現在位置:福岡市ホームの中のくらし・手続きの中の環境・ごみ・リサイクルの中の福岡市の環境の中の環境保全・自然環境の中の福岡市の環境影響評価の中の福岡市環境影響評価審査会から議事の要旨 平成22年6月7日
更新日: 2011年3月9日

平成22年度第1回福岡市環境影響評価審査会 
議事の要旨 平成22年6月7日


日時 平成22年6月7日午後4時~午後6時(2時間00分)
開催場所 福岡ビル9階 第5ホール
議題 (1)会長の選出
(2)(仮称)アイランドシティ線環境影響評価方法書について
(3)その他
出席者 浅野委員,川口委員,楠田委員,小島委員,近藤委員,島田委員,薛委員,田村委員,萩島委員,久留委員,平田委員,柳委員,山田委員(50音順)
会議資料 資料1 (仮称)アイランドシティ線環境影響評価方法書の概要
資料2 (仮称)アイランドシティ線環境影響評価方法書の意見概要
参考資料1 福岡市環境影響評価審査会規則
参考資料2 福岡市環境影響評価審査会委員名簿


【議事概要】

(1)会長等の選出

発言者 発言内容
事務局今回は委員改選後初めての審査会のため、福岡市環境影響評価審査会規則第4条第1項に基づき、会長を委員の互選によって定めていただきます。事務局としては前期も務めていただいた浅野委員に引き続きお願いしたいと考えているがいかがでしょうか。
委員賛同。(全員)
事務局ありがとうございます。それでは浅野委員に審査会会長をお願いしたいと思います。
会長それでは今期も会長を務めさせていただきます。よろしくお願いいたします。
本日の案件は、福岡市としては初めての法の対象となるアセスメントでございます。法律は高速道路については規模の要件を付しておりませんで、全件が法アセスということになっております。また、従来の市の条例に基づくアセスとは多少様子が違いまして、法に基づくアセスに対する意見ということになりますから、その点は十分にご理解いただきたいと思います。それから内容的にはたびたび申し上げておりますが、今回の市長の意見に対する審査会としての意見提出の内容は、準備されている方法書に対する意見提出ということであります。方法書というのは、良くご存じのことだとは思いますけども、これから何についてアセスをやるか、どの項目についてアセスをするかということと、それからその項目について、どういう調査方法で、どういう予測をして、ということについて、あらかじめ書かれたもの、これが方法書ということでありますから、その内容が十分であるかどうか、もっと調査をしなくてはならない項目があるかどうか、この項目についての調査をするとすればどういう方法が望ましいか、こういうことについて専門的な見地から意見を述べるということになります。それからもう一つ、前提としてご理解いただかないといけないのは、今回のアセスメントはかたちとしては都市計画に関するアセスメントでありますので、法律の様々な点で特例がもうけられている。つまりアセス法の中ではあとの方に都市計画に関するアセスメントという条項があって、都市計画に関しては、実際にはこの計画の場合には事業を誰がやるか決まっているのですけども、誰が事業やるかはっきりしない場合でも都市計画決定に際してアセスメントを行わなければならないので、形式的にはアセスメントを行う責任主体は都市計画決定権者であるということになっています。そいうわけで福岡県からこの方法書が届いたのでちょっとびっくりされたかもしれませんけれども、これは福岡県が都市計画を決定するという立場にあるものとして最終的にこの環境影響評価についての責任を負っているということになります。とはいうものの、福岡県が自ら事業をやるわけではありませんし、県が自ら調査をやるということでもありませんので、率直なことをいうと県は単なるダミーでありますから、意見は実質的には県に対して述べるとはいうものの、その背後にいる事業予定者に意見をいう、そういうことでございます。今回は誰がやるか、ということがはっきり分かっているので良いですが、案件によっては実際には誰が事業をやるか分からない都市計画段階というときもありますし、それからもう一つは都市計画決定がされて、その後、さらに都市計画に基づく事業の実施ということになってくるのですが、これについては都市計画決定の手続きの段階でアセスは終わりで、次の事業実施段階ではアセスは実施しませんので、ここでちゃんとやっときませんと次にはチェックが出来ないということになります。その点もございます。それから最後に申し上げておきますが、事業の善し悪しのことについては本来、アセスメントが取り扱う内容ではありません。ですが、福岡市の審査会は従来から結構その点についてもうるさく言ってきておりますので。まぁ、あるかもしれませんが、直接的には市長に対する意見として、この事業が良いか悪いかということについて述べるわけではありませんので、その点、仮に発言されても発言を封じる気はありませんが、それが最終的に意見書に載るかどうかは保証の限りではありません。その点もあらかじめご承知置きいただきたい。以上が前置きでありますが、実は法そのものの改正作業が今、行われておりますけれども、改正法が通ったとしても実際にそれが施行されるのは1年後あるいは2年後ということになりますので、今回の案件は従来どおりの法律に基づいて取り扱われるということになります。法律の状況ですけども、参議院では既に可決されておりまして、現在、衆議院まで行きまして衆議院では環境委員会で参考人質問まで終わったんですが、その後、もう一回やりましょうというところで総理が辞めてしまいましたから国会がとまっておりまして、現在、国会の会期を延ばしてもらえない限りは改正法が通りそうもない、こういう状況になっています。これは余計なことですが、報告として申し上げておきます。
それでは次に、会長の代理を選ばなければならないことになっています。藤本委員にこれまで会長代理をお願いしていましたので、会長代理を藤本委員ということで指名をさせていただきたいと思います。皆さん、よろしいでしょうか。
委員賛同。(全員)
会長それでは藤本委員に会長代理に就任を依頼したいと思います。

(2)(仮称)アイランドシティ線環境影響評価方法書について

発言者 発言内容
会長では早速、本日の方法書の審査に入りたいと思いますので、方法書の概要と提出された意見等について説明をお願いします。
事務局(資料により説明)
会長それでは審査会として会議を開くのは今日が最初でございますが、現行法では政令市長が県知事に対して意見を述べるということになりますので、時間的には余裕がありません。時間をかけてこれをじっくり検討してということをやっていますと市長の意見提出の期限を過ぎてしまいますので、大変残念ですが。今日出された意見をもとに、あとは事務局で整理をして市長意見をまとめる以外にございません。2度、3度と審査をする余裕がありません。法が改正されますと、市長は単独で意見を出せるようになるんですが、現在はそうではありませんので、今日は出来るだけ意見は多数お出しいただきたいと思います。
それでは質問と意見という二つを区別するようなことはやりたくないので、どなたからでも結構ですが、ご意見をいただきたいと思います。
まず委員から書面が出ておりますので、ご発言があるようでしたらお願いします。
