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更新日: 2012年10月24日

平成24年度第3回福岡市環境影響評価審査会 
議事の要旨 平成24年9月27日



 
日時 平成24年9月27日(木曜日)午後1時30分~午後3時30分
場所 福岡国際ホール16階「志賀」
議題 1 福岡都市高速鉄道3号線(天神南~博多間)事業環境影響評価準備書について
2 その他
出席者 浅野委員、荒井委員、小野委員、川口委員、小島委員、佐々木委員、島田委員
田中委員、野上委員、藤本委員、柳委員(50音順)
会議資料 資料1 福岡都市高速鉄道3号線(天神南~博多間)事業の手続き
資料2 準備書論点資料
参考資料1 方法書に係る環境保全の見地からの意見について(方法書市長意見)
参考資料2 福岡市環境影響評価審査会委員名簿
参考資料3 福岡市環境影響評価審査会規則


【議事概要】

議題1 福岡都市高速鉄道3号線(天神南~博多間)事業環境影響評価準備書について


 
発言者 発言内容
会長それでは、福岡都市高速鉄道3号線、いわゆる七隈線の延伸についての準備書の審査を始めたいと思います。準備書の事業概要と意見概要について事務局から説明をお願いします。
事務局(資料に沿って説明)
会長ただいま事業の概要と、それから準備書の概要と、この準備書に対して一般から出された意見は無いというご報告を頂きました。それでは、準備書について、審査会としての審査を行いたいと思いますので、どうぞ関係する専門の委員の方はご発言頂ければと思います。
事前に提出された委員のご質問については、事務局からご紹介いただけますか?
事業者事業者の方からご説明をさせて頂きます。私ども事業者の方で、先生のご意見について事前に質問の趣旨をお聞きしました。その結果でございますが、別紙にあります先生の質問並びに意見の質問1につきましては、構造物の存在に伴う地盤の項目についてでございまして、ご意見の趣旨といたしましては、専門家以外の方が見ても分かりやすいものとなるよう、論理構成を整理すべきだという視点からのご意見ということでございましたので、ご指摘の内容を踏まえまして、評価書におきましては文の補足を行うなど、分かりやすい表現とすることで対応していきたいと思っております。質問2、3、4につきましては、評価書におきまして追記等行っていきたいと考えております。以上でございます。
会長ということでございますが、当事者以外が聞いてもよく分からないかもしれません。準備書の項目に沿って順次ご意見をうけたまわるという進め方でもいいのですが、既に方法書の段階で皆さんにご意見を伺い、それに基づいての調査・予測、評価が行われているという事でございます。どこでもかまいません。特に何かお気づきの点ございますでしょうか。
委員大気、特に粉じんの評価についてですが、ビル風に関する記述や解釈が分かりにくいかと思いますので質問も含めて確認させて頂きたいと思います。まず156ページです。そこにビル風に関する資料の説明があり、157ページと158ページに計算機シミュレーションによる風速・風向の計算結果が示されています。これの説明文章によると、156ページの上から3段落目ですが、「シミュレーション結果は、基準高さとなる地上高さ50メートルにおいて風速を1とした場合の地上付近(地上高さ2メートル)の風速を風速比として示しています。」ということです。ここで、一番知りたいことは、ビル風によってどれだけ本来風速は速くなるのかという事だと思います。そうするとまず、「ビルがない時」に市街地の条件で地上高さ50メートルにおける風速が秒速1メートルだった場合に、ここで計算している地上高さ2メートルの風速はいくつになるのか知る必要があります。それは資料167ページの下段の方に「べき乗則の式」というのがあって、それに従って計算すれば地上50メートルで今秒速1メートルで吹いている風は、地上2メートルだったらおそらく秒速0.3~0.4メートルくらいになると思います。それを基準にして、例えば157ページのデータを見て頂ければ、ちょうど祇園町の所に「○」がついていて、そこが黄色い色になっていますね。そこの風速がリファレンスの秒速1メートルに対する比なので、例えば0.6って書いていますから、これは秒速0.6メートルになるということだと思います。そうすると、何もビル風がないと、秒速0.3~0.4メートルのものが秒速0.6メートルになるという事なので、風速が最大2倍弱、1.8倍くらい速くなる、これがビル風の影響だという事になります。