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更新日:2025年5月1日

生ごみ堆肥を活用した『コミュニティガーデン』の取組み紹介

ガーデン

福岡市では、持続可能なまちづくりのための取組みとして、事業所から排出される「生ごみの堆肥化」を推進しており、また、生ごみ堆肥を活用した「コミュニティガーデン」をサポートしています。

 

生ごみ堆肥を活用した「コミュニティガーデン」に取組む、こども食堂CIRCLEを取材してきました。

 

こども食堂CIRCLEの取組み

こども食堂CIRCLE(中央区平尾浄水町)

運営事業者:一般社団法人CIRCLE

 

閑静な住宅街にある、リノベーションした古民家で開催される「こども食堂CIRCLE」。

コンポストやコミュニティガーデンを通じて、子どもたちに食の大切さを伝えながら、地域とともに食の資源循環に取り組んでいます。

代表の田代あやさんに、その思いと活動内容を伺いました。

インタビューの様子

 

 

-こども食堂の活動について教えてください。

田代さん:毎週水曜日の3時半から7時までやっていて、学校帰りの子どもたちが毎回120人ぐらいは来ていると思います。

食事は150食作っていて、ありがたいことに全部なくなるんです。メニューは料理研究家の方が来てくれて、その日にガーデンでとれた野菜や地域の方から寄付してもらったお肉などを使って、栄養バランスも考えながらくふうしてくれています。

食事風景

 

-コミュニティガーデンでとれた野菜を積極的に使われているそうですね。

田代さん:そうなんです!もう、ここのガーデンでとれた野菜をメインに使っていると言ってもいいくらい。特に最近は野菜が高いですから、本当に助かっています。自分たちで育てた野菜をみんなで食べる、というのがいいですね。

野菜を食べる様子メニュー

 

-野菜の収穫は、どれくらいのペースでできているんですか。

田代さん:種を植えたのが去年の9月末か10月初めだったのですが、それから1ヶ月ぐらいで収穫できるようになりました。ちょうどその時期は天気も良かったですからね。今は始めてからもう4巡目ぐらいで、毎回たくさんの野菜がとれるので、こども食堂のメニューにも相当使っています。

ガーデンで育った野菜

-コミュニティガーデンのお手入れや収穫は、どなたがされているんですか。

田代さん:スタッフのほか、こども食堂に来ている子ども達も手伝ってくれますし、実は近所の方々もよく水やりをしてくださるんです。

 

-えっ、それはすごいですね。どういった方々なんですか。

田代さん:それが、私たちもよくわかっていないんです(笑)。いつの間にか仕事帰りの方がお水をやってくれていたり。あとは、犬の散歩中のおじさんがガーデンを気にしてくれて、ホースで水をまいてくれたりとか。おかげで雨が降らなくても土が乾いていない。本当にありがたい話で、自然とそういう協力の輪が広がっている感じなんです。

 

-子どもたちはどのように関わっているのでしょうか。

田代さん:種まきから手伝ってくれた子たちは、自分が植えた野菜が、どんなふうに育って、どんな葉っぱが出てきて、最終的にどんな料理になって食卓に並ぶのか、一連の流れを体験できるので、食べ物への興味が深まったようです。今までよりも野菜のことをよく聞くようになりましたね。「これどうやって食べるの?」とか「これ何の野菜?」とか。あとは、例えば「人参を抜いてきて」などと頼むと抜いてきてくれます。どれが人参か分からない、ということもありますが(笑)。

種まきをする子どもたち

 

-生ごみを堆肥にするコンポストは、いつ頃から、どういうきっかけで始められたんですか。

田代さん:もう8年ぐらい前になりますかね。もともとは保育園(中央区で「赤坂すずかけ保育園」を運営)で出る生ごみを、普通にゴミとして捨てていたんですが、カラスが来て荒らしてしまうことが多くて困っていたんです。そんな時に「コンポストっていう方法があるよ」って教えてもらって、試しに始めてみたのがきっかけです。今では保育園もこども食堂も生ごみの廃棄はゼロになっています。

コンポスト

 

-なるほど。そこから、今回、こども食堂でコミュニティガーデンを作るという取り組みに、どうつながっていったのでしょうか。

田代さん:こども食堂を運営していると、どうしてもたくさんの食材が必要になります。そこで、自分たちで野菜を作ることができれば経費の節約にもなるし、何より、子どもたちに「食べ物がどうやってできるのか」、その過程を体験させることができる。これは、すごく大きな学びになるんじゃないかと思ったんです。

こどもたちとガーデン

 

-コンポストやコミュニティガーデンを運営する中で、困ったことや、難しかったことなどはありましたか。

田代さん:そうですね…、動物にいたずらされたことぐらいですね。虫も心配していたんですが、思ったほどつかなくて今のところ順調です。コンポストについても保育園で何年もやっているので、虫や匂いが気になるということもありません。この子たちが大きくなった時のことを考えて取り組んでいるから、大変だと感じないのかもしれないですね。

 

-実際にコミュニティガーデンに取り組んでみて、手ごたえはいかがですか。

田代さん:地域の皆さんや、こども食堂の視察に来られた企業や行政の方に「生ごみを循環させているんです」って説明すると、皆さんびっくりされて「素晴らしい取り組みですね」って本当に褒めていただけます。子どもたちも野菜の育ち具合が気になっているようで、「早く食べたい!」って言ってくれるし、本当によく食べます。そういう姿を見ていると、この取り組みを始めて本当に良かったなと思います。

 

-最後に、今後やってみたいことはありますか。

田代さん:ガーデンの木枠をもう1個増やしたいです。さっきお話しした犬の散歩のおじさんも「もう1個置けよ」って言ってくれていて(笑)。地域の方々も応援してくれているのを感じるので、もっと活動の輪を広げていきたいですね。