委員お手元にコメントを書いておりますが、非常に細かいこと、あるいはてにをはまで関わるような話しも書いております。が、勘違いもあるかと思いますが、読んでいただければ分かるようなことでございます。特にご指摘したいのは4番でありまして、これについては専門の人はすぐに分かる話なので。今日もご覧になった御島という島が海の中にありますけども、これが第三紀層ではなくて、蛇紋岩であるということが最近分かってきました。しかもこれはもう市販の地質図に今から十五、六年も前に分かって記載され、皆さん知っている話なんですけども、全然引用されていない。これはどういう意味があるかといいますと、古い基盤がですね、こんなところに顔を出しているんですね。そうしますと、新しく道路をつくる、あるいは高架橋をつくるときの基礎の関係で、一つ重要な意味を持つと思いますので、あえて4番を強調いたします。5番は書き方なんですけども、p47に濃い線で実線で書いてございます。断層が。こういう書き方をしますと確認断層というのが常識でありまして、海の中でどうやって確認したのか。こういう書き方はおかしいのではないかと思います。どこに根拠があってお書きになったのか。断層にはですね、推定断層、確定断層、伏在断層、こういう種類がありますので、これを記号で分けて書くのが普通なんですけども。どうしてこうなったのかというのが聞きたい。それから5番目は、ちょっとこれは私も間違っていますが、”ほばしらいし”と、こういう書き方をしていますが、もうちょっと詳しく書いていただかないと。これが天然記念物でありまして、これは遠いところにあるから関係ない、とされておりますが、これは元寇のときの檣ではございませんで、珪化木という天然の地層の中にあるもので、似たようなものはたくさん出てきます。だから掘れば調査地点から出てくる可能性もあるんですね。そういう意味で何にもそういうことが書いてない。檣石としか。インターネットで見ればいくらでも出てくる。百科事典でもいくらでも出てくる話で、福岡の人は良く知っているんですけれど何も書いてないのでもう少し書いていただかないと困ります。6番は単なる確認をお願いしたい。以上です。
会長それではこれは前提となる事実ではあるわけですが、今の委員のご指摘にあったように重要なポイントでもあるということですけれども、これについて現段階で何かお答えがありますか。
事業者委員からご指摘のありましたところで、ケアレスミス等も含めまして、1番から3番の表記につきましては、ご指摘のとおり追記若しくは修正等を行いたいと考えております。4番の表層地質図につきましては、新しい地質図、1994年の方につきまして、今後、新しい地質図を参照し、修正をしたいと考えております。続きまして5番につきましては、名島の帆柱石の記述でありますので、文化財関連のホームページも含めて資料を確認した上で解説の方を考えてまいります。そして6番につきましては、平成21年4月1日から水質基準の見直しが行われておりまして、31ページ、39ページのご指摘につきましては見直し前の数値を記載しておりましたので見直し後の数値に修正を行います。その他、128ページ、125ページ、135ページにつきましては、見直し後の数値を記載しておりますので修正は必要ございません。136ページにつきましては、土壌汚染の環境基準ですが、これは中央環境審議会で審議されているところありまして、準備書段階で、基準が出された段階でそれに基づき記載したいと考えております。現時点では数値の修正は必要ないと考えております。155ページの排水基準につきましても同様に審議がなされているところで、改正は現段階では行われておりませんので、数値の修正は現時点では必要ないと考えております。
以上のように修正点が多々ありましたことお詫び申し上げます。
会長最後の136ページの基準については数日後には決まります。本当は先週決まっていたはずなのですが、延びただけのことです。もう完全に決定済みですので、ここで直せとは言いませんけども変わります。確実に。それから4番のお話しはむしろ、これ自体を直す、直さないという話しよりも、そのことが現地を調査するときに何か出てくる可能性があるとか、それで大きく影響を受けるであろうというご指摘ですから、そのことを十分に。これ自体はどう書いているか、という問題じゃなくて方法書の性質上、これに基づいて調査が行われるときに誤った調査が行われると困る、というご指摘です。だから、ただ書類が正しいとか間違っているとかについて指摘しているわけではないので、その点は誤解のないようにしてください。いずれにしても準備書の段階で間違ったことを書いてはいけませんから当然、直るということは当たり前のことですけども。ご指摘はむしろ方法書に関わることとしてはそれが調査の上で大きい。例えば帆柱石にしても桂化木が他にも掘ったら出てくる可能性があるかもしれないから留意せよと、こういうご指摘ですから忘れないようにおいてほしい。
他の委員からコメント、ご質問、ご意見がございましたらどうぞ。
委員参考までに、お願いというか、何かいい知恵はないかということですが、まず1番目は、都市計画アセスの場合に会長が冒頭でおっしゃられたように、工法で検討するというわけではない、だけど議論をしなければならないということで、いろいろとシミュレーションをかけられることになっているわけですが、シミュレーションをするような議論をしなかった路線決定ですとか、工事を採用するというようなことを回避するために、初めから、かなり幅広くシミュレーションをかけるような、あるいは検討してはいかがでしょうか。そういうことが、制度上可能かどうかはっきり分かりませんけども、そうされた方がいいのでは、ということなんです。もし、それが無理だということであれば、想定してシミュレーションで議論しない路線や工法を採用するということであれば、追加で検討するということは必要かなと感じました。
それで、それに関連してなんですけども、いわゆる都市計画アセスを行うときには、事業アセスではなくて、ある種の計画アセス的なところまで入り込める可能性があるというふうに考えます。制度上、それが可能なのかどうか分かりませんけれども、p180辺りのところの文章は全部そうなのですが、評価の手法並びその手法の選定理由というところで、評価の時に、文言が全部そうなっているのですが、検討した結果、実行可能な範囲内において、環境影響ができる限り回避・低減すると記載されていて、いわゆる典型的事業アセスになっています。もし可能であるならば、ある程度想定した時に、影響が出るということであるならば、計画アセスですから、初めの工事計画から少し変えることは可能ではないか。そういうふうな配慮というのが制度上可能であるならば、どこかで導入していただきたいというのが1点目です。
それから第2点目は、100メートル水路のところに橋梁が建つことになっていて、その水質に対する影響の検討が、水の汚れになっている。それで、窒素とかりんを検討することになっているのですけれども、感覚的には、水の汚れ、そういうものの汚れではなくて、橋脚が1本建てば、当然水の流れが遅くなる、速くなることはなく遅くなると、細かい微粒子の堆積があって、それが片男佐のところにどう影響するのか、そっちの検討も必要ではないか。そういう意味で、水の濁りが、水路に障害物が建つものですから、効いてくる可能性があるのではないでしょうか。
それから生物の検討をされるときに、対象のこの地域のいわゆる典型種の底生生物としてホトトギスガイとかシズクガイというのが挙がっているのですけれど、本来は、環境が悪くなって、こっちの方が増えてきたので。元々はアサリとかのまっとうな生き物がおるかと思うんですね。昔はおったのが、今はいなくなって、そういう少し劣悪な条件でもタフに生きていけるようなものが出てきたときに、やむなく生き残ったものを典型性のある生物だとして保全の対象になるのかな、本来の筋からすればちょっと違うのではないかなという感覚がありまして、水質面でこれが表に出てくるのは悲しくなるという感じがいたします。以上です。