そうすると、肝心の最後の評価の所、169ページにビル風による影響についてという所で、事業者側が色々と考えて書いてありますが、この処理の仕方が、かなり分からないような数字が並んでいます。簡単に言うと、今みたいに最大1.8倍、約2倍になるということですから、まず表6.1.1-14で、散水した場合の最大の粉じん量というのが、一番多い所で祇園町の先ほどの「○」のついていたところですが、一ヶ月につき1平方キロあたり3.7トンという数字が出ているのですけど、これは風速が倍となれば、量は大体倍になるという式になっているので、そうすると最大見越しても1.8倍だったら一ヶ月につき1平方キロあたり6.7トンくらいになる、それでも参考値内に収まっていますという書き方をした方が分かりやすいのではないかと思います。逆に今の書き方だと、下の方が相対風速最低と相対風速最大の比を比べて6倍だから、吉塚測定局から持ってきた値が秒速1.1メートルなので、その6倍だから秒速6.4メートルで影響があると書いてありますが、それをどうするのかいうことは書いていないので、何か突然付け加えた形になっている。本来このビル風の影響があると、表6.1.1-14に書いてある値がどこまで上積みされて、それでも例えば、今の倍だったら参考値よりも十分低いという方が説明が非常に分かりやすいのではないかと考えているのですけどいかがでしょう。
会長ありがとうございました。分かりやすい質問というよりもコメントをいただいたのだと思いますが、事業者はいかがですか?
事業者はい。ご指摘を踏まえ、記載の方法について検討させていただきたいと思います。
会長要するに、どのように直そうとお考えですか?結論に異論が出されているのではなくて、論理構造というか説明の仕方が、これだけデータが出ていてもその程度で全然生きていないのではないかと思って聞いていましたが。結論はそれでまた参考値の範囲内に収まっているから良いという事になるにしても、そのような説明になっていませんという質問です。
表6.1.1-15と表6.1.1-16を使って、それがどういう結論になったかが、これではよく分からないということです。
事業者1点だけ補足をさせて頂きます。分かりづらい文章で申し訳ございません。こちらの予測、二段階になっておりまして、168ページの一般局のデータを用いた粉じん等の予測、一般的にアセスで使われております道路のマニュアルの予測式を使ったもので一つの物語を作っているのと、あと169ページのビル風による影響につきましては、シミュレーション結果を用いて具体的にビューフォートの階級でいくとどの程度の風が生じるか、要は粉じんが飛ぶ可能性があるかという二つの論法と言いますか予測を併記しているという事でございます。委員がご指摘頂いた評価の所で、二つの内容がごちゃごちゃに整理されている部分がありますので、予測の二段階に分かれている事と同じように評価についてももう少し明確に分かりやすく記載内容を分けていこうかなと思ってございます。それが具体的に修正すべき点かなという事で考えております。
会長よろしいですか?
委員はい。結果的に分かりやすく書いていただければいいと思います。
私個人の考えだと、ビル風で最大風速が1.8倍~2倍になるのだったら、それで表6.1.1-14のこの数字は、最大2倍になるわけですから、それで参考値内に収まっていればそれで良いと書く方が、評価方法も一つで済むので、非常に論理はシンプルになると思っております。私のコメントも参考にし、分かるように書いて頂ければ良いと思います。
会長ありがとうございました。要するに、委員のご説明は良く分かりましたが、そういう階級とか使わなくて済むのでは、ということですね?
委員はい。表6.1.1-16に書いてあるビューフォート階級表を使わなくても、しっかり定量的に表6.1.1-14で評価されているので、これをビル風の影響を最大1.8倍でいいというのであれば、その値が参考値を満たしているので、それ以上言う事はないかと思います。
会長ということです。よろしいですか?
事業者はい。分かりました。ありがとうございます。
会長では他にご指摘ございますか?騒音関係については特にご意見がございますか?
委員対策をしますという事で、対策をする事で落ちるというシナリオになっていると思いますので、きちんとやって頂ければと思います。準備書のこの段階でさらに、という事はございません。方法書の段階で、地下の振動についてご指摘したかと記憶していますが、実際に予測はなかなか難しいので、似たような既設の地下鉄の所を調べて頂いて、そういう事は発生していないという事なので、それも一応よろしいかなというふうに思います。
会長他に何かご意見がありますか?
