません。何点かお伺いしたいんですけど、国会のほうで、個別法で想定していない非常事態、国民の生命の保護のために特に必要な場合において、国が自治体に指示をできるという権限をつくって、地方自治体法(正しくは、地方自治法)の案が今議論されているところかと思うんですけれども、市として、こういう法律の受け止めがもしあれば、お聞きしたいなと思いまして。
市長
なるほど。市としてというか、今、急に言われたので。
記者
すみません、市長として。
市長
市としての見解を準備しているわけではないです。
記者
はい。
市長
ただ、地方自治と中央集権の最適化というところが必要だと思っていて。だから、中央集権だけが悪いわけでもないし、地方分権だけが悪いわけでもない。ただ、例えば、今それこそ、この直前の話でも言った、今デバイスができて、携帯があって、直接みんなアクセスができるというような環境って、今の憲法や法律ができた当時には想定していなかったような状況があって、国が直接、国民、市民一人一人に対してメッセージを発信することもできれば、今、マイナポータルみたいな形で国が持っている、いろんな情報にアクセスするというようなこともできるようにもなってきているわけですよね。
という中で、全てを自治事務にしてしまって、国は何かを決めて予算はつけるけど、あとは自治体の自治事務ですから、あとはよろしくというような形で、自治体がそれぞれで、毎回、委託先にいろんなことをお金払ってお願いするみたいなことじゃなくて、国がもう決めたのなら、国が実行まで含めてやったほうがいいというようなものもあるかもしれないし、また一方で、やっぱり地方の独自性が発揮されるもの、そういったものについては地方が自治という形でやったらいい。
つまり、民間でいうところの競争分野と協調分野、協調分野で工夫の余地がないものまで、それぞれ独自で地方自治体がするということは、それは効率がよくないかもしれないし、こういったことを全体として最適化をするという大きな考え方は、大事だろうと思っています。
ただ、今回の内容が具体的にどういうことを指して、どういう全体像になっていくのかが、ちょっと把握できていないので、市としてのちょっと見解というのはできないですけれども、私として、そのような問題意識は持っているということになります。
記者
ありがとうございます。すみません、急にお尋ねして。
次も急にお尋ねするものなんですけど。
市長
次も急に。(笑)
記者
すみません。この前、認知症の推計が出まして、2014年(正しくは、2040年)に認知症と、あと軽度認知症の高齢者の方が3人に1人になるんじゃないかという推計が出たんですけれども、この「認知症フレンドリーシティ」とか、すごく先進的に取り組まれている中で、この数字をどのように受け止められたかなというのをお聞きしたいです。
市長
認知症って、やっぱり人ごとではない。今、元気であっても、私も含めて誰しもが高齢化とともに、物忘れが激しくなってきたというようなこともあるかもしれないし、認知症というところもやっぱり付き合っていかなくてはいけないと思います。
誰しもがそうした可能性があるからこそですね、認知症になったときに、その当事者、それからご家族がしっかり、それぞれのウェルビーイングを住み慣れた地域で、安心して暮らしていける地域づくり、そのための工夫というのは非常に大事だと思っていて、福岡市はここの課題意識をですね、民間、それから医療機関、それから行政、こういったさまざまな主体と一緒に、こうしたものに早くから手を打っていこうということで、「福岡100」というプロジェクトをスタートしました。
人生100年時代に向けた、さまざまなプロジェクトを、医療機関や民間企業と一緒になって行政も取り組もうということで始めたものです。その中の一つに「認知症フレンドリーシティ」、認知症に関するプロジェクトがあります。
具体的には、認知症になると、例えばトイレの場所が分からない。じゃあ、いかに分かりやすいコントラストがある、例えばここで言うとドア、扉の色と、壁の色というコントラストありますよね。こういったものをより分かりやすくして、認知症の方でも理解しやすいようなデザインの工夫をしていくとか。これが手引きをつくって、福岡市の新しくできる公民館だとか公共施設は、この工夫を取り入れて、認知症の方がこれから増えてきてですね、いらっしゃったとしても迷わない、悩まないような工夫をしています。