会長ありがとうございました。3つご意見いただいたうちの第1点は、方法書の記載について。どうしてこれは記載をしていないか、という質問ですが、これはこの段階でも答えていただきたいことです。2番目については、むしろ意見として出しておいた方がいいと思うので、これはちゃんと意見書の中に入れたいと思うのですが、第1の点に関しては、構造そのものの問題なので、意見書の中に書いてガラガラポンというのもたぶんお困りでしょうから、納得のできる説明があるならば、それはそれでしょうがないのかなという気がするのですが。
基本的事項の改定をやっていることは、とっくにご存じですね。だいぶ前に基本的事項の改定を行いました。そのことはよく分かっておられると思います。方法書の中で、検討過程について記載するようにと言っています。そのことも分かっていらっしゃるでしょうね。それで方法書に書いていないということは検討していないという理解でいいのですか。
事業者検討していないということではなくて。
会長今の質問はそうです。書いていないのだから、やったのであれば、書いておられるはずでしょうというご質問です。委員も、分かっていらっしゃる。やっているのだったら、何故書かなかったのかということです。
事業者今のは語弊がありまして、今の時点で、事業計画上、書ける内容として書かせていただいているということです。
会長だから、都市計画であればあるほど、いろんな案を検討しているはずだから、そのいろんな案の検討過程については、差し支えない限り方法書に書けと言っているわけです。あるいは方法書の基本的事項の改定は私も深くかかわりをもっておりますから、こちらは熟知しているわけです。ですから、方法書に検討過程についてやっていないのであればやっていませんでいいし、やっているんだったら、何故書かなかったのか理由を示してもらわないといけないわけです。
事業者それでは回答させていただきますが、事業計画については、私が細かいことを言えないことをご理解いただきたいのですけど、いろいろな道路の設計を検討している段階でありまして、その中で、先ほど会長からご説明がありましたように都市計画アセスということで、今の時点で方法書の中に記載できる範囲ということで掲載をしているというところでございます。確かに、情報として非常に少ないというか、書けるものがあまり含まれていなかったということで、こういうかたちで記載させていただきました。
会長ということですが、委員のご指摘の真意は、もうちょっと別のところにある気がするのです。
委員環境上、支障のある案を採択されない方がいいということ。もしそういうことになるんだったら、避けていただいた方が皆さんに喜ばれる。
会長要するに、今の制度の元での方法書には何故ここになったのかということを差し支えなければ書いてくださいということです。だから、他にも高速道路の線を引っ張るとすればいろんな引っ張り方もあるだろう。やっぱりこれが採算が合うんだということを論証できなければダメなんだという考え方ですね。いきなりこれがくるような、これが案ですというはずはないはずないという前提で、今までも考えていた。今度の法改正で、もっとちゃんと、きちんとやってもらわないといけなくなるけど、今まででも実際には検討をしているはずだから、検討していることを方法書の段階で差し支えない限り書いていただきたい。それはあまり書くと、例えば用地買収の点で問題があるとかいろんなことがあり書けないことがあるかもしれないけど、果たして本当にそういう事情で書けないのかどうなのか、ということです。
だから、今のこの構想の中で細かいことについて、ああだこうだと言ってるんではなくて、大きくこのような計画になっているということに至るまでのプロセスで、どういう様子で代替案をやっていますか、ということです。結果的にこれが一番いいという理由、少なくともこの現在の方法書に書かれているような枠の中でやらざるを得ないということになった理由があるはずです。
事業者よろしいでしょうか。住宅都市局アイランドシティ自動車専用道路担当課長でございます。今、お答えしましたけれども、方法書を作る段階では、まだルート的なものは調整がつかず、確かにおっしゃるように、お示しできる分は方法書の中でお示しするということで考えておりましたけれども、どうしても示されないという理由がありまして、会長もおっしゃられましたが、地権者の問題もございます、事業予定者の関係、また、福岡市のいろんな部局がございます、その中で調整させていただいて、今まだ、ルート的なものは決まっておりません。漠然とした範囲の中で、調整して決定していくというかたちで、現在、調整しておりますので、方法書にお示しできなかったということです。
会長はい、分かりました。とりあえず、今、そういうお答えということにしておきましょう。
それから、2番目については、これは会長の判断としては、全く同感でありまして、水の汚染が底質をいじくり回すからということだけで出ているわけです。濁りについても同じで、調べるのは海底の掘削をするから濁りが生じるので、それでアセスをしますと書いているということなんですが、委員のご指摘は、橋脚を建てることがむしろ大きく効いてくるんではないか、その点についての予測はどうなんだ、ということで、全く方法書にはその点についての記載はない。その点は考えておられない印象があるわけですが、この点、他の専門以外の先生からご意見があればお出しください。どうですか。
委員はい。私もその点を指摘させていただきたいなと思っていたところなんです。173ページですね。水の濁りというのは、いわゆる工事の実施の時のみ調査され、項目として評価するとのことなんですけれども、いわゆる橋脚の存在、それに関しては詳細は全く評価項目として挙がっていないということなので、これはしっかりと挙げていただきたいというふうに私も思っております。
会長会長としての直感的な判断は、だいたい専門の先生にサポートされていますので、これはやっていただかないといけないのではないかなと考えます。その結果、環境保全措置として必要な場合には必要な対応をしていただかないといけないということが出てくる可能性はある。生きもの系の方で橋脚の問題について、何かございますか。
委員このあいだ、福岡県の方の委員会で発言させていただきましたけど、その時の話ではまだルートが決まっていないということで、私としてはなるべく橋を建てない方向でルートをつくっていただければなと思っておりますので、意見を述べさせていただきました。もし仮に橋ができれば、当然影響は出るだろうというふうに思います。たぶん、流れがなくなったり、そういう影響が出ると思いますので。もしそういうことになれば、別に反対している訳ではありませんが、そういう評価をしていただかなくてはならないというふうに思います。
会長特に橋脚を考えられている辺りの水生生物系とか植物系とか。
委員植物はアマモが少し生えていますので。アマモの場合は、流れがどうということは、たぶんないと思うのですけれども、あまり流れが遅くなりヘドロがたまるような状況になると、多少影響が出るんじゃないかと。調べた訳じゃないので、直感的なのですが。
会長これは調べていただいた方がいいということですね。
委員そういうことですね。