委員先ほど私の質問に対してですが、きちんと分かりやすく書き直すと。どこをどういう具合にされるのか説明してもらわないと分かりません。
例えばですね、315ページで皆さんお気づきかと思いますが、左側に標高が100mと書いてあります。このような事を間違えるようであれば困るという話をしたら、これは交通局では普通の数字だという説明でした。それから川を二つ、那珂川と博多川を横切りますので、地下水は大体川に沿って流れていますので、これは遮断するおそれがあるかという事は方法書についての市長意見として出ています。あるいは145ページに説明があります。都市計画決定権者も地下水を遮断するおそれがあるという事を言っている。では本当に遮断するのか、という結論の話は何にもない。これ地質学的に見ると、as(沖積砂質土)という地層すなわちここに地下水が流れている。地下鉄はその下の非常に強い岩盤の中を掘るものですから、影響は無いと見て取れるのですが、そういう説明は一切ありません。しかし、地下水は、造ったら建物まですごく影響があると多く説明がありますが、これも理解できません。これも全部書き直して頂けるという事で安心して来ておりますので、少しだけでも説明し、せめて修正する図くらい出して頂くのが良いのではと思いますが、それもないのですか?
事業者申し訳ございません。初めは用意していましたが、細かい内容になってしまいますので、審査会の場ではと思いまして出さずにいました。今、委員よりそのようなご意見がございましたので、一つ一つご説明させて頂くという事でよろしいでしょうか?
会長はい。構いません。どうぞ。
事業者まず、委員のご意見についての質問Aについてですが、これについては、論理のすり替えとの誹りを受けないためにも文の推敲を求めたいとの意見でございますので、評価書においては、論理の展開を分かりやすくするために文の補足を行うように考えております。具体的には、そこに示しております調査すべき情報の所ですとか、312ページの所などに補足をさせて頂く形で文章を分かりやすくしていきたいと考えております。
質問のBと質問のCについてはまとめてご説明をさせて頂きたいと思いますが、準備書の52ページになります。こちらの地域の概況の所で地形の状況を示しております。そちらの文章にお示ししていますが、対象事業実施区域南側の背振山地から北側の博多湾に向かって、地形の傾斜が緩くなっています。地下水につきましては、一般的に山間部から海もしくは河川の方に流れていくということが想定されますことから、対象事業実施区域周辺では南側から北側に地下水が流れていると想定しております。それと構造物との位置関係などにより、地下水の流れを遮断するおそれがあるという形で判断をいたしております。また評価書においてはこのような考え方が分かりやすいような形で文章で何らかの補足をさせて頂けたらと思っております。次に質問Dにつきましては、地下水位の変化が地盤に及ぼす影響として、地下水位の低下による地盤沈下を想定いたしております。そちらに想定しております内容といたしましては、予測の結果といたしまして316ページにお示しいたしていますが、文章で少し分かりにくくなっていますが、大きく4つ挙げております。6行目の所ですが、地層が概ね透水性の高い砂質土及び砂礫土で構成されていること。6行目から7行目、透水層の幅が広い、15~30メートル程度ということから地下水は広い範囲で分布していると予測されること、また次の8行目、駅や土留壁等の地下構造物の延長が短い、中間駅約180メートル、博多駅約140メートルであること。またトンネル区間においても透水層の遮断が部分的であること、例えばシールドトンネルでしたら高さが約5メートルであること。以上の4点の事から、地下水は構造物ができた後でも構造物を回り込むように流動して、地下水の流れを遮断することによる地下水位の変化をほとんど生じないと予測されるので、地盤への影響は極めて小さいと予測をいたしております。質問Eにつきましては、そちらに分かりやすい検討結果とそれについて解説を求められるということなのですが、想定した影響及び検討結果ということにつきましては、先ほどのDと同じでございます。なお、予測結果の検証のために事後調査、観測井を設置したり、地下水位の変動を監視するということを実施することとしています。次、質問2ですが、断面図の標高がよく分からないという事なのですけれども、こちらにつきましては、で使用しております地質調査報告書から引用したものですが、私どもの報告書では地下鉄標高、地下鉄の構造物の高さを分かりやすくするために、標高表示のプラス100メートルということで高さを表示いたしておりました。私どもでは、地下なのでマイナス表示になってしまうことから分かりにくいのでプラス100メートルということで高さの表示をしていたのですけれども、そのまま準備書の方に掲載させて頂いておりますので、評価書の掲載にあたりましては、ご指摘のとおり通常の標高表示、現在の標記からマイナス100mという形に修正したいと思います。質問3ですが、地下水位を示してほしいということでございますので、そちらの断面図につきましては、ご指摘のとおり地下水位を追記いたします。質問4の標高という文字は不要であるということでございましたので、こちらにつきましても評価書の掲載については削除いたしたいと考えております。以上少し長くなりましたけれども、ご説明ということで終わらせて頂きたいと思います。