また、何といっても、ユマニチュードですよね。一番これは医療現場、それから自宅介護も含めて、認知症の方になかなか自分は相手のことを大事に思ってこうしてあげたい、もっと気持ち良くこうしてあげたいって思っても、なかなか伝える方法が、健常者というか、認知症ではない方と同じようなコミュニケーションをしてしまうと、相手には伝わらないというところを伝える工夫ですよね。こういったユマニチュードを全ての校区公民館等において実施をしたり、また、医療機関や在宅で認知症の方を介護している方に対する、より実践的なものも含めて、今、一生懸命広げようとしています。
こうしたことを、認知症イコールもう病気だとか、よく分からないということではなくて、一つ一つ因数分解しながらですね、それぞれ認知症の方、それから、そのご家族の方もより過ごしやすい、よりウェルビーイング、幸福感の高い生活がしていけるようにですね、さまざまな対策について福岡市としては、民間や医療機関の皆さんと一緒になって、こういった考え方を広げていきたいと思っています。
記者
ありがとうございます。次で最後なんですけど、もっと高齢化が進んでいる自治体とかもある中で、今このタイミングで、これだけ熱心に取り組む狙いをあらためてお聞きしてもいいですか。
市長
実はなんていうか、農山漁村地域って、すごくゆっくり長い時間をかけて、既に高齢化しているんですね。ここはゆっくり時間をかけて高齢化をしていく中で、いろんな対応・対策というのをどうしていくかということを考えられてきたりとかですね、してくるんですけれども。一方で、都市部において急速に高齢化が進むということは、これは率の問題ではなくて、絶対数、数の問題、具体的に言うと例えば、今までと同じように、もう病院に入るとなったら病床の数がそもそも全く足りなくなるとかですね。都市には都市ならではの高齢化の課題感というものがあるんです。
だからこそ、今、福岡が全国のほかの都市に比べると、その高齢化の率が大きく進行する率が少し、10年ぐらい他都市より遅れている。そういった今だからこそ、このような対策をですね、しっかりハード面、ソフト面合わせて取り組みを進めることによって、今後大きく高齢化が進んでくる前に、できるだけの対策をしていこうということで、取り組みを進めているというのが、これが「福岡100」になります。
記者
ありがとうございます。
市長
では、どうぞ。
記者
共同通信の東と申します。
市長
はい。
記者
今日から市政に着任して、会見に出席させていただきます。よろしくお願いします。
市長
はい、よろしくお願いします。
記者
5月から福岡市でも、いわゆるライドシェアが始まる見通しだったんですけれども、これについて一点お伺いします。ライドシェアは始まった一方で、タクシーに関しては、供給過剰であるという法律上の判断の下、福岡市はいわゆる準特定地域というものに指定されていて、タクシーの新規参入ができない状況になっているかと思うんですけれど、いわゆる政策上のライドシェアを始めるのと、タクシーの台数を抑えるという、矛盾した政策になっているかと思うんですけども、この状況についてどのように考えて、この準特定地域という仕組みについて、どのように考えていらっしゃいますでしょうか。
市長
タクシーの新規参入が非常に多くなってきたときにですね、タクシー議連の方を中心として、タクシーの台数を制限しようということがあって、福岡にかかっていて、当時新規参入というのができないような状況があったというのは把握をしています。ただ、今ご指摘いただいて、そのようなものがまだかかっていたということは、ちょっと今、把握していなかったので、たぶん、もう外れたのかなと、ちょっと私は思っていました。
一方で、ただ今はもう、そもそも規制を外してもですね、今のその規制、仮にあったとしても、その範囲の中でもタクシーが全然足りていないと、稼働率が6、7割というような、6割だったかな、稼働率が。あ、いないか。たぶん、その程度なので、全くそのなんていうか、供給過剰ではなくて、真逆の状況があるわけで、それはまず福岡の状況としては、タクシーが不足をしているという認識です。そして、それが先日、国交省が発表した数字に表れていると思っています。
数字は発表されました。これが具体的に、ライドシェアをしたいというタクシー会社がですね、具体的に現れて、そして運行開始するとなれば、少し移動の足の困難に対しての解消に一助となってくれるのであれば、それはもちろん、それなんですけれど。一方で、じゃあ、福岡の場合は、その数字が一体どういう平均値で出したのか分からないのですが、例えば雨が降ったら一気にタクシー捕まらなくなるとか、もしくは福岡でよくあるあるでいくと、ドームでもイベントやって、マリンメッセもあって、と各地でイベントがたくさんのときって本当捕まらないですよね。
