環調第299号
平成27年3月31日
福岡県知事 小川 洋 様
(環境部自然環境課)
福岡市長 髙島 宗一郎
(環境局環境監理部環境調整課)
福岡空港滑走路増設事業に係る環境影響評価準備書についての
環境の保全の見地からの意見について(回答)
平成27年2月12日付け26自第1758号で照会のありました標記の件について,別添のとおり回答いたします。
福岡空港は市街地に位置する都市型空港であり,本事業は,既設飛行場における滑走路の新設を伴う飛行場及びその施設の変更の事業であることから,工事中及び供用後の環境影響への配慮が重要であり,また,事業に伴う環境影響がどのように変化するのかをわかりやすく環境影響評価図書に記載することも重要である。
ついては,環境保全の見地から下記のとおり意見を述べるので,評価書の作成にあたり,下記に示す事項について検討するとともに,今後の事業計画及び保全対策に反映させること。
環境影響の変化に重要と考えられる予測の条件,環境影響の回避,低減等に係る環境保全措置等について,評価書において丁寧に記載すること。
航空機の運航に伴い発生する騒音については,既設飛行場における滑走路の新設を伴う飛行場及びその施設の変更の事業であることから,現状の運用実態に照らし,予測手順,予測式等の予測方法が妥当であることを示すとともに,滑走路の新設等に伴う環境影響の変化を評価書においてわかりやすく記載すること。
準備書において講じることとした環境保全措置等については,供用開始後の環境影響の状況に応じて,適切に実施すること。特に,空港利用時間については,福岡空港の地理的条件を勘案しつつ,航空機の運航の現状の検討を行い,構造的な遅延の改善に向け取り組むこと。
環境保全措置として実施する防音壁の設置については,遮音性能等についても検討を行うとともに,住民等の意見を踏まえた検討をあわせて行うこと。
生態系における典型性の注目種の選定について,人の生活と深く関わりを持つ種(ドバト,カラス類)は事業による環境影響を反映しにくいと考えられることから,評価書の作成においては典型性の注目種の選定について見直しを検討すること。
環境監視調査については,既設飛行場における滑走路の新設に伴い環境影響が拡大することを踏まえ,調査地点の追加等の環境監視調査の充実を図る旨を評価書において記載すること。なお,調査地点の追加等の環境監視調査の充実を図る場合は,関係自治体と調整すること。
また,環境監視調査結果の公表の際には,広くわかりやすく情報を提供する必要があることから,調査時期や評価量等の内容及び方法を検討し,具体的に評価書において記載すること。
なお,将来の航空機騒音の状況が,環境影響評価準備書に記載した進入方式高度化導入に係る航空機騒音の予測の条件と大きく異なる場合は,これに対応した環境監視調査の実施を図る旨を評価書において記載すること。