会長さきほどの委員のご指摘は、地下水が含まれているのはas層であろうから、それより下をシールドで掘っていくということであるならば、あまり大きな影響はないのではないかというご指摘であったかと思います。その方がはるかに準備書で言っている影響がないというお話よりも説得力がある気がしますが、その点はどうなのですか?つまり、今の説明ですと工作物が大して大きくないことから、地下水は回り込んでいくからいいでしょうみたいな説明ですけど、そもそもシールドで掘るのだったら、その上の方に水があるからあまり関係ありませんという方がよっぽどはっきりしていると思います。この点は委員のご意見を受け入れる余地があるのではと思われますが。その点はどうですか?
事業者少し補足させて頂きます。315ページの地質縦断図をご覧ください。先ほど先生の方からご意見ございましたように、駅と駅の間のトンネル部分につきましてはシールド工法ということで地中をトンネルで掘り進める形でございます。この区間につきましては、先ほどからお話に出ておりますas層の下を通りますので地下水に与える影響は無いということで記載させて頂きたいと思っております。なお、例えば中間駅の所ですけれども、駅の所につきましては上から開削工法という事で掘り下げていく事になりますので、その際には部分的にas層を土留めを設置して掘削するという事になりますので、駅部については一部影響も想定されるということで、今回評価をさせて頂くということにしてございます。こちらにつきましては、駅の所で部分的に土留めを設置することにはなりますけれども、その周りを地下水が回り込むように流動していくということで整理をさせて頂きたいと考えております。
会長はい。それで良いのかなという気もしますが、影響はありませんって言っているが実際には影響が出たときの方がダメージが大きいのではないか。この辺に現在も使用されている井戸があるならそこへ影響があるかもしれません。もしそう言うことは起こった場合には代償措置を取りますと言っといたほうが無難のような気もするのですがね。特に中間駅の辺りに全く現役の井戸がなかったらいいのですが、現役の井戸があると地下水は回り込むから地下水は減りませんといった話だと思うのだけど、はずれってことではなくて、かえって叩かれませんか。
事業者一応、予測の方が定性的でございますので、事後調査でその辺りは確認していこうということで評価書の方には記載させて頂いております。343ページの9.2.4構造物の存在に伴う地盤のところですが、3行目の所に、周辺の建築物等に影響を及ぼさないと予測・評価されますが、定性的に実施していますが地盤条件等が完全に一致しているわけではないため、予測結果の検証が必要と考えられることから、事後調査を実施いたしますということです。
会長はい、分かりました。よろしいですか?
委員145ページで、地下水位を平成24年1月から6月まで調査しましたと書いてありますね。実際に調査されているのですから、予測したように博多駅の方から中間駅の方へ地下水が流れていることなのでしょうか?
事業者地下水位についてはこの時、調査をしていますが、流れまではこの時、調査をいたしておりません。
委員地下水というのは水位を測って、高い方から低い方へ流れるのですよ。反対ではだめです。わかりますか?流向調査というのは、水位だけ測るのですよ。
事業者地下水位が2点でしか測定いたしておりませんので、216ページにお示ししているとおり、現地調査の形では、はかた駅前通りと祇園町ということで地下水位については同じような挙動を示しておりますが、こちらの結果だと2点しかお示ししておりませんので、先ほどの位置関係なのですけれども、218ページの方にお示しいたしております。地点1といたしておりますのが祇園町、赤い線の方です。地点2とお示しいたしておりますのがはかた駅前通り、緑の線ということになっております。
会長これは結局ピンポイントで見ているだけで、これだけで言うと逆になっています。流れは全然把握できていないわけで、全然、別の流れをおさえているということになります。北の方が水位が高い。でも他のデータを見ていてもこういうことがありました。これ自体は不思議には思わないですがいかがですか。
委員博多駅付近で特別、揚水をやっているとか、そういうことがあれば逆になりますね。そういうことはあるけど。
委員216ページの2点の赤と緑の表がありますよね?これは、標高で書いているのですか?