こういったときって、今は台数出されていますけど、多分その不足台数で、本当にこれは、そういったときでも対応できる数字なのかとか、本当にこの台数で全てやろうとすると、多分もっとその日その日によって状況って違うと思うんですね。
なので、まずは国のほうも、ここからスタートということなんでしょうけれども、より今後、新しい法というところも、法制定も含めてですね、トータルとしてやっぱり一番大事なのは手段というよりも、市民の足の確保というのが一番大事だと思うので、不断の改善をしっかりしていただきたいと思っています。
記者
ありがとうございます。
市長
どうぞ。
記者
RKB毎日放送の江里口と申します。よろしくお願いします。
市長
はい、お願いします。
記者
2点伺わせていただきたいんですけれども、1点目は、今年はモンゴルが博多に攻めてきた元寇(げんこう)・文永の役(ぶんえいのえき)から750年に当たります。この元寇という歴史遺産とどう向き合っていくお考えでしょうか、というのが一点で。
もう一点がですね、それにちなんで、「元寇所縁(ゆかり)のネットワーク」の発足式がありました。九州各地から市長・町長などトップが参加したわけですけど、福岡市からは西区の総務部長の参加だったということになっております。関連自治体との連携などを進めていくお考えございますでしょうか。よろしくお願いします。
市長
はい、ありがとうございます。元寇から750年ということで、一定の節目になっているわけですけれども、福岡市として、今この貴重な遺産・遺跡であるところの元寇防塁ですね、これについて歴史に興味のある方含めてですね、知っていただけるために、ハードの整備として駐車場の整備ですとか、それから案内板の整備ということをしてですね、元寇防塁、実際に本物を見てみたいという方が見ることができるような環境づくりということで、ハードで支援をしています。
一方で、福岡市西区のほうでは、地域を中心としたソフトでのいろんな取り組みが盛んになっています。西区まるごと博物館じゃないですけれども、西区の魅力、宝を皆さんでクローズアップし、そして、今回の元寇についても750年に合わせてですね、実行委員会をつくって地域から盛り上げていこうという取り組みを進めております。
ですから、こうした市全体としてお金がかかるハードの整備ということを福岡市がして、そして、地域の皆さんを中心とした実行委員会で、この750年というところに向けて、盛り上げていこうということをですね、福岡市としてはしっかり側面から支援をしていきたいということで、750年、また歴史というところに、こう思いをはせるきっかけになってくれたらと思っています。
記者
ありがとうございます。
市長
どうぞ。
記者
FBSの鬼丸と申します。
市長
はい。
記者
ライドシェアについてなんですけれども、需給予測が示された中で、もし今後の開始のめどとか、何か新たな変化があれば教えていただけますか。
市長
変化のめどというか、まずは、これを受けてですね、それで、この数字によって台数が配分されたりということがあるそうで。それで実際に、今ライドシェアをしたいタクシー会社の応募をしているそうです。それの締切りがもう間もなくのようですので、具体的に何社くらいがあるのか、実際にもうあるということは聞いていますので、何社ぐらいがそのようなことに参加をするのか。そして、実際にそれが運用されたときに、本当に今、市民の皆さんが感じていらっしゃる足の不便、タクシーが捕まらない問題というところが、解消されるのかというところはしっかり注視をし、また、さっき言ったように、本当にその台数って、雨が降ったときとか、イベント重なったときにも対応できるような数字なのかというところも、たぶん実際に運用しながら分かっていくと思うので、不断の改善というところを国にはお願いをしたいと同時に、これからやっぱりライドシェアの定義、それから既存のタクシー会社との共存、そして、安全性とか万が一があったときに、どう保障されるのかとかですね、やっぱり市民が一番知りたい部分というのは、全体として国としてですね、地方任せではなくて、しっかりと新法を含めて、こういったものは明確にしていくということを期待をしています。
記者
ありがとうございます。
市長
はい、どうぞ。
記者
産経新聞、千田と申します。よろしくお願いします。
市長
はい、お願いします。
記者
ちょっと話題変わります。今月20日なんですけれども、台湾の頼 清徳(らい せいとく)次期総統の就任式が台北で開かれます。台湾側の発表によりますと、国会議員のほか、自治体の首長にもですね、参加していただくというような発表をしているんですけれども、市長のところには招待状は届いてますでしょうか。
市長
いや、残念ながら、私は。
記者
そうですか。