委員どの程度の流速の変更が生じるから、その結果、土砂の堆積等によってアマモの生息環境に影響を与えるおそれがないか、これを調べるべきだ。
委員はい、そう思います。
会長はい、分かりました。事務局、分かりますか。市の方も、理解できますね。
それから典型生物については、委員の感想的コメントということであるわけですが、その点はどうですか。これは、しょうがないのかなという気もするのですが。でもせめて、アサリでみたらどうかというご指摘ですが。
委員現在、数年にわたって博多湾の人工島の周りの生物調査をやらせていただいております。その結果なんですけれど、アイランドシティの奥まったところ和白前面海域それと御島海域は、海底の状況がまるで違っています。和白干潟の前面海域は、ものすごく悪い、かなり悪い状況です。御島の方は委員もおっしゃったように、今、生息している生物は、悲しいかな、汚濁指標生物ばかりでアサリはほとんどいないのが実態かと思いますが、御島海域の今ある生態系を守っていただければと考えております。ここの生態系を考えたとき、先ほど典型生物として委員がご発言になられたアマモを中心に考えられたらどうか、アマモ生態系を中心に考えられたらいかがかと思っております。
このアマモは、橋脚を建てる区域の他に御島海域にもかなり生えていると思いますので。アマモというのはいろいろな生物が寄ってきますので、アマモ生態系というのは一つの指標になるかと思います。
先ほど、委員がおっしゃっていたことも心配しておりまして、それは水の濁りからみた調査区域です。今日、配っていただいた資料の黄緑色の範囲の水深2メートルのところに橋脚を建てて影響が出てくるわけで、御島海域の生態系をどれほど守っていただけるのかという観点からシミュレーションを御島海域でやっていただきたいと思います。特に博多湾の本海域は水の流れが複雑でして、香椎川、それから和白の方から流れてくる水、それから多々良川の水、それから満潮時には水深の深いところから流れてくるいろいろな複雑な水の流れがありますので、シミュレーションの結果と御島海域の調査地点を注意深く確認していただきたいと思います。
会長ありがとうございました。ここは、福岡市の環境局に聞きますけど、これまでの知見の蓄積はあるのでしょうか。海流等について。
事務局御島海域の流況関係、シミュレーション関係なんですけれども、これはエコパークゾーン整備事業に伴って検討がなされているものがあればあるということです。港湾局に実際のところは調査データについては照会しないと。今ここではどのような状況かは分かりません。
会長そうですか。分かりました。いずれにしろ、事業者側としては、照会をして、データがあるなら、それは可能な限り使えばいいわけです。方法書はそのためにあるわけだから、既存のデータがあるなら既存のデータを使って、無駄な調査はやめておくということがあるんだろう。人工島を作った後のフォローアップをやってますから、潮流予測と違っていることはありませんから、やっていますね。何かあるはずだから、やれと言われて、ここで億単位の金が余計に要るとは思わないのですが・・・。
委員予測はあります。
会長そうですよね。ですからこれは、まさに方法書の審査として一番大事な点なので。その情報の存在を十分に確認して、有効に活用していただきたい。そして今、ご意見があったようにこの御島崎の方に至るまで影響を見た方がよいということはご指摘がありましたから。その点はその点として、意見として入れておく必要があるかと思います。
騒音に関しては、委員からご指摘があった点について、私は概ね委員が言われるとおりでいいと思っておりますが、今日は音関係については、特段、ご専門の方は他にいらっしゃらないのですが、この点は、環境局としては、委員のおっしゃることについて、特に何か必要ない部分はあるのでしょうか。一部もっともだと思っていますが。
事務局委員からいただいた意見でございますけれども、予測地点の問題は、明らかに現在の手法では高さ方向を見るようになっておりますので、準備書の段階で修正されると思っております。また、自動車の車両の交通に係る将来の交通量がまだ明らかにされておりませんので、その分、我々としても何とも言い難い部分もありますけれども、交通量は計画交通量が明らかとなった時点で、詳細に予測手法とかをお示しいただければと考えております。
会長特に、合流点について、予測地点を考えて、予測地点を決めなければいけないのではないかというお話しですが、これは、現段階では合流地点がまだ分からないということですか。分からないなら、準備書の段階までにはある程度分かるわけだから、それを入れておかないのも一向に構わないのではありませんか。
事業者合流する地点が、自動車騒音の影響が大きくなると考えられることから、これをふまえて予測地点を設定することということで、ご意見につきましては、予測地点の5になるかと思いますが、5につきましては、私どもも認識しているところでございまして、現段階でも、考えられる交通量の最大のところで設定を考えております。ただ、詳細な地点につきましては、今後、計画の熟度が上がった段階で、専門家のご意見をお聞きして妥当性を確認した上で、地点を設定するのが適当かと考えます。この場合は、路線案を準備書に記載させていただきます。
会長いいですね。その点は特にご異論はないはずですから。それは意見として入れさせていただきたい。それから、高架構造物音のASJ RTN-Model2008、これはさすがに私は知らない。初めて聞いた。これは何ですか。
事務局これについては、いわゆる交通騒音だけではなくて、橋梁構造の躯体から出る音ということです。ASJ Model、騒音制御工学会の予測式がございますので、これにつきましても、対応していただけると考えております。
会長それでは、今、海域の水の濁りの問題と、生物系の問題、特に海域に関連する生物の問題については、ご意見を伺いましたので、それ以外の部分についてご意見をどうぞ。
委員一つだけ。方法書の91ページ。先ほど委員が言われたアマモに関してなんですけれども、91ページの分布状況(植物)ということで、アマモ場がいわゆる100メートル水路のところにしか書いていないのですけれども、御島にもアマモ場が形成されている。というか人工的に作ったかたちで現在、生息してますので、ぜひともここにアマモ場があるという記述を入れていただきたいということです。
会長はい分かりました。これは、ある以上はあるということは書かなくてはいけないと思います。それが自然のものだろうと、人工のものだろうと、あるものはあるのだということですね。それから、昔、高速道路のアセスをやった時に、覚えていませんか。高速道路に降った雨水が、路面が汚いので、汚れた水がジャージャー出てきて、ここの排水はどうだ、と言ってやめましたよね。それについては、ここは特に海域に近いから、何かありませんか。どうやら、方法書を見ても、書いていないような気がする。
委員道路排水というのは、どこかで出さないといけないんですね。水そのものは遅かれ早かれ海に出ていくんですけれども、どこかで溜めるシステムを入れていただける方がいいですね。引っ張っていって、もっていけないものですから、普通の高速ですと樋みたいなもので、適当に柱のところから落として出してるんです。その排水を落とすとき、溜めマスみたいなものを設置されて、上澄みを出していただく、時々たまったものは掃除していただくというようにしていただけるといいんですけど、方法書の時には、それは細かすぎるかなと思って、黙っていました。
委員そうですか。ちゃんと予測をしていただく必要はあるような気がします。