事業者すいません。先ほど委員のご指摘にもございましたけれど、標高ではなくて、地表面からの深さという事でお示ししております。
委員これ全体でみると、地下水がマイナス1メートルとか2メートルとか書いてありますが、それが要するに地表面からの深さで書いてあり、実際の標高がわからないものですから、これを見ても地下水位の評価ができない。地表面からという文章がかなり中に出てきますので、僕は解釈として地表面からと書いているのだと。それならば、委員のご指摘のとおり、レベルで示さないと評価はできない。
会長これは要するに、あまり変動がありません、降水の影響を受けていますということを言いたいだけですね?
事業者はい。こちらにつきましては、建設工事の実施に伴う地盤ということで、現状の地下水位がどの程度かということをお示ししたものでございまして、地下水の流れについて調査をしたものではございませんので、このような表示になっております。先ほど委員からのご意見にありました地下水の流れについては、質問3にございます、断面図に地下水位を示してほしいという記載がございますので、断面図の方に、例えば315ページ等に今回の建設区間の地質縦断図がございますが、こちらに追記した形で地下水位を表示させて頂くことにいたしておりますので、こちらを見て頂ければ地下水位の高さはわかるのではと。こちらの方は委員のおっしゃるような標高表示になっておりますので、こちらで対応させて頂ければと考えております。
会長そうすると214ページの表6.1.4-5のデータを基に作るということで理解していいですか?
事業者そうですね。こちらのデータは既存資料調査という事ですが、他のボーリングデータ、確かにこの調査も一部ございますけれども、合わせた形で。
会長これは測定時の気象条件ががばらばらだし、時期もばらばらだし、既存データでこういうものがありますと言っているだけですね。
事業者はい。これも含めた形で地下水位の把握できているものについて記載をさせて頂く形です。
会長わざわざこのためにお金をかけてボーリングをやるくらいならば、この辺の井戸を徹底的に調べて、現在これくらいの水位ですと、工事の後はこうなりましたと、あまり差がありませんと言えればクレームはつかないわけだし、もしも地下水位がぐっと下がったりするという場合にはごめんなさいと頭を下げるしかないわけだから、今がどうなっているかを調べておくのが無難だというのが、常識に近い話だと思いますがいかがでしょうか。
よろしいですか。
委員もう一度確認ですが、水位は測ったけど、流向は測っていないと。流向調査はされますか?
事業者いえ。流向調査についてはいたしません。流れについては、今回の予測の手法として使用するのであれば流向調査ということもありますが、今回そこまでは予測には使用しておりませんので、これから流向調査をするということはありません。事後調査に示していますとおり、工事の際には観測井を設けて地下水位の監視をいたしますので、実際に低下するか低下しないかにつきましてはそちらで対応させて頂きたいと思っております。
委員だから水位調査については結構ですが、流向調査はしないと明言されましたね。それでいいのですか?流向調査というものは、水位でコンターを書くのですよ。水位調査をやれば、流向調査になる。だからこの214ページのものは地表面からの水位なのです。標高に直すわけですよ。そうすれば立派な地下水流向調査になる。これが地表面からの深さで書くから理解できない。
会長要するに、データの見せ方の問題を言われているのであって、もう一回、調査せよと言っているわけではないのですから、素直に委員のご意見を聞いたらいかがですか。
事業者そういたしましたら、周辺の地下水情報を集めまして、高さから流れを把握した形で記載させて頂くという事で。
委員地下水位のコンターを書けば、それに直交して右から流れますよというのが理解できますという事を委員はおっしゃっているのです。
会長他に準備書で何か問題な点はありますか?