市長
個人には来ていないとは思います。私は見た覚えがないんですけれども、はい。もしかしたら、どこかに国際部とかに来ているのかもしれないですけど、来ていない。
記者
分かりました。ありがとうございます。
市長
はい、どうぞ。
ただ、今日それとはちょっと、また別件なんですけど、義援金(正しくは、募金)が、台湾の地震による義援金(正しくは、募金)が非常に市民の皆さんの気持ちが集まって、やっぱり東日本のときもそうでしたし、今回の能登半島地震とかも含めて、日本の災害にも非常に心を配って、心寄せていただいている皆さんへのお気持ちというのが非常に集まりましたので、今日そちらはお届けをしようと思っております。はい。
どうぞ。
記者
すみません。隣県の話にはなるんですけれども、今日、玄海町の脇山町長が最終処分場についての判断を出されるというところで、このあとなんですけれども、どのように注視をされているかというところ、なかなかお答えにくい、まだ判断が出ていない状況ではありますが、どのようにご覧になっているかをお聞かせください。
市長
そうですね。たぶん、もちろんこれがイコール、すぐに何かの動きにつながるというよりは、あくまでも文献の調査ということなので、段階はまだまだある中の最初のステップ、その文献の調査ということは具体的になんていうか、ハード面とか何かの工事が始まることに直結するわけではないけれども、やっぱり町の皆さんにとっては、非常に関心も高いことだと思いますので、そのあたりがどのようなご判断をされるのかというところについてはですね、町の皆さんのご意向がどう出るのかが、しっかり注視はしていきたいと思っています。
記者
ありがとうございます。
記者
ほかになければ、これでよろしいでしょうか。
記者
すみません。
市長
はい、どうぞ。
記者
読売新聞の原です。
市長
はい。
記者
すみません。私も突然の質問になるんですけれども。
8日に開かれた九州市長会総会で、市長がご提案をされた道州制について、ちょっとお伺いしたいと思うんですけれども、道州制、「九州府」構想について、市長のお考え、どうなのかというのをお聞きしたいのが一点と。この勉強会を提案されたんですけど、今後どういった議論を期待するか、あるいは展開、広がりというものを、どう期待しているかというのをお聞かせください。
市長
九州は一つ、ないしは九州は一つ一つ、こういった議論というのは、もう長くされているわけですね。そして、九州というのは、今、2015年から見ても、もう人口が、そうですね、42万人ぐらいですかね、もう減っているんですよね。九州沖縄エリアから人がいなくなっているわけです。
これが2030年(正しくは、2030年代)まででいくと150万人というような想定もあって、こういう中で、じゃあ、どうしていくのか。これまでの今、各自治体、例えば介護人材がいない。ここに手当のお金をのせたらどうだ。でも、隣を見ると保育士も足りない。隣を見ると建築現場でも人が足りないとかですね、もう結局、横から人を採ってくるしかないというか、つまり人口自体が減ってきているんで、やっぱりこれまでと同じやり方ではなかなか難しくなってくるという中で、我々、エリア的に言っても、一つの島としてですね、非常に分かりやすいエリアの中で、九州として一体となった成長戦略、そして一体となった課題解決、どういったことができるかということは、かけ声だけでは、かけ声は前からあるんですけども、具体的なやっぱりアクションを起こしていかないとなかなか、この課題解決というのは簡単ではないと。だし、一発で効く良薬があるわけではなくて、多分悩みながら、ぶつかりながらチャレンジしていくしかないと思うんですが。
そのときに、今から12年前に「九州府」構想というものもあったわけですね。このときの議論、当然社会的な背景もあったりですね、いろんなことで道州制が当時盛り上がったことはあったんですけれども、そのときの議論自体はですね、どうやってその地域、九州の地域で連携をして、いろんな課題に取り組んでいくか、大変示唆に富むものも多かったわけです。こういった議論、当時どういったことがあって、九州市長会が全会一致で可決をしたのかということについて、今もう4期目以下の方って、そのときの議論を聞いていないので、こういったものをもう一回、振り返りながら、具体的にやっぱりこれから九州がどうあるべきか。そして、どういうアクションを一緒に起こしていけばいいのかというようなことをですね、忌憚(きたん)なくお話ができる勉強会を開こうということです。