委員はい。ご対応いただければ非常に嬉しいです。
会長それも入れておきたいなという気がしますが。
さて、地域の方々のご意見は、結構、景観関連のものが多くて、委員からのご意見も出ているのですが、この辺はどうですか。
委員ご意見の、快適性、快適さを測るのは別の委員のご専門なんですね。快適性を数値化されたりする研究をされているので。むしろそちらの委員がコメントされた方がいいかもしれませんけれども。事業者の方が写真を見て、どうだこうだと言うのもありますけど、市民の方に評価してもらって、評価をある程度客観的に数値化するということも方法的に確立して、そういうかたちであればできるのではないかと思います。
会長定量化の方法もあるはずだということですね。ちょっと、現在の方法書の評価の手法というところを見ると、何となく確認をする、検証をすると書いてあるだけで、どうやって確認をする、どうやって検証するか、何も書いていないですね。
委員私も専門的なところではないものですから。景観ということで今日、見させていただいて思ったのですが、98ページのところに景観、眺望の地点が書いてあるのですが、現地から見ると、ここに書いてある特にAからEというところが、果たして眺望地点としていいのか、というのが、素人的に分からないのですね。もう少し、住民の方、住んでいらっしゃる方たちですとか、生活で使っていらっしゃる方たちが見た位置からの景観がどうであるかというところも、視点は要らないのかな。そういうような調べ方、それとさっき言われた評価ですかね。そういう漠然とした感覚的なものが非常に眺望でも強いと思うので、その辺を数値化するのか、CGを作成するのか、市民の方たちにも納得いくようなかたちが必要なのかな、というように思います。いつも景観については漠然とした感じが残っておりました。まず一番の疑問は、この地点をどうやって選ばれたのかな、ということを質問したいと思っております。
会長眺望地点の問題というのは、いつも問題となるのですけど、要するに、そこに公共物が存在する、それが全体としての景観にどういう影響を与えるのかを考えて、ここを眺望点としてやられるということでしょう。だけど、地域の方々から出てくるご意見は、そういう話ではないですね。ですから、それに対しては、これはマニュアルにはありませんから知りませんと蹴ってしまっていいのですか。
事業者蹴る訳じゃなくて、やはり説明会等をやって、CG等も作ってご説明をして、ご了解を得るという形をとるしかないというふうに考えております。
会長だから、むしろここにあるような眺望地点ということで、例えばEとかいうと立花山になるのですか、それとか牧の鼻からはどうなんだというような話よりも、もっと直近のところがどうなるかという話、それは位置づけとしてはどっちなのですか。人と自然との触れ合いの活動の場の状況として、そっちの方で見ていくということですか。
事業者こちらの方としては、そのように考えています。
委員見える角度によって違うと思うので。どちらかというと、住まわれている方たちとか、そこで行動、生活されている人たちの角度から見たということが、どうしてもこの直線からは見えなかったですから。そこのところの視点があれば、また違った評価になるんじゃないかなと思います。
会長どうぞ。
委員そうした環境の評価を数値化するというのは、さっき委員も言われましたけれども、なかなか実際は難しいものです。研究でそういったことに携わってはおりますけれども、今の段階では、これを使ってくださいというようなお話しはちょっとできないですけれど。結局、そこが人工的であり、景観ができてしまっている以上、そこに道路を作るというのは、住んでいる側にとっては何らかの違和感というのはやむを得ないかと思うんですけれども。それは、さっきも言われていましたけれども、ある程度の対応やプロセスとかで、多少緩和するのか、あとは設計の問題で解消していくしかないのかなと。そういう定量的な評価というのは、難しいのではないかと思います。
会長どうぞ。
委員定量的に評価が学問的な意味で厳密には難しいと言ってもですね、定量的評価の意義には、誰が評価をするのかという問題、あるいは市民の人に意見を聞きそれを客観的な根拠とすることがあります。そうした、地域の人の意見を取り込む過程が大事なんじゃないかなというふうに思います。
会長例えばその高架構造物が、人工的ではあれ、公園としてできて、みんなが憩いの場として使っている場所に、人工構造物ができるとすると、どの程度の日照の阻害が生じて、日陰がどのくらいできるかという、それは容易に分かるはずです。これは既に、日比谷公園の横に富国生命ビルができたときに散々もめた例がある。最終的に、日比谷公園には日照阻害はないということで、裁判では事業者側が勝っていますけれど。そういう議論をやっているわけです。それとの比較で言っても、日比谷公園の周りにビルがいっぱいあって、公園の日当たりは全然悪くなっていないわけですが、ここの場合はどうなのか。それをどう評価するのか。そういう話もあっていいではないかと思うのですが。みんなが公園で楽しんで、日なたぼっこできるところが日陰になったら、日なたぼっこできないじゃないかとか。花火大会の会場として、花火がよく見えるところが見えなくなるというのは困るという意見はもっともだと思うのだけれど、そういう要素は、少なくとも事実は事実としてこうなりますというのははっきりとさせておいてほしいわけで、それが何でできないのかということでしょうね。影響があるのはしょうがないがだけれど、こういうかたちで、今までのような公園としての利用や、みなさんの触れ合いみたいなものは、ちゃんと何らかのかたちで代償措置が講じられますということが、たぶん環境保全措置なんだろう。悪くなります、それで終わりというわけにはいかないでしょうからね。しかも、結構、高架構造物が高いところを通るわけだから、圧迫感はありませんということになるかもしれないけれども、低いところは低いところで雨宿りできますということになるのでしょう。高いところだったら、雨宿りもできないので、高架構造物があって、それで終わりじゃないかという批判は出そうな気がする。どうやって、これをどうするかという話がある。特にこれは大きな問題だと思ったことは、福岡市景観賞までもらっているという地元の指摘に対して、その価値を崩さないような工夫があるのか。これは答えざるを得ないだろうと思います。方法書としても、こんなどこにでもあるような表現ではダメで、もっとそれについて、具体的にその現場に即してどう評価するかということを丁寧に書かなくてはいけないのではないか。この辺はどうですか。全くの外来資本がやるわけじゃない、福岡市がやる事業で、まさに市民の財産をつくろうと言っているわけだから、一方では、そこに今ある市民が、いいものがあるじゃないですかと言っている。答えないわけにいけないのではありませんか。
事業者先ほど申しましたように、今、会長もおっしゃいましたように、それをふまえて、ルートの調整等をやらせていただいております。また、先ほどからも申し上げましたように、まだ煮詰まっておりません。エコパーク御島ゾーンを頭の中に入れて、それを重要視して、市民の方からも意見が出ておりますので、それをふまえて、現在ルートの調整中ということでご理解いただけないかと考えております。
会長なんかちょっと工夫がないのか。という、この予測、評価の方法というところで。
