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更新日: 2019年10月16日

福岡広域都市計画道路14・1-3号都市高速道路3号線延伸事業に係る環境影響評価準備書についての環境の保全の見地からの意見について(回答)


環調第79号
令和元年7月26日


福岡県知事 小川 洋 様
(環境部自然環境課)


福岡市長 高島 宗一郎 
(環境局環境監理部環境調整課)


福岡広域都市計画道路14・1-3号都市高速道路3号線延伸事業に係る
環境影響評価準備書についての環境の保全の見地からの意見について(回答)


 令和元年6月26日付け1自第336号で照会のありました標記の環境影響評価準備書について,下記のとおり環境の保全の見地からの意見を述べます。




1 全体的事項


 事業実施区域周辺は,博多駅と福岡空港との間に位置し主要幹線道路が集中しており,通常から交通渋滞が発生している地域である。主な土地利用は事業所であるが住居も近接しているほか,地表面に近い深さに地下水が存在している。この地域特性及び橋梁やトンネルも建設するという事業特性を踏まえ,今後の施工計画の策定にあたっては現地の状況を詳細に調査して専門家の意見を十分に聴くとともに,その検討内容などを明らかにし,地域住民の理解を得ながら事業を進めることが重要である。



2 個別的事項


(1)大気質,騒音及び振動について



 地域特性及び事業特性を踏まえ,施工計画の策定にあたっては周辺の生活環境等に十分に配慮し,可能な限り工事の実施による大気質,騒音及び振動の影響低減に努めること。なお,先行して実施されている福岡空港滑走路増設事業と本事業との同時期の施工に際しては,資材等運搬車両の運行時間帯が極力重複しないよう調整を図ること。
 工事の実施及び道路の供用に係る自動車の走行による大気質の影響については,地域特性を踏まえて平均走行速度を適切に設定して予測を行い,評価書に記載すること。
 道路の供用に係る騒音の影響において,環境保全措置としている既存主要道路への排水性舗装の敷設については,より減音効果が期待できる技術を採用するとともに,敷設後は減音効果が維持されるよう適切な管理に努めること。また,住民意見を踏まえ,道路に沿って広がる騒音の影響については,環境保全措置の効果も含め予測結果は面的にわかりやすく評価書に記載すること。



(2)地盤(地下水環境),動物,植物及び生態系について



 事業実施区域北側の遊水地における自然環境は地下水との関係が強いと考えられることから,工事中も含め地下水環境を保全することが重要である。環境保全措置として挙げている地下水流動保全工法の具体的な検討にあたっては工事中の影響を可能な限り低減するよう配慮し,地下水のモニタリングを継続的に実施するとともに,現場状況や工事の段階に応じた必要かつ適切な工法採用及び完成後の維持管理を行うこと。
 上記環境保全措置の効果を検証するため,希少植物の生育状況に加え,希少な水生昆虫等の生息状況についてモニタリングを行うこと。なお,必要に応じて,遊水地の生態系を支える植生等の状況確認及び追加の環境保全措置を検討すること。
 希少植物の移植については対象種の生態を踏まえ,専門家の意見を聴いて手法等を決定し活着状況をモニタリングすること。



(3)景観について


 既存の高架道路が存在する地域において実施する事業であることから,道路及び構造物の形式等の検討については専門家の意見を聴き,既存高架道路も含め周囲の景観との調和に努めること。



(4)廃棄物等について


 廃棄物等に係る環境負荷低減のため,環境保全措置として挙げている再資源化施設への搬入及び工事間利用の促進に加え,建設汚泥も含めた建設副産物について再生資材の利用率の向上に努めること。


(5)その他


 トンネル掘削等における事故発生時には周辺環境にも甚大な影響を及ぼすおそれがあるため,事故防止の観点から,掘削工法等の具体化に係る検討を行う際は十分に専門家の意見を聴くとともに,選定された工法等については環境影響のさらなる低減を目指すこと。