PM2.5は大気中に浮遊する大きさが2.5 マイクロメートル以下の粒子のことで、単一の化学物質ではなく、炭素成分、イオン成分、無機元素などを主な成分とする、様々な物質の混合物となっています。
福岡市では、大気汚染防止法の常時監視として位置付けられたことに加え、PM2.5対策や健康影響調査に役立てるため、PM2.5の成分分析調査を実施しています。令和5年度の調査結果を報告します。
PM2.5は、その発生する原因によって、以下の3種類に分類されます。
1~3から発生するPM2.5の主な成分について、現在、下記のようなことがわかっています。
発生源の分類 | 主な成分 |
---|---|
1 黄砂、火山噴煙など | 無機元素 等 |
2 工場、自動車等から直接排出される粒子 | 元素状炭素 有機炭素 無機元素 等 |
3 二次生成粒子 (空気中の化学物質が反応して生成するもの) |
硫酸イオン 硝酸イオン アンモニウムイオン 有機炭素 等 |
「無機元素」とは、ケイ素や鉄、アルミニウム等の金属と呼ばれる元素のことです。
「イオン成分」とは、PM2.5の中で水に溶ける成分のことで、中でも「硫酸イオン」は生成されるまでに時間がかかるため、遠方から運ばれてくる可能性が高いと言われています。
「元素状炭素」とは、ものが燃えた時にできるススのようなもので「ブラックカーボン」とも呼ばれます。
「有機炭素」とは、さまざまな有機物すべてのことで、PM2.5の中には数百種類以上含まれていると言われています。
春季・夏季・秋季・冬季の年4回 2週間/1回
春吉局、元岡局
炭素成分(有機炭素等の2項目)、イオン成分(硫酸イオン等の8項目)、無機元素成分(鉄等の30項目)
令和5年度の市内2局平均のPM2.5の成分割合(図1)と令和元年度から令和5年度までの季節毎の成分濃度(図2)を示します。
令和5年度のPM2.5の成分を分析した結果、硫酸イオンの割合が最も高い結果となりました(図1)。前年度と比較すると、成分割合に関して大きな変化はみられませんでした(図2)。
注:春吉局、元岡局の2局平均
注:令和元~3年度:市役所局、元岡局の2局平均
令和4~5年度:春吉局、元岡局の2局平均