事業者一応、自然との触れ合いの活動の場のところと、あと景観のところに関しましても、ヒアリングという通りいっぺんな書き方でしか書いていないんですけれども、特に地域特性をよくご存知の地域の方々の声やご意見をできるかぎり踏まえて調査を行いたいと思っております。また、地域の方から今回ご意見をいただいておりますが、すでにお話や情報交換というのは続けていきますというお話もやっておりますし、そういった中からアセスをご理解いただけるような点にもつながるかと思います。特にこの自然景観及び人と自然との触れ合いの活動の場のところについては、幅広く意見を伺っていくような取り組みを考えていきたいと思っております。
会長はいどうぞ。
委員よく理解はできておりますけれども、先ほど委員が言われたみたいに、私はプロセスというんですけれどもね。それと予測手法というところで申し上げれば、もう少し景観というのが遠くから見たものなのか、景観という意味あいをどうとるかなんですけど、もう少し近くでというか、住民の生活圏で見たところで、というのを加えられたらどうかなという気がするんですけれども。それを加えられたところで実際には高架とか見えたりするんだけれども公園で遊んでいるときには影響ありませんよということをときちんと説明されれば納得されると思うので。この選定根拠だけ見ていると何か遠くからというだけの評価だけのような気がするのでそのへんも加えられてはどうでしょうか。
事業者わかりました。ありがとうございます。
委員よろしいですか。
会長はいどうぞ。
委員私は専門ではありませんが、香住ヶ丘校区に住んでいて、人工島のできる前から住んでいるんですよ。それからすると、海岸通りの都市景観賞をもらったのは、もともとは石ころゴロゴロで全然親水性がなくて近くに降りられないのが、この人工島ができる代償措置のように整備されて、人工の砂が入れられてそこに親水性ができて、そこで市民としてもすごく海に親しむことができた、という人工島ができることによってできた人工の景観なんですよね。これはもともとあった景観ではないということで、人工島ができて良かったという部分はこういった整備がされたこと。だから今回の都市高速の延伸ということで、またなおいっそう何かプラスになる面があれば、それはたぶん市民としても許容できる部分となるであろうという気がいたします。
すいません、このマイクを借りてもう一点はですね、全く別のことなんですけど。今、このBという人工の散歩の遊歩道ができているところですけれども。ここを時々歩いてみたりすると、本当に波もない、本当にベタなところで、博多湾でも奥のほうなんだと思うんですけど。特に夏場になるとかなり悪臭がするような気がするんですよね。今日の評価の点で言うと、この悪臭に関してはとりたてて記載がないように思うんですけれどもその点をご質問させてください。
会長工事そのものとなんらかの因果関係があるような悪臭の問題があるということですか。
委員今でもかなりの悪臭がしてますから、例えばさっきから議論になっているような海の部分に橋脚が立つと、さらに流れがよどむというか、そういうかたちで流れが緩やかになって滞留ができたところでの悪臭の問題があると思います。
会長何らかのかたちで予測が可能ですか。海流、水の停滞が生じる。ちょっと難しいかなって感じがする。なんとなく直感的にはわかるのですが、因果関係をもっと厳密に解析せよといわれたらやり辛いかなとは思いますね。
事務局よろしいでしょうか。
会長はいどうぞ。
事務局今、委員がおっしゃったことですけども、たぶん夏場はアオサの腐敗ということではないでしょうか。悪臭の原因っていうのは。そういうことでしたら、先ほどの生態系のお話のところの、いわゆるアマモに注目した生態系を予測評価すべきという話もありましたけれども、その中で一緒に議論できないかと思います。
会長その限りとしてはいいのですけれども、悪臭という項目を挙げてやれっていわれてもちょっとやりづらいのではないかと思いますがどうでしょうか。
事務局なかなか予測は難しいんじゃないかなと。
会長委員のご専門の分野で何か特にご意見がありますか。
委員その前に、今の悪臭は、底質の泥がヘドロ状になって嫌気的になってくると臭ってくるというものもあるんだと思いますので、項目に底質は入ってましたかね。
会長底質は実際には底質に橋脚を建てるので水の濁りが生じるというその限りにおいては取り上げられています。
委員流れが今までどおりにいかない、停滞するということからそうした汚泥がたまるということでこれは大事なところで、指摘したいと思います。悪臭もたぶん工事に直接関係のあるところで扱うとしたらそういうところかなと思いました。
会長何か。
委員よろしいですか、悪臭の度合いで議論するのは非常に難しいと思うんですね。それで今、委員がおっしゃられた部分は水の汚れのほうの溶存酸素のところに持ち込むとひとつ話はできるかなという感じがしました。アオサのやつはちょっとわからない。
委員嫌気的なところがまずいと思いまして、溶存酸素は確かにいけるような気がしますね。海水の。
会長事業者大丈夫ですか。溶存酸素の予測。水の停滞のところから、なんかこうずっと解がでてくる。やってみたらいけそうですか。
事業者お答えします。溶存酸素自体の予測自体はアイランドシティのレビューアセスの中でも入っていて、可能は可能かと思うんですけれども、あくまでもアイランドシティの予測については年平均的なところでアセスをやっているので、どうしても夏場というところに限らないんですね。今、お話を伺っていると、悪臭というよりは底質の体系の環境の変化、それによる生物の変化を引き起こす事項かなと思いますので、そのへんで表現できればなと思っています。
会長少なくとも定性的にはいけるのですね。定量的になかなか厳しい感じがするんだけど。生物、植生は特に問題なしでしょうか。
委員ええ、生態系と植生は特段、問題なし。ただ、表の植物生態系というところで、さっき出たアマモ生態系ですね。それがはっきり74ページの枠の中に書かれていないと思いますので。項目の中では陸域、海域と書いてありますけど、そのことがここからはわからないのでこれを。
会長174ページでアマモの生育状況も文献上であるからと書いてはあるんですけど、後の方もむしろ実際に調査にきちっと入れてくれということもありそうですね。
委員アマモ自体は重要種に入っているんですか。
事業者入っております。
委員生態系の中では、典型性でも上位性でもないですね。だから、生態系という項目の中に、さっき委員がおっしゃったアマモ生態系が典型性かもしれないんですが、そうであるとすれば、生態系という項目の中にアマモを入れたほうがわかりやすいと。
会長はい、それはだいたい意見は一致しているますので、ベントスくらいしか、そんなのしか出ていないですね。それはおかしいなという話ですか。わかりました。
委員あとは陸上生態系としては述べることはございませんので。
会長鳥はどうですか。
委員はい。その前に、図でp54と、p62のこれは単なる抜けだと思うんですけど、紫色の一番海岸寄りのところの凡例が何なのか、ということがひとつあります。玄界灘沿岸というのは紫色で、これが凡例のところではありませんので。
会長そうですね。これは何でしょうね。ピンク色ですね。
委員はい。まとめて言います。
会長はいどうぞ。
委員p62のアイランドシティ地区っていうところには重要種確認地点というのが全くないというのがひとつと、それから名島城浜地区、ここでいろんな重要種が書いてありますけれども、港湾のデータではここにちゃんとクロツラヘラサギが入っている実例があるんです。アイランドシティのモニタリングのデータから読み取れると思うんですが、ここにないのは何でかなというのが二つ目です。