どうぞ。
委員廃棄物と残土の所ですが、前回の方法書の時にお願いしたのは、環境負荷の低減についての評価方法が、資源化施設が近隣にあることだけだったので、本当に資源化されるのかを評価するには定量的な評価が必要だと考え、過去の処理・処分状況を調べてくださいと提案しました。今回七隈線の発生量のデータを出されていますが、再資源化率とか処分率のデータがありません。このデータがあれば資源化のトレンドがわかり、再資源化の目標値とどう整合できるのかという所まで判断できます。私としてはそこまでやってほしいなと思って過去の実績をあたってほしいというふうにお願いしたのです。けれども、今回はただこういうぐらいの量でしたという話で、どこにどういうふうにいったのかというのがデータとしてありません。このことが残念だなと思っています。
会長これは残念ですというご意見として聞いておきます。
若干条件の違う、なんと言いますか過去のデータで何%ぐらいというのは、あまり参考にならないかと思います。今度の工事は大半がシールド工法ですから、そうすると多分汚泥がかなり多く出てくるような可能性があります。既設線とは全然出方が違うのではという気がしてしょうがないのですね。上から掘っていく箇所はいいのですが、シールド工法の箇所では前と条件がかなり違うのじゃないかなと思います。だから単純に過去のデータで、今回の議論ができないかなとも思います。
委員もう一点いいですか。図のお願いですけれども、242ページの残土の処理施設の立地状況についての所ですが、糸島の所が切れていて地点2が非常に分かりにくいので、もう少し分かるようにずらして書いて頂きたいと思います。
会長少し図をずらして宮若市の所を削ればよいかと思います。
他にご指摘ありますか?よろしいでしょうか?
委員縦断図の中で縦スケールと横スケールが違いますよね?縦横比が分かるように三角形か何かで、縦横比が違いますよというのを示してもらわないと、勾配がものすごくあるようなイメージを受けるので、その辺をちょっと工夫してもらえれば助かります。
会長見せ方の問題ですね。プロの集団ではこれで納得できて、その世界にどっぷり浸ると当たり前という気になりますが、知らない人が見るととんでもない誤解を与えることもあります。他に特にご意見がございませんようでしたら、今回は見せ方の問題についてのご指摘があっただけということです。事後調査については、実施しますと書いてありますので、審査会としてはそれで結構です、しっかりやってくださいという意見であったと思います。特にここは改めるべきであるというご指摘はむしろ表示の問題、説明の問題についてでしたので、概ね準備書に書かれている対策等については、さきほどの地下水の問題については若干、もう少しちゃんと事前の調査をやらなきゃいけないという点が指摘事項としてあるかもしれませんが、他の問題その他についてはあまり問題なさそうだという結論であったと考えます。そこで、今日の皆さんのご発言を議事録を精査の上で市長意見として、ここはぜひ加えておかないといけないことがあるかどうかはもう一度見極めさせて頂きますが、準備書に記載されているとおり環境配慮を十分にして迅速に事業が進むようにといったような事を、審査会としての意見の骨子とさせて頂きたいと思います。
よろしいでしょうか。それでは、審査会の意見のとりまとめは私に一任させていただきたいと思います。ご異議ございませんか。(異議なしとの声あり)。それでは本日の審査は以上ですが、事務局から何かありましたらどうぞ。
事務局本日、審査いただきました内容をとりまとめまして、審査会意見をいただいた上で、福岡市長意見を作成し、都市計画決定権者に送付することとさせていただきます。



議題2 その他


 
発言者 発言内容
会長その他ございましたらどうぞ。
事務局その他でございますが、今後の審査案件についてでございます。法対象事業でございますが、10月には福岡空港滑走路増設事業についての方法書の手続きが開始されますので、年度末にかけてのお忙しい時期ではございますが、委員の方にはよろしくお願いいたします。
会長滑走路の案件については、既に前回も申し上げたと思いますが、配慮書の対象事業ではないのですが、任意に配慮書を作るということでございます。これは、全国的に珍しい例でございます。その配慮書に対して既に環境大臣意見が出ており、概ね自然に関しては、さらに今後方法書以降で丁寧にやるようにとの注文がついておりますが、内容的には、こういう比較方法だということはまことに適切であるとの意見が出ております。
それでは、本日の審査会はこれで終わりたいと思います。
事務局本日は長時間にわたり、熱心なご審議を賜りまして、ありがとうございました。