ですから、勉強会をするからといって、イコールこれの目的が、例えば九州府をつくると、これはもうたぶん簡単じゃないです、もう時代的に見ても。だって大阪都構想だってまだできていないわけですし、制度を変えるっていうのは、もう本当に大変なことで、相当な労力がかかってしまう。
でも、そういった形を変えなくても、例えば九州全体で特区にするとかですね。もちろん何の特区かというのは別ですけれども、いろんな形で、九州だけで例えばこういうことを取り組もうとか、九州でこういったことをということがあったときに、その取り組みをしていく上での、その障害となるハードルを取り除いていく方法もいろいろあると思うので、そこはなんていうか、形を最初から決めてしまうということではなくて、まず、あるべき姿、どうありたいかというようなところから、いろんなテーマで忌憚(きたん)なくお話ができたら。
そして、また民間でも「ONE KYUSHU」のような取り組みを、九州の経営者の皆さん中心にですね、若手の方中心に、そういった取り組みもあるというようなことから、こうした民間の動きも勉強させていただいたりとかですね、こんなことをしながら九州の未来について大いに語る会、そうしたことをやっていければということですので。あんまりね、最終的な形を最初から決めてしまうと自由な議論もできなくなるので、そうしたことを、なんていうか話せる場、もちろん、やっぱりどうしても市長会ってなってしまうと、そこの場ってどうしてもある程度、もう皆さんで合意を得たものをしっかり議決をしていくということだけでも膨大な作業になってしまうので、もっと自由に話せる場があってもいいんじゃないかなということで、そのような提案をいたしました。
記者
ありがとうございます。
記者
ほかはよろしいですか。
記者
毎日新聞の竹林です。
その関連で、一点だけなんですけれども、このタイミングで市長から提案されたというのは、今おっしゃっていただいた4期目より下の市長の方は、当時の議論も知らないからなのか。今ここで提案された、時期的な狙いみたいなものって特段あったのか、お願いします。
市長
いやいや、時期は具体的に何か意図があったわけでは全然なくて。もちろん、だから、その勉強自体はですね、「九州府」構想が当時あったときに、そこで、どういうふうに、じゃあ、自治体間連携をしていくのかとかですね、こういったいろんな議論があったことは大変示唆に富むという意味で、その名前を出しているということで、このタイミングとかいうところに大きな意図があったわけではないです。
ただ、今やっぱり九州というエリア全体がですね、どうやって全体最適を活かせるのか。北海道であれば、どこでとれても「北海道産」っていう形で、もう認知を広げることはできるけれども、九州であれば、なんていうか、それぞれごとのプロモーションになってしまって、地名の中に「九州」という言葉が入っていないので、全体としてのブランディングはなかなか難しかったりというようなところもある中で、どうやって、今どんどん人口が減ってきているこの九州の中で、それぞれの強みを活かして、全体として強い九州・沖縄になっていけるのかというところを考えなきゃいけないのは、もうそれはみんな思いが一緒なんですよね。そうしたものを学んで、勉強していこうと、また共有、話をしていこうというのが狙いになりますので。
実際、例えば九州って、今度は枠を超えて、今、西のゴールデンルートというところもいっている、これもやっぱり欧米から日本に来る方の8割以上というのは、大阪より東に行っているんですよね。やっぱりこれから観光というところも、量から質へという転換を図らなければいけない。そうした中で、欧米の方もやはり大阪より西の方向、来てもやっぱり広島止まりになってしまうので、やっぱり西にも来ていただきたい。そのためにやっぱり自治体という枠を超えて、みんなでその魅力を一つにして、力を合わせていくということが必要なので、そのような観光分野については、特に西のゴールデンルートという形で発信をしているというように、やっぱり一自治体ずつではなくて、やっぱり今、力を合わせて、今、日本が直面する課題に立ち向かっていこう、そういったことが必要ではないかという問題意識は、私の中にもあるし、それはやっぱり国を待っておくということではなくて、地方から行動していくということがすごくスピード感もあるし、大事になってくるんじゃないかなということで、今そのような取り組みはいろいろとしていますが、時期に何か意図があったり、政治的な思惑も何一つありませんので、本当に純粋に政策ということで、みんなで取り組みをしようという明るい会です。
記者
ほかよろしいですか。では、ありがとうございました。
市長
はい、どうもありがとうございました。
※発言・質疑内容について、できるだけ忠実に作成しております。