それからp191の、鳥類の調査の手法のところ、年4回、春夏秋冬とありますけど、ここは国指定の鳥獣保護区、それから御島エリアのエコパークゾーン、それから多々良川河口あたりで、シギやチドリがよく入る場所なので、春調査を一回ではなくて、出来たら春の前期、後期ということで2回くらいやらないと。春、いつやったかによっては、シギやチドリがぜんぜん記録されない場合もありますので、出来ましたらそのへんを配慮していただきたいというのがあります。
会長ちょっと今の点ですけれども、一回やるとして、最適時期みたいなのはあるでしょうか。難しいですか。たとえば春のどの時期が最適であるというようなことは言えますか。
委員シギ・チドリとすれば4月あたりですね。
会長だけど、4月だと抜け落ちてしまうものがありますか。
委員そのあとで入ってくる夏鳥といわれているような鳥類が、4月の時点で落ちる可能性があります。
会長それは例えば6月ぐらいだと、夏鳥だと夏のカテゴリーで調べたときに、これはまた最適時期ってあるのでしょうか。真夏にやってもなにも見つからないということがありますか。
委員そうですね。その辺は今までの人工島とかそのへんの調査の実績があると思いますので、そういうのを踏まえてやっていただければなと思います。
会長直接的なご要望は、春を二回に分ける必要があるということでしたけども、今の話を聞いていると、調査時期を専門家の意見を聞いて適切に選んで、その時期についても最適な時期を選ぶということをお願いしたい。これでかまわないですね。そこまでは書きますから。あとは港湾でやっているデータがあるので、それを参考資料にというのもある。それもぜひ見てほしい。これでよろしゅうございますね。
事業者はい。
委員あと2つなんですけど。猛禽類のハヤブサ、ミサゴっていうのが出ています。これは調査範囲から大きく外れて調査をしなければいけなくなると思うんで。その辺のところは一応書いてありますけども。調査範囲だけにこだわらないでお願いしたいと考えています。
会長具体的には調査範囲を広げなくちゃいけないですか。
委員そうです。
会長もうあと一点は。
委員それから、これは3日の現地調査でご一緒した委員からも頼まれたんですけど。
ここのところに高さが相当高いものができるわけですから、和白干潟、御島それから多々良川河口あたりを行き来する鳥にとってぶつかる可能性はないのかということ。まず、福岡の都市高速でバードストライクというかぶつかって命を落としている鳥類がいるのか、いないのかということを文献調査してもらいたいということと、もしあれば、そういう予定の場所を通過する鳥がいるのかいないのか、ぶつかる危険性があるかないか、その辺の調査をして対策を講じる必要があるのではないかということです。以上です。
会長はい、わかりました。現段階でこれについて情報がありますか。
事業者確認しておきます。
会長はい、お願いします。
それで、今回は計画の進捗によってはかなり高くなりますね。取り付けのやり方をどうするかによって変わってくる。だから従来のデータだけではすまないっていう可能性がある。むしろ、今ご指摘があったのは和白干潟と御島と多々良川河口の間で鳥が行き来しているという、そのことに留意して調査をせよ、とのことだと思います。その点はは考えておく必要があるのではないでしょうか。専門家がこの点を指摘しておられます。
事業者鳥類にかかるご指摘のほうで、ハヤブサ、ミサゴのほうにつきましても、鳥類の移動性に関しましても、十分ご意見をいただいた上で今後設定を行っていきたいと考えております。
会長これは十分専門家の意見を聞いてほしいと思います。何かご意見がありますか。どうぞ。
委員やはり構造物がまだ決まっていないということで、はっきりいろんなことが言えないんですけども、現実的には香椎浜北公園のあたりを必ず通るんじゃないかなと気がするんですね。今、遊歩道ができている辺りから見るとちょうど高層マンションがあって、中間くらいを走るような、そういったイメージがあります。常に人工的なところなので、人工的な構造物ができて、それをうまく調和させる色彩を考えるとかそういった方向でできると思うますので、ぜひこれを機会に修景という考え方をとりいれていただいてものを作ったらそれにあわせて景観を良くしていくという、そういった発想を取り入れていただきたい。もうひとつ、人工的なものはいくらでもつくれるんですけど、自然のものは取り返しがつかないので、たとえばこの御島っていうのをどういうふうに市では扱うのかなと。事業実施区域のところに中途半端にかかっているんですね。だから、守る気があるのならせめてそこははずすとか。それか、本当はつぶしちゃっていい思ってるとか、その辺のところを少しお聞きしたいと思っております。
会長それでは今の点はどうですか。
事業者視察の時もお尋ねいただいたのですが、都市計画アセスということで、漠然と事業実施区域をかけさせていただいております。ただ、さきほども申し上げましたように、海に開かれたエコパークゾーンということを考えておりますので。納得いかれないでしょうけど、現時点では調整中ということでご理解いただきたいと。当然、方法書では御島に入っていますけど、あくまでも漠然と幅的にかけさせていただいたということでご理解いただけないでしょうか。
委員じゃあ、あれは残していただけるんですね。
事業者それは全力で、その辺ふまえて調整しておりますので、よろしくご理解の方お願いします。
会長ほかにございませんか。どうぞ。
委員この方法書のp99の人と自然の触れ合いの場の状況ところで、一言申しあげたいのですが、市民の意見で1つ目のNo.1で事業実施区域内の水路でカヌー教室が開催されると書いてありますけど、この表の人と自然との触れ合いの活動の場のところに陸上部分の公園等の記述しかないので、もし橋脚が100メートル水路にできるということであれば、その水路のところを調査地点に入れていただきたい。現在、アイランドシティ周辺の海域利用に関しましてはルールづくりがされております。100メートル水路では基本的には非動力船つまりボートですとかカヌーですとか、たぶんヨットはなかなか難しいと思いますけど、そういう非動力船は使用してもいいということになっております。もう一点、動力船に関しても「エコパークゾーン水域利用連絡会議」というのが存在して、そこの了解を得れば利用できることになっています。たとえばウェイクボードの大会を開くというような場合ですと、あそこが利用される可能性がある、あるいは利用しているはずだと思います。そうなった時に、そういうところに橋脚ができた場合、利用の面からいうと、いろいろ調査されて評価もされているとは思いますが、安全面という評価ができるのかどうか、アセスメントで、その辺をお伺いしたいなということです。ですので、調査地点としてぜひとも海域の部分は入れていただきたい。調査方法についてはここにあげてあるやり方くらいしかないのかなと思いますが、評価のところで安全性というのが盛り込めるかどうか。
会長はい、わかりました。安全性そのものを評価項目の正面に出すことはなかなか現行アセスの枠組みから言うと難しかろうと思いますが、人と自然の触れ合い活動の場ということでそれを保全するというのであれば、そういう文脈の中ではありえるでしょうね。
特に今のご指摘で大事だと思いましたのは、陸域からしか触れ合いの場を見てないけれども、海面のほうからの触れ合いの場っていう視点が必要だというご指摘は重要なご指摘だと会長としては思いました。これは取り入れていただきたいと思います。
