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更新日:2022年9月26日

廃棄物処理に係る国際環境技術協力

準好気性埋立構造「福岡方式」と国際環境技術協力の経緯

「福岡方式」パンフレット



埋立地改善実験の開始

昭和40(1965)年代当初、福岡市では生ごみ主体の埋立場からの汚濁水や臭気などの問題を抱えていましたので、昭和40(1965)年代後半から福岡大学と共同で、浸出水の浄化を目的に埋立地改善の実験を始めました。

日本の標準構造に採用

昭和48(1973)年から3年間にわたって福岡市と福岡大学が共同で実施した久山埋立場の大規模実験の結果を踏まえ、準好気性埋立構造の基本概念が福岡大学により提案され、昭和50(1975)年に建設した新蒲田埋立場で実用化に成功しました。この方式は、日本各地の埋立場で採用され、昭和54(1979)年に制定された旧厚生省(現環境省)の最終処分場指針で日本の標準構造として採用されました。

国際会議で「福岡方式」を紹介

平成9(1997)年に福岡市で開催された「アジア太平洋都市サミット実務者会議」において、西部(中田)埋立場で竹や廃ドラム缶等の材料を使用しての準好気性埋立構造「福岡方式」による埋立地の改善方法などの実技研修を実施したことにより、「福岡方式」が国際的に知られ、関係9ヶ国18都市が興味を示したのが始まりです。また、廃棄物処理の分野を中心に、国際協力機構(JICA)や国連ハビタットを通じ多くの研修生受入や専門家派遣を行ってきました。

福岡大学における埋立 模型槽による実験(昭和49年)

福岡大学における埋立
模型槽による実験
(昭和49(1974)年)

国際協力の始まり

その後、準好気性埋立構造は「福岡方式」と称され、福岡市は福岡大学と共同でアジア太平洋地域を中心に、平成10(1998)年から研修生の受け入れや海外へ技術者を派遣し、埋立場の改善など国際環境技術協力を行っています。

CDMに認定される

平成23(2011)年7月には、準好気性埋立構造「福岡方式」による既存埋立場の改善が、国連気候変動枠組条約で規定するクリーン開発メカニズム(CDM)の新たな手法として認定されました。

国連CDM会議 会場

国連 CDM会議 会場


CDMの概要(イメージ図)

CDMの概要


クリーン開発メカニズム(CDM)認定

“「準好気性埋立構造(福岡方式)」による既存埋立場の改善”が、
国連気候変動枠組条約(UNFCCC)で規定する
クリーン開発メカニズム(CDM)の新たな手法として認定されました。

平成23(2011)年7月15日にモロッコで開催された、第62回国連CDM理事会において、廃棄物の埋立技術である「準好気性埋立構造(福岡方式)」による既存の埋立場で発生するメタンガスの発生自体を抑制する方法がカーボンクレジット(先進国間で取引可能な温室効果ガスの排出削減証明)を認める新たな手法として認定されました。

改善前の埋立場

埋立場内部への通気がないため、内部の嫌気化を招き嫌気性バクテリアによる分解でメタンガスが大量に発生、同時に高濃度の浸出水が発生。

改善後の埋立場

埋立場内部への通気があり、内部が好気化し好気性バクテリアによる分解でメタンガスの発生を抑制、同時に浸出水の浄化も可能。


準好気性埋立構造「福岡方式」海外へ  (福岡大学単独事業含む)

「福岡方式」採用の世界21ヶ国

※世界21ヶ国で「福岡方式」が採用されています。 令和4(2022)年8月31日現在


国際環境技術協力の実績について

令和4(2022)年8月31日現在

  1. 海外技術協力等は、14ヶ国延べ159名の職員を派遣しました。
  2. 海外研修生の受入は、33ヶ国、199名の研修生の受入を行いました。※オンラインを含む
  3. 海外見学者の受入は、70ヶ国以上、延べ5,906名の見学者の受入を行いました。

