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更新日: 2021年12月15日

福岡市西部工場建替事業に係る計画段階環境配慮書についての環境の保全の見地からの意見について(送付)

環調第421号
令和3年12月14日

福岡市長 高島 宗一郎 様
(環境局施設部西部工場再整備担当)


福岡市長 高島 宗一郎 
(環境局環境監理部環境調整課)



福岡市西部工場建替事業に係る計画段階環境配慮書についての
環境の保全の見地からの意見について(送付)



令和3年10月22日に提出された、福岡市西部工場建替事業に係る計画段階環境配慮書について、福岡市環境影響評価条例第4条の6 1項の規定に基づき、下記のとおり環境の保全の見地からの意見を述べます。





1 全体的事項

 事業実施想定区域周辺は、北西から南には山林地域が拡がっており、北東から南東には主として住宅などの市街化区域が拡がる地域である。
 本事業は、まず現西部工場(以下、「現工場」とする)を稼働させながら、西部資源化センターを解体・撤去し、その場所に新たなごみ焼却施設(以下、「新工場」とする)を令和13年度頃までに稼働させる予定である。その後、新工場の稼働後には現工場の解体工事が計画されており、これらの工事及び施設の稼働による複合的な影響は長期間継続するものと想定されている。
 これらの地域特性及び事業特性を踏まえて、本配慮書において、煙突の高さ、位置について複数の案が設定され、案ごとの環境影響を比較検討した結果、施設の存在に伴う景観のみ複数の案による評価が異なっていたが、いずれの案についても重大な環境影響はないものと評価している。条例における配慮書手続の趣旨に照らし適切なものと考えるが、方法書以降の手続においては以下のことに留意されたい。
 事業者は、基本構想において複数の案から絞り込む予定とのことであるため、当該構想の策定にあたっては、計画段階配慮の結果を反映させ、その検討の経緯を方法書で明らかにすること。
 方法書以降の手続においては、工事用ヤードの設置や地下構造物等、可能な限り工事計画及び施設計画の詳細を明らかにし、地域特性及び事業特性を踏まえ、必要な環境影響評価項目を選定し、調査・予測・評価を行うこと。
 本事業は建替事業であることから、調査・予測・評価の結果について、できる限り現状と比較し、わかりやすい図書となるよう努め、環境の保全の見地からの意見をより適切に求められるようにすること。



2 個別的事項


(1)大気質及び騒音、振動について

1.大気質について
 本配慮書によると、新工場の稼働により発生する排ガスについては、重大な環境影響 のおそれはないと評価されており、方法書以降の手続において、必要に応じた環境保全措置の検討を行い、事業に伴う影響の低減を図るものとされていることから、利用可能な最良の技術による環境対策手法や設備を導入する等、実行可能な範囲で環境影響を低減できるよう検討すること。
 また、様々な気象条件により生じる局所的な環境影響の程度についても適切に調査・予測・評価できる手法を選定すること。

2.騒音について
 本配慮書によると、一般車両の走行により現況で環境基準値を超過している地点における資材等運搬車両の走行音について、重大な環境影響のおそれはないと定性的に評価されている。
 方法書以降の手続においては、地域特性及び事業特性を踏まえて適切な調査・予測手法を選定し、分かりやすい評価とすること。

3.相互影響について
 方法書以降の手続においては、影響要因ごとの調査・予測・評価を行う必要があるが、現工場の稼働と建設工事等が同時に発生するなど、複数の要因による相互影響についても検討すること。


(2)景観について

 本配慮書によると、新工場の景観への影響については、現工場と比べて圧迫感や仰角が大きくなる地点が存在するが、規模・配置、形態・意匠、色彩に配慮することで重大な影響はないと評価されている。
 方法書以降の手続においては、可能な限り施設計画等を示し、現工場解体による視覚的変化も考慮した上で調査・予測・評価を行うこと。また、周辺の自然環境等との調和や季節的変化に留意すること。