何かほかにございますか。
委員特にありません。
会長はい、それでは。
委員昆虫生物のところで、人工島という、今日も見学させていただいたんですけれども、外来の貨物船とかが入って、外来種の生物、動物で言うとたとえばセアカゴケグモが港湾のところに多いというのがあったと思うんですけど、たぶん記載的には見当たらなかったような気がするんですけど。それが例えば都市高速が通るということで広域化するとか、あるいはそういう評価はいらないのか、今でも道は通じているわけですからどうなのかなという気がいたしましたので発言いたしました。
会長お聞きしておきます。どうぞ。
事業者セアカゴケグモ等ですが、現在東区の生活環境課等で駆除等を行っておりまして、私どもの方も生物生息区域等の情報というのが調べられておりませんので、確認したうえで、またそういったものの同定の全国的な情報があるのかどうか、そういったことを確認したうえで、また準備書に載せるというのもあれですが、きちんと確認したうえでお答えできればと。
会長どうぞ。
委員このアイランドシティ、今はあまり使われていないんですが、委員の意見と少し関係するんですけど、将来予測ってどのくらいのスパンで考えるのかなと。今の状況で予測してもほとんど使われていない状況だから環境影響は軽微であると思うんですけれども。将来的にどういうふうなかたちでいくかって、もう少しわかりやすく示していただくと。土地利用で何も使われていないところでも、今後、土地利用が進行していって車も多くなるでしょうし、そういう時に例えば高速道路をつくったことでいいこともあるだろうし、あるいはその反対もある、そういうふうなところをわかりやすくシミュレーションをしていただきたい。
会長今ただちに答えろというわけではないので、むしろ現在、想定されているこのさら地であるところの利用計画というものと、そこに高速自動車道をいれるということとの関係についてはバラバラに見てはいけない、というのが委員のご意見。だから、騒音の予測等に関しても、どのレベルが望ましいのか、望ましいレベルの設定については、環境基準ははっきりしています。病院とか老人ホームとか保育所とかがあるのだったら、そこは特別に厳しくなっているわけです。それが想定されるような土地利用計画があるところで、通常のA区域とか近隣Bとかいうような議論はできないはずです。それを全く無視してやってしまったら、あとでミスマッチが起こってトラブルが起こるよというご注意です。これは通常のアセスの感覚ではまずいわけです。わかっているかぎりにおいて将来考えられる土地利用形態を考えて、どちらが譲るかです。場合によっては土地利用のほうに譲ってもらって道路を優先するのか、それともやっぱり道路が入るということは将来考えられる土地利用の側のほうを優先して考えてそれにあわせて道路のほうを考えるのか、これは同じ市の中の話なのですから、調整しないといけないでしょう。それがバラバラでふた開けてみたらとんでもないということになったら、それは市民は黙っていません。その点は通常のアセスとは違うよ、という委員の厳しいご指摘ですが、私も大いに同感です。だからわかっている限り将来の利用形態についても織り込んでアセスをやっていかないといけないというご注意です。
委員はい。
会長温暖化の問題については全く方法書に記載はないのですが、この辺はどうですか。
事業者CO2におきましては、今回、特に書いてはないです。
会長それならばやらない理由が必要です。例えば交通量は流れが良くなるのでプラスです、と書けばいいわけで、書いて悪いことないと思うのですが、それとも全く何の影響もないので書きませんと言いきれますか。
事業者いずれも言い切れないと思います。
会長むしろプラス効果があります、と書くほうが楽なのでは。
事業者プラス効果があるともマイナス効果があるとも。例えば国でも環境省と国土交通省と全く見方が逆になっていたりするので、CO2の表記自体がなかなか課題を含んでおりまして。
会長ただ、そうは言うけども、国交省がやっている事業評価なんて必ずCO2削減効果でトン当たりいくらでこれこれこれって金額がでてくるじゃありませんか。あの発想で言えばできるはずだし、あるいは今まで迂回交通だったので、こっち側に流れているのでかえって流れがよくなるから負荷が下がると、プラス効果をPRするのはいくらでもできるじゃないですか。
事業者プラス効果をPRするのはやはり標準化された手法があればある程度はできるかとは考えているんですが。
会長マニュアルはまだできていないのですか。
事業者6月中に。
会長6月中にできるものを使えばいい。
事業者できたマニュアルが国土交通省で、それが標準化されているのかという話になるかと思いますので、今回の方法書ではそういった記載はしておりません。
会長困りますね。これは事務的に協議をさせていただきます。ほかにございませんか。全体を通じて。はいどうぞ。
委員日照も調べることになるんですか。
会長日照ですね。それは日照阻害があるならば。
委員普通の住宅なりなんなりに日照阻害があるかどうかということなんですけれども。この場合はたぶん問題ないと思うんですけど、事例として、ヨシ原のところに幅の広い高速道路、低い位置に橋がかかって、結局、直接的な影響はないと判断されたんですけれども、日照不足でその橋の真ん中あたりには湿地の植生が成立しない環境になるのではないかということがある。
会長湿地というと、どこですか。
委員そのケースでは。ここでいいますと、橋が高いと思われますので、構造はわかりませんけれど、たぶん影響はないでしょうが、水域のアマモについて。
会長アマモについてはありそうですね。
委員ですから生育数でどのくらい落ちるのかということを一応見ていただいて、影響はたぶんないという結論になると思いますけど、見ていく必要があると思います。
会長アマモについては日照の点についてもみてほしい、こういうことですね。わかりました。ほかにございませんか。よろしいですか。それでは、ほかに何か特に。
委員水環境に携わっている関係上、委員がおっしゃった、橋はなるだけ海の中にかけないでほしい。これが本当に切に望むことになります。それで、この方法書には回避・低減という言葉がよく出てくるわけですけれども、それが橋の橋脚を海の中につくらないというのが水環境から見た場合の回避ということですね。それから次に低減なんですけれども、工事期間のことに書かれています、いつから始まって。
会長それは書いていない。それはわからない。
委員もし長いスパンをとられるんだったら、なるべく海洋生態系に影響のない時期に工事をしていただければなと。それが低減になると思います。もし回避を本当になさったら、それはものすごいアピールポイントとなりますので、是非検討をお願いしたいと思っております。
会長はい、ありがとうございました。他にございませんようでしたら、いろいろ出ましたので審査会意見の取りまとめに関しては、とりあえず原案を会長に一任いただけますか。それを先生方にお回しをして、ご了解を得た上で審査会意見にまとめていくということにしたいと思います。会議を開くのは難しいので、あとは持ち回りでご了承いただいて審査会意見ということにしたいと思います。ご一任ということでよろしいですか。
一同賛同。(全員)
会長はい、ありがとうございます。では、一任をいただきました。事務局何かありますか。

(3)その他

発言者 発言内容
事務局(説明)
会長それではほかになにかございませんようでしたら、本日の審査会はこれで終わります。