海外技術協力 職員派遣

1.海外技術協力 職員派遣


海外研修生 受入

2.海外研修生 受入


海外見学者 受入

3.海外見学者 受入


海外技術協力等の実績

職員の主な派遣先

令和4(2022)年3月31日現在

期間 派遣要請元 派遣人数及び国際協力の内容
平成13~16年度
(FY2001~2004)
中華人民共和国
山東省ウェイファン市
17名
(国連ハビタットの要請により埋立場建設)
平成15~16年度
(FY2003~2004)
ベトナム国
ハノイ市
7名
((環境技術協力事業)JICA/自治体職員協力事業)
平成16~20年度
(FY2004~2008)
サモア 5名
(廃棄物処理対策)JICA
平成18~20年度
(FY2006~2008)
パキスタン国
ムルタン市他
5名
(廃棄物処理対策向上)JICA
平成15~24年度
(FY2003~2012)
中華人民共和国
雲南省蒙自県
9名
(中国清華大学との技術協力協定により埋立場建設)
平成22年度
(FY2010)
中華人民共和国
上海市
5名
(上海万博)
平成22~24年度
(FY2010~2012)
ベトナム国
ハイフォン市
3名
(草の根技術協力)JICA
平成25~令和元年度
(FY2013~2019)
ミャンマー国
ヤンゴン市
71名
((自治体職員協力事業)CLAIR/
国連ハビタットとの共同事業)
平成10~30年度
(FY1998~2018)
その他 37名
合計 14ヶ国 159名

海外研修生の受入実績(来福研修)

令和4(2022)年3月31日現在

期間 研修依頼元 研修人数及び国際協力の内容
平成11~18年度
(FY1999~2006)
マレーシア 52名
(JICA国別研修 廃棄物埋立技術 約1ヶ月間)
平成14年度
(FY2002)
マレーシア 1名
(JICA草の根技術研修 約6ヶ月間)
平成12年度
(FY2000)
中華人民共和国
広東省広州市
1名
(自治体職員協力事業 約4ヶ月間)
平成14年度
(FY2002)
中華人民共和国
山東省ウェイファン市
1名
(自治体職員協力事業 約4ヶ月間)
平成17年度
(FY2005)
サモア 1名
(JICA国別研修 約10日間)
平成17~20年度
(FY2005~2008)
パキスタン 31名
(JICA国別研修 約1ヶ月間)
平成22~24年度
(FY2010~2012)
ベトナム国
ハイフォン市
9名
(JICA草の根技術研修 約20日間)
平成24年度~
(FY2012~)
アジア、大洋州、アフリカ諸国 94名
(JICA課題別研修,国別研修 約1ヶ月間)
合計 29ヶ国 187名

海外研修生の受入実績(オンライン)

令和4(2022)年3月31日現在

期間 研修依頼元 研修人数及び国際協力の内容
令和2年度
(FY2020)
アジア、大洋州、アフリカ諸国 6名
(JICA課題別研修、国別研修 約10日間)
令和3年度~
(FY2021)
アジア、アフリカ諸国 6名
(JICA課題別研修 約6日間)
合計 9ヶ国 12名

海外見学者の受入実績

令和4(2022)年8月31日現在

年度 国数 人数
平成28年度まで
(~FY2016)
  5,069名
平成29年度
(FY2017)
46ヶ国 315名
平成30年度
(FY2018)
40ヶ国 392名
令和元年度
(FY2019)
43ヶ国 130名
令和2年度
(FY2020)
0ヶ国 0名
令和3年度
(FY2021)
0ヶ国 0名
合計 延べ70ヶ国以上 5,906名

国際環境技術協力の推進

中国清華大学との技術協力(平成15(2003)年~)

清華大学、福岡市、福岡大学の三者で、環境分野等における技術協力協定を平成15(2003)年11月に締結し、埋立技術の専門技術者を現地に派遣するなどの技術協力を行っています。

雲南省蒙自県埋立建設予定地

雲南省蒙自県埋立建設予定地 (平成15(2003)年1月)


完成した雲南省蒙自県埋立場

完成した雲南省蒙自県埋立場 (平成19年3月)

ベトナム国ハイフォン市との技術協力(平成25(2013)年~平成27(2015)年)

ハイフォン市、ハイフォン都市環境公社(URENCO)、福岡大学、(財)ふくおか環境財団、福岡市の5者による協力関係の進め方に関する覚書を平成25(2013)年1月に締結しました。

(平成25(2013)年1月)
左から、
ハイフォン都市環境公社PhD.Le Ngoc Tru 社長
ハイフォン市建設局 Msc.Vu Huu Thanh 副局長
福岡市環境局 荒瀬泰子 前局長
福岡大学工学部 松藤 康司 教授
(財)ふくおか環境財団 靍田 徹 前理事長

(平成25(2013)年1月)

JICAとの連携による技術協力

廃棄物処理に係る国際環境技術協力では、国際協力機構(JICA)と連携したプロジェクトを通じて、準好気性埋立構造「福岡方式」のアジア太平洋地域への技術移転を進め、廃棄物最終処分場に起因する環境汚染の軽減やメタンガス削減の取り組みに協力をしています。

JICA研修員による廃タイヤでの集水管製作実習
(平成25(2013)年11月)
(場所:西部(中田)埋立場)


モデルサイト完成記念

モデルサイト完成記念(平成24(2012)年8月)
(場所:ベトナム国ハイフォン市 ディンブー埋立場)